【塩原恒夫】元祖ナイトレースと秋の別れ〜F1アジア2連戦シンガポール&日本GP

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夜道のコース変更

2008年の初開催から元祖ナイトレースとして知られ、鈴鹿との連戦で気分的にも盛り上がるF1シンガポールGP。マリーナベイ市街地コースは、今年コースが変更になりました。後半の連続する直角コーナー部分(ターン16~19)が直線に変わり、ドライバーには概ね好評のよう。

フリー走行ではフェラーリが終始主導権を握り、前戦からのティフォシ・パワー持続か。記録を次々と塗り替えてきた連勝街道のレッドブル&フェルスタッペンは、これまでの異次元のパフォーマンスが影を潜めています。そして迎えた予選では、我らが角田がやってくれました〜Q1トップ通過の興奮。Q2は、フェルスタッペンに塞がれたのち自らのミスもあり残念15番手…ただクルマの大幅アップデートが良さそうなので、鈴鹿に期待です!レッドブル2台Q2敗退(2018ロシア以来)の一方で、ハース2台がQ3進出の衝撃が続くーポール・ポジションは2戦連続でサインツが獲得し、2位ラッセル、3位ルクレールまで1000分の79秒差の大接戦でした。なお、ストロールはQ1最終アタックにヒヤリの大クラッシュ…決勝レースは欠場となりました。

サンデーナイトは、コース変更による距離短縮から周回数は去年までより1周増えて62周決勝レース。19台、最後尾ジョウ・グァンユーはピットレーンスタートを選択しました。11・13番手からのレッドブルは、ハード・タイヤ=リバース・ストラテジー、3番手ルクレールはソフトを履いてスタートにかける思い〜

鈴鹿につながるアジアン・ロードは、セーフティカー出動率100%ーシグナル・オールフラッシュ。さあスタート!サインツの後ろからルクレール、ラッセルを交わしてフェラーリ理想の1-2体制を築きます。そして、角田〜コース上ストップ…前回のモンツァでのフォーメーションLAPから、今週はオープニングLAPで終わりです。どうやら、ペレスとの接触でクルマにダメージを負ったようです。

戦略上のタイヤ交換タイミングが近づいてきている20周直前、サージェントがウォールに接触ーパーツ破片がコース上に飛び散っています。ここで今年もセーフティカーが入ります。願ってもないチャンスに、トップのサインツから続々ピットイン。レッドブル2台は入らなかったことで、フェルスタッペン2位・ペレス4位まで浮上しました。ただ再開直後、2人ともライバル勢に抜かれ後退していきます…40周から相次いでタイヤ交換。オコンのリタイヤでVSCとなった44周目をきっかけに、メルセデス2台が、逆転の切り札=2度目のピットストップを敢行します。今季ここまで全線入賞のアロンソは、5秒ペナルティにピット作業のロス、それを取り戻そうとしたかコースオフもあり、今回はジ・エンドの結果15位に。終盤は、サインツ懸命のタイヤ・マネージメント走行の前に、ノリス~ラッセル~ハミルトンまで4人の優勝&ポディウム争い接近戦ーラッセルが、ファイナル・ラップのターン10でクラッシュ脱落…結局レッドブルとフェルスタッペンの連勝を止めたのは、サインツ!!去年のイギリスGP以来のキャリア2勝目を飾りました。2位ノリス、3位ハミルトンはファステストも獲得、4位ルクレール、フェルスタッペン巻き返しも5位まで、ガスリー、ピアストリ、ペレスは8位、アルファタウリ=ローソンが今季チームベストの9位でフィニッシュ、デビュー3戦目での初入賞をはたしました。10位マグヌッセン。

秋に別れのシルバーウィーク

秋分の日の土曜日、フリー走行3回目を前にアルファタウリから角田とリカルドの契約延長のニュースがようやく流れて、日本のファン喝采!ホームグランプリ開幕です〜スターティング・グリッドです。

20/19 来年が見えていない人、見えている人の違いは大きい。サージェントとジョウ 18/17 先週Q3進出ヒュルケンベルグ、今週もQ1敗退ストロール 16/15 8列目にはボッタスとマグヌッセン、日本の残暑はこたえますか? 14/13 ドライバーズ・ランキング15ポイント差、防戦オコンと勢いのアルボン 12/11 ガスリーとローソンに共通質問「僚友・角田について教えて」 10/9 鈴鹿も富士も勝利を知るアロンソに、裕毅が学ぶ帝王学 8/7 ラッセルは、アジアの夜に高い授業料、棚からポディウム!ハミルトン 6/5 サインツとペレス、今シーズン勝つことの奇跡を分かちあう3列目 4/3 2戦連続4位ルクレール、ノリスと争う椅子取りゲーム 2/1 ここまできましたピアストリ、デビュー7か月でフェルスタッペンの貫禄に急接近です。以上、20台による”みんなのフォーミュラワン”です!

今年は天気に恵まれました。気温は30度近くまで上昇し、路面温度も40度を越えています。53周決勝レース。サージェントはピットレーン・スタート、19台がグリッドにつきます。日の丸シグナル・オールフラッシュ〜インにピアストリ、アウトからノリス。1コーナー、ヤング・マクラーレンの攻勢を薙ぎ払うかのようなフェルスタッペンの立ち回り鮮やか。フェルスタッペンを先頭に、ノリス・ピアストリは順番変わりました。その後方では接触あったかーペレスとハミルトン、アルボンとボッタス…早くもセーフティカーが入る。角田10位、9位ローソンと入れ替わっています。

再開後、2ストップは10周前後&25周以降のタイヤ交換に対し、メルセデス=ラッセルは、24周終わりまで引っ張る1ストップ。そこまでに、ボッタス、ペレス、ストロール、サージェント、アルボンが離脱するサバイバルな展開。ただ、ヘアピンでマグヌッセンと接触しマシン・ダメージを負ったペレスは、受けたペナルティを消化するために終盤コースインするというドタバタを演じることに。

スタンドからの偏りない応援が、ドライバーの熱いパフォーマンスを引き出し、それぞれのポジションで最後まで接近戦が見られました。ライバル勢2ストップ完了で一時3位のラッセルは、さすがにタイヤが厳しく順位を下げる結果となっています。フェルスタッペンは、前週の不振を完全払拭のハットトリックで通算48勝目〜そしてレッドブル、2年連続6度目のコンストラクターズ・タイトル決定です。ノリスは今季4度目の2位、3位ピアストリはルーキーイヤー初表彰台です!4位ルクレール、ハミルトン5位、サインツ、ラッセル7位、アロンソ、オコン、10位ガスリーまでが入賞。ローソン11位、角田は悔しさ滲む12位。完走15台、鈴鹿サーキット秋開催を締め括っています。

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この記事を書いた人

塩原 恒夫のアバター 塩原 恒夫 フリーアナウンサー

1987年フジテレビ入社、アナウンス室勤務〜2017年7月BSフジに出向し、広報担当局長としてアナウンス業務も兼ねる。2022年3月フジテレビを退社、同年4月よりフリーアナウンサー。フジテレビNEXT/F1中継や、福島テレビ・エキサイティング競馬のMCを担当する。

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