【STADIUM TUBE】(株)NTTSportictが示したスポーツによるAIカメラの有効活用

目次

「100万人が見る試合を1試合放送ではなく、100人が見る試合を1万試合配信」NTTSportictと”STADIUM TUBE”の方向性

まさに目から鱗であった。AI技術がここまで進んでいるとは。

先日、(株)NTTSportictが開催した「AI技術を活用したスポーツ映像の自動撮影・ライブ配信サービスについての発表会」にウルスポも参加。イベントにはスペシャルゲストとして元バレーボール女子全日本代表エースの木村沙織さんも登壇しAIカメラの印象を語った。

ことの経緯は、先日YouTube:ウルスポにてB1群馬クレインサンダーズの新アリーナ取材として撮影したオープンアリーナ太田のサブアリーナ取材にて(16:00分過ぎ)練習時の分析用に取り入れていたAIカメラに触れたことから始まる。

YouTube:ウルスポ オープンアリーナ太田取材にて

そのカメラを群馬に提供したのが他でもないNTTSportictである。今回はそのNTTSportictがメディア向けの発表会を開くということで参加した。

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事業内容の発表会は主に3つの要旨で中村社長が話を展開する。

中村正敏 (株)NTTSportict代表取締役社長

着眼点

ミッション(パーパス)
「あなたの頑張る姿を、あなたの誰かに届ける」

「アマチュアスポーツに注目した背景として、日本には配信されていないスポーツが数多く残っている。小学校〜大学のスポーツ、セミプロ・アマチュアスポーツ、映像化されていないプロスポーツなど。アマチュアスポーツはサッカー、バスケットボール、バレーボール、野球など主要スポーツのみでも裾野が広い。アマチュアスポーツが注目されている背景として新型コロナ、少子高齢化、運動不足が挙がる。今、アマチュアスポーツが社会課題を解決する鍵として注目されている」
と中村社長は続けた。

実現したい未来として
「100万人が見る試合を1試合放送ではなく、100人が見る試合を1万試合配信」
を掲げる。

STADIUM TUBEとは?

NTTSportictが提供するAIスポーツ映像ソリューション「STADIUM TUBE」はイスラエルのPixellot社が開発した無人撮影カメラで、AIによる自動撮影や編集機能を備える。スタジアムなどの競技施設に設置することで撮影コストは1/10に抑えられ、動画の再生前に広告動画を自動挿入することも可能。

AIアルゴリズムにより、AIがボール、選手の位置、ルールを把握。現在、サッカー・ラグビー・バスケットボール・アメフト・バレーボールなど16競技の撮影に対応しており、「オートプロダクションモード」では、本物のカメラマンが撮影しているような自然なカメラワークに。

また、通常のAI撮影と合わせて同時にパノラマでピッチ全体の撮影されるため、撮影した映像を既存のコーチングシステムへ直接流し込むことで、ファイル変換などの手間をかけずにチームの練習、選手へのフィードバックや分析に活用可能。

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競技場にAIカメラを設置するだけで、簡単に練習や試合の撮影・編集・WEB配信が可能に。パノラマで撮り、AIのアルゴリズムで編集を行う。これにより、作業コストの90%を削減。一回工事を行い、通信回線と電源さえ引けば、専門のカメラスタッフを派遣しなくても、撮影・編集・配信が可能だ。

中村社長は
「地域スポーツはエンゲージメントが高く、本来スポーツは男性が多いが、対象が親御さんなので、男女比は半々。通常ECサイトや企業のランディングページの直帰率は50%〜65%が通常と言われる中で地域スポーツの配信ページは24.9%。つまり約75%が最後まで映像を見ているということ。コロナ禍では子供の最後の試合を見られると感謝された。こういうことが我々の事業の意義やモチベーションになっている」
と「STADIUM TUBE」に懸ける想いについて並々ならぬものを感じた。

導入事例

・小学生のフットボールスクールで練習中でもすぐに映像を使いながらレクチャーができる
・プロバスケットボールチームでのコーチング利用。撮影した映像をすぐにライブコーディングして選手にフィードバックできる
・地方ケーブルテレビ局と連携し、コンテンツ充実のため、ローカル5Gを使い、AIカメラ(Double Play)で自動撮影した野球映像を配信。5年で50球場を展開。通常10人程度必要な野球中継を2人で運用。
・朝日新聞Live A!での大会映像配信 朝日新聞WEB会員拡大を狙い、神奈川のバスケ協会と提携し、小学校バスケの大会から始め、小・中・高と拡大し他県へ拡大中。一つのカメラでアルバイトが操作し試合映像と得点板をワイプで抜くことが可能。
・ホッケーが盛んな地域である奥出雲町で「ICT x スポーツ」の取り組みによる地域活性化を図る。大会、スポーツ合宿の誘致はもちろん、DMMとコラボしシティープロモーションを行う。
・大館市もスポーツコミッションや地方創生推進交付金を活用し、タクミアリーナやニプロハチ公ドームにAIカメラを設置。現地に誰も派遣せず完全無人でライブ配信を行い、価値の提供として合宿誘致。地元企業による応援広告や県内3位のふるさと納税で部活動の地域移行へのサポートを。AIカメラの付加価値をつけ地域活性化を促進。スポーツツーリズムとの連携で、サイクリングイベントや合宿支援、ロードレースイベントの開催、東京2020大会のレガシーを活かしボッチャを通じたタイとの交流などを通じた地域活性化、交流人口、関係人口の拡大を目指している。

スポーツコミッション大館・田村氏

スポーツ施設・体育館デジタル化のメリットとして、SpoLiveというコミュニティPFを作り、チームは技術力の向上やファンとの繋がり、試合映像の収益化を、住民は小規模大会のオンライン配信や今後地域移行される部活動の視える化、自治体は施設の利用率・利用収入向上、大会や合宿の誘致拡大、人流・地域経済の活性化が挙がる。

「地域スポーツは大きな可能性を秘めているが地域の中では活用しきれていない。地域スポーツが愛され、住民の誇りとなっていく世界の仕掛けを作りたい」
と中村社長は結んだ。

この日スペシャルゲストとして登壇した木村沙織さんも
「STADIUM TUBEに興味があります。S3は画質が綺麗だったので凄く大きいカメラだと思っていたんですが、思ったより小さいですね。私の頃は父や母がホームビデオで撮っていたので今は凄いですね。代表の時は色々な所にカメラが設置されていて何秒後かに流れることになっているので、スパイク練習をした後にすぐに自分のフォームをチェックできるようになっていた。練習の時にもこのようなカメラがあれば便利だなあと思っていた。すぐ見れたり、地区予選から色々な試合を追えるのはいいなあと。自分の小さい頃の映像はビデオなので確認できないが、こうやってストックされるといつでも確認できるので羨ましい。海外だと色々なスポーツが見られるチャンネルがあるんですが日本はないので、未来が楽しみ」
と期待に胸を膨らませていた。

スペシャルゲストとして登壇した元バレーボール女子全日本代表エースの木村沙織さん

最後に発表会後、中村社長がウルスポナビゲーター・こにわのインタビューに応じて下さったのでその一部始終を。

「AIカメラだけではなくPTZと言われる定点的なカメラを使う場合があるので。体育館の使い方として、固定カメラではなく、移動カメラを使うなど球技によって使い方が変わってくるので。バリエーションとしてお客様の使い方に応じてコンサルティングというか提案している」

ー今後AIカメラのプログラミングで切り抜き映像が同時に作られていく未来はありますか?
「会社の中を覗かれているようで(笑)。まだ報道発表やリリースはされていないが、サッカーやバスケなどの背番号認識映像などは案外見る人が限られていて、自分の好きなカットで編集する仕組みなどは意識しておりまして、あまり会社の中を覗かないでいただければ(笑)。最終的には自分でアナログのアルバムの写真を切り取ったり、自分が簡単にできることがいいはず」

ーSTADIUM TUBEで上級な試合中継にすることは可能か?
「STADIUM TUBEというより、全体の俯瞰した映像はAIカメラで撮っておいて、あとは抜きの部分を固定カメラで。そのスイッチングを自動化というか遠隔でする。そういう未来になっていくはず。試合のグレードに応じて固定カメラとのバリエーションになる」

ー100人が見る試合を1万試合から100人が見る球速が入った試合を1000試合などは考えられる?
「導入する側のコストの問題になってくるが、球速であったりホームランを打った時の軌道が出る。そういう技術は進化して定例化してシンプルになっていくのでそういう世界は来ると思う」

ー例えばInstagramなどで写真を貼り付けした時に商品のタグ付けができますが、STADIUM TUBEの画面の中で同じことができますか?子供達は同世代のうまい子が使っている道具に興味のある子は多いはず
「鋭いですね。サッカーやバスケなどでまさにうまい子が履いているシューズを僕も買いたいという子は多い。映像の可能性はそういう所にあって、子供心をくすぐるのがうまいチームの上級者の靴を子供は求めて親は買ってしまう。画像認識のスキルが上がれば技術的には可能ですね」

ーSTADIUM TUBEでスクールの中身が見られることで親子でスクールを選択することができるようになり、町クラブの連携も高くなるはず
「まさにうちのメンバーの一人の子供が英会話塾の話をしていて、スポーツでも体験入学などで時間がかかる。強いチームやクラブのレベル感などが最初から見られたら良いですよね。さらにそこからSpoLiveなどのコミュニティを活用して練習試合などを組み立てられるようになれば」

このようなAI技術を活用したスポーツ界は明るい未来が待っているはず。その一翼をNTTSportictが担っていると言っても過言ではない。

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この記事を書いた人

南 英博のアバター 南 英博 ULTRA SPORTS 編集長

世界初のクラウド型スポーツメディアである「ULTRA SPORTS 」WEB版の編集長に就任。当サイトはアスリートのセカンドキャリアを応援し、将来的に様々な競技の参加者同士が自由に交流できるプラットフォームとすべく日々奮闘中。ライターとしての顔も持つ。フットサル、高校野球の取材経験あり。高校野球は主に埼玉担当。

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