去る8月4日(金)に新潟市内で「西区社協eスポーツフェス」が開催されました。主催は新潟市西区社会福祉協議会と新潟市西区で「アソビでふくしに出会う夏」と題して、eスポーツと障がい理解のコラボレーションがコンセプトになっています。
会場となった新潟市西区のショッピングセンターには朝から多くの親子連れなどが来場し、5つのeスポーツ体験コーナーは常に賑わいを見せていました。
今回のイベントは「バリアフリーeスポーツ」の活動を行う株式会社ePARAが企画運営に協力しており、障がい者eスポーツプレイヤーのデモンストレーションやユニバーサル仕様のコントローラー体験などを通じて、年齢や性別、障がいの有無を問わずみんなで楽しめるのが特徴です。
格闘ゲームの代表で今年6月に発売されたばかりの「ストリートファイター6」では、全盲のストリートファイター・NAOYAさんがゲストプレイヤーとして登場し、来場者とのデモマッチを行いました。
視覚情報がないのにどうやって闘うの?? ストリートファイター6には「サウンドアクセシビリティ」という機能が付いていて「ピピピ…」というガイド音の高低や音色で、相手との間合いや残り体力などの情報を得られるようになっており、NAOYAさんはガイド音だけを頼りに防御や様々な技を繰り出して戦うのです!
子どもの頃から耳を頼りにきょうだいとゲームで遊んでいたというNAOYAさん。当日は賑やかしの実況や様々な雑音が入り混じる中で、NAOYAさんは次々と現れる参加者と対戦し、勝利を収めていました。このとんでもないプレーは必見です!ぜひTeNY eスポーツ部チャンネルでご覧ください!
この機能の開発にはePARAの皆様も協力されたという事ですが、これがソフトに標準で実装されているという事に驚きました。視覚情報を用いない格闘ゲーム大会「心眼CUP」というイベントも開催されているそうで、スポーツにパラスポーツがあるようにeスポーツもバリアフリー化が進んでいることを知りました。
また「eFootball」のコーナーでは、障がい者eスポーツサッカーチーム「ePARAユナイテッド」所属のTORIさん・はるさんの2人が来場し、eFootballプロ選手のKaraageさんと3人でのデモマッチや、来場者との体験プレーが行われました。
ゲストプレイヤーの1人、はるさんは高校1年生の夏に突然、右上肢が動かなくなる病に襲われました。想像がつかないほどの努力で利き手ではない左手を右手のように動かす訓練をされたということで、はるさんはコントローラーに特殊な装置を取り付けて、左手だけでeFootballのすべての操作を行うのです。
デモマッチでは私たちの地元チーム・アルビレックス新潟を3人で操り、ゴールが決まればみんなでハイタッチ!息を合わせてアルビイレブンを動かす様子はまさに‟ワンチーム”で、ePARAユナイテッド主将のTORIさんは「特に守備の面でチームプレイの醍醐味を感じていただけたのではないか」と話していました。
障がいがあっても仲間と喜びや感動を共感できるeスポーツの魅力を発信したいというePARAユナイテッド。eスポーツだからこそできた 3人の連携プレーに会場が沸きました。
この日、270名が来場した西区社協eスポーツフェス。パラeスポーツを通して誰もが共生できる空間が作られていました。来場者が障がい者プレイヤーとの対戦を楽しんだり、歓声をあげながらデモマッチを観戦したりする様子から、遊びを入口にした新たな福祉のカタチを体感し、私たちTeNY eスポーツ部も大きな刺激を受けた夏となりました。
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