6月に入って、ドライバーの契約関連に動きがありました。ペレスのレッドブル残留、逆にアルピーヌのオコンは来季チーム離脱へ、そして角田はVCARB残留発表です。後半では、ガスリーとストロールが所属チームとの契約を延長しました。
モントリオールは雨予報 第9戦カナダGP
毎年、雨も絡んで波乱の印象が強いカナダ・モントリオール、ジル・ビルヌーブ・サーキット。予選はサプライズの連続でした。Q1ではペレス2戦連続での敗退…フェラーリ2台揃ってQ2落ち…そしてPP獲得ラッセルと2位フェルスタッペン、1000分の1秒同タイム決着!!!角田は8番グリッドから決勝にのぞみます。
決勝スタート前の雨。レッドシグナルが濡れた路面を照らしていくーラッセル、フェルスタッペン、ノリス、ピアストリ、上位では5番グリッドからのリカルドが、そして角田も遅れた…唯一ウェットタイヤで勝負に出たハースの2台は、順位を一時的に上げましたが、乾き始める路面状態にピットインを余儀なくされます。ただし雨予報に、他のチームもドライタイヤ交換には動けず、インターミディエイトを保たせなければならない状況です。3番手・4番手マクラーレン勢ノリスとピアストリが、ファステストをマークし合いながらトップの2台に迫る。DRS使用可能となって、20周目ノリスがフェルスタッペンをオーバーテイク〜21周目にはラッセルも抜いて、北米2勝目へTOPに立ちました!フェルスタッペンもラッセルをかわして2位ー25周目サージェントがクラッシュ、セーフティカーです。ここでノリスはすぐにピットに入らず、ライバル達は先にタイヤ交換を行います。1周遅くノリスも入るが、3番手に後退。角田はコースにとどまり7位から何とか入賞に繋げたいーまだ半分以上周回数残るところでレース再開です。直後の31周目、アルボンが最終コーナー手前からのアプローチで、リカルドとオコンをオーバーテイク!!一気に9位浮上。ルクレールはPUトラブルでリタイヤ…
後半戦はドライタイヤへの交換が勝負のポイントになる〜43周目真っ先にハミルトン、続いてフルスタッペンとラッセル、その間猛烈プッシュのノリスは、オーバーカットにかけるピットイン。出口で重なるフェルスタッペンとの微妙なタイミングは、履き替えたばかりのノリスが、まだ濡れているコース合流部分で一瞬挙動が乱れて2位だ〜
クライマックスへの引き金は、単独スピンのサインツにアルボンが接触…これでフェラーリとウィリアムズはWリタイヤ。2度目のセーフティカー明けは、フェルスタッペン、ノリス、ピアストリ、ハミルトン、ラッセルの順ーハミルトンがピアストリを抜いてポディウムに手をかければ、ラッセルもピアストリを攻略し4位に。メルセデスは今シーズン初表彰台へ、チームメイト・バトルはラッセルが上がって決着を見ました。優勝のフェルスタッペンは通算60勝目、ノリスは2位、3位ラッセル、ハミルトンはファステストをマークする意地、ピアストリ、アロンソ、ホームGPストロール7位、リカルド決勝今季初入賞8位、アルピーヌのガスリー9位オコン10位でWポイント獲得。9位走行中だった角田はラスト5周をきったところでのスピン…14位と残念な結果に終わりました。
アップグレード・ダウン 第10戦スペインGP
去年最終シケインの撤去で高速化とはいえ、トータルバランスに優れたバルセロナ・カタロニア・サーキットは、今回フェラーリ、VCARB、レッドブルなどがアップデートをほどこしてきました。が、実際パフォーマンス向上を示したのは、マクラーレンとメルセデス、アルピーヌという皮肉な予選順位となりました。ノリスが3シーズンぶり2度目のPPを獲得、2番手フェルスタッペン、2列目ハミルトンとラッセル、3列目にルクレールとホームGPサインツ、ガスリーとオコンが4列目、アロンソは10番グリッド、降格のペレス11番手、角田・リカルド9列目…モナコよりもグリッド重視と言われるデータは、はたして。
ヨーロッパ3連戦第1ラウンド、太陽と情熱のレッドシグナル、66周決勝スタート〜ポール、ノリスはフェルスタッペンを意識するあまり、4番手ラッセルにトップを奪われたあげく3位に後退…前戦カナダの借りを返すべくオープニング・ラップを制したラッセルですが、3周目フェルスタッペンがかわして先頭に立ちました!
その後はそれぞれ2度のピットストップを行い、フェルスタッペン、ノリス、ハミルトン、ラッセル、ルクレール、サインツ、ピアストリ、3ストップ・ペレス、ガスリー、オコンのTOP10。
終盤、2位ノリスが首位フェルスタッペンを。5位ルクレールが4位ラッセルを、最後まで諦めない走りで差を縮めましたがそこまで。レッドブルでのデビュー戦を自身初優勝で飾った地で、フェルスタッペン通算61勝目、ファステスト&ドライバー・オブ・ザ・デイのノリスが2位、過去6勝の貫禄でシーズン初ポディウム=ハミルトン。角田19位低迷、全20台完走という結果でした。
6月最後のサプライズ 第11戦オーストリアGP
シーズン3度目のスプリントウィークは、チャンピオン・チームの本拠地レッドブルリンクが舞台です。金曜唯一のフリー走行ではメルセデスが手応えを感じさせましたが、スプリント予選では、やはり1位フェルスタッペン。しかもここ2戦の接戦を振り払うかのように、後に続いたマクラーレンはじめライバル勢を圧倒しました。
土曜日のスプリント・予選とも大きく結果が変わることはありません。スプリントは、フェルスタッペン、ピアストリ、ノリス、ラッセル、サインツ、ハミルトン、ルクレール、ペレスの順でポイントを獲得。予選の顔ぶれも上位8台そのままに、ヒュルケンベルグとオコンがTOP10に加わりました。角田は14位、アロンソ15位からスタートになります。
オレンジ・アーミーの大声援、スタート地点から目の前にそびえる1コーナーへの壁こそが、越えなければならない”マックス”という存在。当たって砕ける思いで71周決勝レース、情熱を解き放てーフェルスタッペン先頭、ノリス vs ラッセル、ノリスが守る。4番手以降さらに激しいポジション争い、ルクレール・ピアストリ・ペレスの三つ巴で、ルクレールがダメージ負ってピットイン…フロントウイング交換です。
ほぼ2ストップの戦いは、最終盤の優勝争いでまさかのドラマ!DRS圏内に入ったノリスは、トラックリミット覚悟の攻勢、懸命の防戦フェルスタッペンー周回遅れも絡んで、緊張感が高まります。ラスト10周をきって、ターン3で両者接触〜双方タイヤのパンクで、ピットイン!!繰り上がってラッセル先頭、サインツ、ピアストリが続くーピアストリはサインツを抜いて、ターゲットはラッセル〜しかしヴァーチャル・セーフティカーが入って、なんとかラッセル最後は凌いだ印象。結果、メルセデス=ラッセルが2シーズンぶり通算2勝目、2位ピアストリ、サインツの3人が表彰台。ハミルトン4位、コース復帰のフェルスタッペンは5位、ヒュルケンベルグはペレスを抑えて価値ある6位、マグヌッセン8位でハースW入賞。9位リカルド、10位ガスリーでした。ルクレール11位、今回またも同僚と争ったオコン12位、14位角田、18位アロンソ執念のファステスト。唯一リタイヤとなったノリスは、ドライバー・オブ・ザ・デイが慰めの報酬。ノリスのトラック・リミット5秒、フェルスタッペン10秒ペナルティを思うと、今後の関係に遺恨となった山岳決戦でした。
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