【東京V】2023 J1昇格プレーオフを制し、16年ぶりのJ1復帰!!

こんにちは、みやざき潤です!

先日、国立競技場で開催された「2023 J1昇格プレーオフ 決勝」へ行ってきましたので、今回はその試合について記事をまとめてみました!

ぜひご覧ください!

目次

「2023 J1昇格プレーオフ」決勝開催まで

先日最終節を終え、首位にてクラブ史上初のJ1への挑戦権を得た「FC町田ゼルビア」最終節で逆転での自動昇格を掴みとった2位「ジュビロ磐田」がJ1昇格を勝ちとった「明治安田生命J2リーグ」。

残り1枠となったJ1昇格の権利を勝ちとるために開催された3位〜6位の4クラブによる「2023 J1昇格プレーオフ」へ参加し、決勝まで勝ち残った3位の東京ヴェルディ、そして4位の清水エスパルス、その2クラブによるJ1昇格をかけた両クラブにとって来季のカテゴリーをかけた今シーズンの最終戦にして最大の大一番。

リーグ戦上位のホームかつ、90分を終えて引き分けだった場合はリーグ戦上位クラブが勝ち上がるレギュレーションとなっていたため、3位東京ヴェルディはホームで負けなければJ1昇格、そして4位の清水エスパルスはアウェイで勝たなければJ1昇格は残されていない中で迎えるこの一戦となりました。

もちろん、こうして両クラブの昇格の条件を整理すると有利なのは東京ヴェルディであるのは間違いないが、「アウェイで勝たなくてはいけない」クラブのやらなくてはいけないことのわかりやすさや、「勝利するのはもちろん大切だが一方、ホームで失点しなければ勝ち残れる」条件は無意識に守備意識を必要以上に高めてしまって攻守のバランスを崩すなど、心理面での難しさは上位クラブの方が生じてしまうことは多々あります。

余談にはなりますが、最終節開始前時点でどのクラブが何位で「2023 J1昇格プレーオフ」に参加するかは一切決まっておらず、それどころかそもそもどのクラブがプレーオフに参加するか混戦となっていました。そんな中で各クラブのフロントスタッフは開催されるかわからない不確定情報が多い中でプレーオフに向けて調整を進めており、(準決勝を勝ち残り、かつホーム開催となった場合に備えて)決勝の準備も進めなくてはいけません。

もちろん、6位での参加となる場合でも「J1昇格決定」用の広報ビジュアルやグッズの手配もおそらくは準備するはずですのでホーム開催がなかったとしても事前に準備することは多岐に渡ります。

その中で普段ホームとしている味の素スタジアムではなく、フロントスタッフやイベント派遣業者・常連のボランティアスタッフなどが普段使い慣れていないであろう国立競技場での開催手配を進めて一般販売は試合前々日のお昼だったにも関わらず5万名以上の集客をした”スタッフの活躍”も素晴らしいものですし、それが今回の「オリ10対決」を大きく盛り上げていたことは間違いありません!

残りひと枠の椅子を争う「東京ヴェルディ」 、「 清水エスパルス」

そして迎えた運命の一戦。

共に最終節までJ1自動昇格圏内となる「2位」になれる可能性を秘めていた中で、参加することになった「2023 J1昇格プレーオフ」。最終節時点で「残り1試合」で悲願のJ1昇格が掴めるか、もしくは「残り1試合+負けたら終わりのトーナメント戦2試合を勝ち抜かなくてはいけない」かはシーズンを戦い抜いた後に行われる立て続けの大一番に向けて体力面はもちろん、メンタルに与える影響は大きいはずです。

その中で最も「残り1試合」でJ1昇格を掴める可能性が高かった清水エスパルスは最終戦でのドローにより、自動昇格圏の「2位」を明け渡してしまっただけでなく、最終節で勝利した東京ヴェルディにも順位で入れ替わられて「4位」でのシーズンを終えることになったため、逆転されたショックと共に「想定外の2試合」を迎えることになった難しさはあったのかもしれません。ですが、急遽迫った大一番はそれを待ってはくれず、さらにはリーグ戦全試合フル出場でチームを支えた日本代表GKの権田修一選手が「2023 J1昇格プレーオフ」でベンチ入りさえもできなくなる異常事態。ですが「J1昇格プレーオフ」経験こそないものの、Jリーグ創設時から在籍する「オリ10」の意地を見せ、「4位」とレギュレーション上位でもあった強みを活かしてリーグ終盤最も勢いのあった「5位」モンテディオ山形相手に失点を許さず0-0の引き分けで決勝まで残りました。

一方、最終節での逆転自動昇格圏浮上の可能性こそあったものの、最終節開始前時点で4位だった東京ヴェルディは「2023 J1昇格プレーオフ」での昇格を見越した上で最終戦へ臨んでいました。そしてその最終戦で勝利し、自動昇格圏こそ他会場の結果により掴みとることはできなかったものの1つ順位を上げて「2023 J1昇格プレーオフ」参加クラブでは最上位となる「3位」で大一番へ臨むことになりました。

最終節で3位になったことにより、初戦を順位上有利な「5位」ではなく「6位」(「5位」と「6位」にどれだけの差があるかは難しいところですが…。)のクラブと当たれるようになったのはもちろんありますが、それ以上に参加クラブの中では最上位となるため、4クラブ中唯一決勝まで勝ち残った場合は「必ずホーム開催」となり、「負けなければJ1昇格」という大きなアドバンテージを得ることになりました。

ですが2018年には「2018 J1参入プレーオフ」(※当時はJ1クラブとの入れ替え戦があったため、「昇格」ではなく「参入」)に「6位」で参加しリーグ戦「5位」と「3位」クラブをそれぞれアウェイで破って勝ち上がった経験があった東京ヴェルディは上位クラブが守り抜く難しさを知っています。

その中で「6位」ジェフユナイテッド千葉相手に前半で2点のリードを奪うなど、シーズン終盤10戦負けなしだった盤石さを見せ反撃は1点に抑えて2-1で勝利しホームでの決勝進出を決めました!

そして今季のリーグ戦では清水エスパルスがホーム・アウェイ共に勝利し、東京ヴェルディとしては0勝2敗と今季唯一連敗をしている難敵相手との大一番を国立で迎えることになりました。

運命の大一番、東京V vs 清水 -前半-

試合前の様子はこちら

史上初の静岡県勢がJ1にいなくなってしまった2023年のJリーグ。サッカー王国復権へ、自動昇格を果たした同じ静岡県勢のジュビロ磐田と共に静岡県勢でのW昇格を清水エスパルスが果たすか、もしくはFC町田ゼルビアの J1昇格により、FC東京を含めた東京都内全3クラブが日本最高峰の舞台であるJ1で火花を散らせるか。大きな注目を浴びた一戦がキックオフ!

今季のリーグ最少失点を誇る東京ヴェルディの守備を突破しなければJ1昇格を掴みとることができない清水エスパルスは、全選手の中で今シーズンJ2唯一の2桁得点2桁アシストを達成した元日本代表の #33 乾貴士選手や、昨シーズンのJ1得点王(※J2ではなくJ1です!)で今シーズンも12得点あげている #9 チアゴサンタナ選手、そしてチーム内得点王で15得点の #10 カルリーニョス ジュニオ選手、その3名の2桁得点選手を中心とした攻撃で東京ヴェルディゴールへ迫ります。

一方の東京ヴェルディ(※かつてはヴェルディ川崎)もJリーグ黎明期を支え、Jリーグバブルの主役と言っても過言ではなかった華々しい黄金期から時を隔てていき、J3降格もチラつくシーズンも過ごすなどたくさんの苦しみと共に乗り越えて掴んだJ1昇格まであと一歩のチャンス。東京都出身でジュニア時代から東京ヴェルディ一筋のキャプテン #7 森田晃樹選手らアカデミー時代からクラブに在籍している選手も多く、16年ぶりのJ1へ決して引くことはなく、リーグ2位の失点数を誇る清水エスパルスの堅い守備陣をこじ開けにいきます。

J1への思いをのせたサポーターの熱気もあり、スタジアムの雰囲気も最高潮となる中、前半は0-0で折り返すことになりました。

運命の大一番、東京V vs 清水 -後半-

前半を0-0で折り返したことで、このままではJ1昇格ができない清水エスパルス、そしてこのままいけばJ1昇格を果たせるもののリーグ2位の得点力を誇る清水エスパルス相手に1失点でもしてしまったら優位性が入れ替わってしまう東京ヴェルディ。

両指揮官はハーフタイムでの交代枠を使用せず、前半を戦い抜いたメンバーで後半開始の笛を待ちます。

そして始まった最後の45分。前半同様立ち上がりから両クラブがチャンスを作るものの得点は生まれません。すると60分に清水エスパルスが動きます。チーム内得点王のカルリーニョス ジュニオ選手を下げてDF 5 北爪健吾選手を投入し、システム変更もして勝負に出ます。

その直後、早速北爪選手がペナルティエリア内にパスを出すと、ハンドを獲得しPKのチャンスを獲得します!そのPKをチアゴ サンタナ選手が沈めてJ1昇格に向けて大きすぎる先制点を「4位」清水エスパルスがあげ、今度は「3位」東京ヴェルディが得点しなくてはいけない状況に追い込まれます。

優位性が入れ替わってしまった東京ヴェルディはその後、攻撃的な選手交代をし同点を目指します。

一方、同点すら許されない清水エスパルスはDF登録の選手を交代していきバランスを整えつつ勝負を決める2点目を狙いにいきます。

シーズン終盤を10戦負け無し、さらにはその中には当時直近8試合で7勝1分と圧倒的な勢いがあったジェフユナイテッド千葉相手に0-2から3-2で逆転勝利をするなど勝負強さが身についてきていた東京ヴェルディは、その自信を元に残された時間で攻め急ぐことなく必ず訪れるであろうチャンスを伺っていきます。

ですが清水エスパルスもしっかりブロックを作って守り、リーグ1位・2位の守備力を誇る対戦で得た虎の子の1点を守りぬき、残された時間は後半アディショナルタイムのみとなります。

しかしこうした双方のボルテージが高まる接戦での大一番では、最後の最後に様々なドラマが生まれてきました。2014年には引き分けでは敗退となるモンテディオ山形が土壇場でのGKがヘディング弾を叩き込み、東京ヴェルディも2018年には同じくGKのヘディング弾が弾かれたところから値千金の先制点を叩き込み劇的勝利をあげることで「勝者」が入れ替わりました。

そしてそのドラマは残されたアディショナルタイムの「8分間」でまた新たに作られることになりました。アディショナルタイム5分、自陣右サイドで激しいプレスから#3 谷口栄斗選手がボールを奪うとすぐに#47 中原輝選手へ繋ぎ、中原選手もターンし上がっていたDFの背後へスルーパスを出します。そのボールに反応して抜け出した#39 染野唯月選手がペナルティエリア内で倒されてPKを獲得します!

2022年夏に約半年間期限付き移籍で加入した東京ヴェルディで活躍し、今シーズンも育成型期限付き移籍にて夏に”再度”加入し約半年の在籍ながらチームトップの6ゴールでチームを支えたストライカーが土壇場でのJ1昇格へ導くシンデレラストーリーを描き、1-1で試合終了!

東京ヴェルディが16年ぶりのJ1復帰をJ開幕の舞台でもある国立競技場(※改修はしていますが)で達成し「J30」と銘打った2023年最後を締めくくりました。

最終節、10戦無敗にて土壇場で「3位」へ滑り込んだ東京ヴェルディが「3位」であったが故に掴んだ土壇場でのJ1昇格。試合後にはPKを献上してしまった東京ヴェルディ一筋のキャプテン森田選手が涙を流すなど、責任の重さと思いの強さを感じるとともに来シーズンはJ最高峰の舞台にヴェルディが戻ってきます!

今シーズン東京ヴェルディとジュビロ磐田がJ1昇格を決めたことにより、来季は新王者のヴィッセル神戸を含め、2008年以来となるJリーグ・J1王者経験のある全クラブがJ1の舞台に揃うことになりました。

来季はそんな強豪揃いのシーズンでの厳しい戦いになることが見込まれる中、試合後サポーターへ向けて「エレベータークラブになってはいけない」と語った城福浩監督率いる東京ヴェルディ。

16年ぶりに最高峰の舞台へ戻ってきた初代王者。来シーズンは王者たちと鎬を削り、史上初となる首都東京都の3クラブがJ1の舞台で上位を争う2024シーズン。

「1クラブ」(2023年)から2024年は「3クラブ」へと降格枠が増えるレギュレーションではありますが、その中を戦い抜き、「エレベータークラブにはならない」東京ヴェルディから新たな歴史が生まれていくことを今から楽しみにしたいと思います。

J1昇格時の様子はこちら

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みやざき潤のアバター みやざき潤 元TVディレクター・Jクラブスタッフ

Jリーグ観戦が趣味です。
発言は個人の見解となります。

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