【塩原恒夫】ヨーロッパに別れを告げて舞台はアジアへ〜F1日本グランプリへの道

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アーミーと8月のオレンジ・レイン

およそ3週間のサマーブレイクが明けて迎えるF1世界選手権シーズン第14戦の舞台は、例年のベルギー・スパからオランダ・ザントフォールトにかわっての後半戦スタートです。

3連覇へ死角なしのフェルスタッペン母国凱旋となれば、オレンジアーミーの盛り上がりは最高潮です。改めてここからというライバル勢に反抗のきっかけは果たして…初日フリー走行2回目で波乱があります。バンクが特徴のコース、ターン3でクラッシュのピアストリを避けようとした復帰3戦目アルファタウリのリカルドがバリアに衝突し左手骨折の不運。翌土曜日からは、急遽リザーブ=リアム・ローソンのF1デビューとなりました。

予選結果は、もちろんPPフェルスタッペン、2位ノリスからラッセル、アルボン!アロンソ、サインツと6位までカラーが違うクルマが続きました。ウィリアムズはサージェントもQ3に入るインパクト。14位角田は、ハミルトンへの妨害ペナルティで、3グリッド降格で決勝17番手からとなります。

日曜日、72周決勝レース。スタート・シグナルに合わせるかのような天候変化、雨が演出効果の主導権を取ります。オープニングLAPからタイヤ交換のピット大混乱状態は、インターにチェンジ早いもん勝ち!7番グリッドからのペレスが、一段落後はトップに。10周あたりでドライに戻すことになり、フェルスタッペンが奪首成功。2位ペレス、アロンソ、ガスリー、サインツ5位で進んでいきます。角田もスタート後いち早くタイヤ交換したことで入賞圏内を走行しますが、次のピット戦略ギャンブル不発で結果15位で終わりました。

レース終盤には再び雨が強く降り、ジョウ・グァンユーのクラッシュからVSC~40分の赤旗中断…セーフティカー先導による再開は、ラスト6周。ペレスは、中断直前のピットレーン速度オーバーで5秒ペナルティの誤算がのしかかる。

優勝のフェルスタッペンは、3年連続ホームGPポール・トゥ・フィニッシュで、自身9連勝を飾り、ベッテルの連勝記録に並びました!2位アロンソはカナダ以来の表彰台で、難しいコンディションでの巧者ぶりを見せつけファステストラップも記録しました。3位は、ペレスと入れ替わってガスリー繰り上がり。サインツ5位、ハミルトン、ノリス、アルボン、ピアストリ、オコンまでがポイント獲得です。アルファタウリ=ローソンは、13位完走。ルクレールは、ピアストリとの1周目接触でフロアにダメージを受けた影響から中盤リタイヤとなりました。

ティフォシ、完全ドライときどき熱狂

F1ヨーロッパ・ラウンドはWヘッダー、まだシーズン2か月残して締めくくりを迎えます。しかもイモラが中止だったため、ティフォシ待望のイタリアGPです。開幕13連勝中のレッドブル、異次元のフェルスタッペン=オレンジ・アーミーに押され気味も、予選は歓喜に包まれました。グランドスタンドに陣取るティフォシの表情だけで結果がわかるQ3ラストアタック!先にルクレールがTOPタイムをマーク(ワーッ!)、フェルスタッペンが更新(しーん)、最後にサインツだー(ヤッター!!!)。4位ラッセル、ペレス5位、アルボン、ピアストリ、ハミルトン、ノリス、アロンソTOP10。0.013秒差角田11位、12位!ローソンでした。

およそ4か月ぶり、フェルスタッペン連勝街道が始まったマイアミGP以来の完全ドライなウィークエンド、53周決勝レースは、フォーメーションLAP中まさかの事態。入賞への期待が高かった角田にPUトラブル…開幕からの完走も止まってしまいました。

フォーメーション2周分減算51周レースのスタートは、サインツ、フェルスタッペン、ルクレール変わらず。サインツは15周目にフェルスタッペンに奪われるまで、何とかTOPをキープする展開。5番手からのペレスは、ラッセル、ルクレールと時間はかかったがパスし、後半はサインツとの2位争いが熾烈をきわめる。ラスト6周で、ようやくレッドブル1-2体制に。最終盤は、跳ね馬同士のポディウム争いだー。チーム無線飛び交う中、ティフォシでなくても冷や冷やハラハラの3位攻防戦は、週末通してルクレールを抑えていたサインツが制し、今季初表彰台に立ちました。

優勝でF1新記録の10連勝を飾ったフェルスタッペンは、終盤ペースを落とすよう無線が入り、決して楽ではなかったことが伺えます。チーム開幕14連勝をワンツーで、ペレス一息。手に汗握ったであろうティフォシ、そして当事者サインツ嬉しいドライバー・オブ・ザ・デーも獲得です。5位ラッセル、6位ハミルトン、アルボン、ノリス、アロンソ、ボッタスまでが入賞。ローソン11位、12位ピアストリがファステストをマークです!

いよいよこの後は、シンガポール元祖ナイトレース&秋の見納め?鈴鹿=アジア2連戦が待ちます。

フジテレビNEXT・F1

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この記事を書いた人

塩原 恒夫のアバター 塩原 恒夫 フリーアナウンサー

1987年フジテレビ入社、アナウンス室勤務〜2017年7月BSフジに出向し、広報担当局長としてアナウンス業務も兼ねる。2022年3月フジテレビを退社、同年4月よりフリーアナウンサー。フジテレビNEXT/F1中継や、福島テレビ・エキサイティング競馬のMCを担当する。

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