【水球男子】「水球を日本に広めたい」 高校3年生がアメリカ留学で挑む新たなステージ:トビタテ!留学JAPAN

前回に続き、自分が大好きなスポーツをきっかけに海外留学へチャレンジする高校生をリポートします。今回は水球部に所属する高校3年生、北村麦さんにお話を伺いました。北村さんはアメリカ・カリフォルニア州で、日本に水球を普及させるために必要なことを学ぶ探究活動に挑戦します。

目次

北村さんの水球との出会いと留学の決め手

水球を始めたのは中学1年生のとき。水泳部の見学で初めてそのプレーを目にし、直感的に「かっこいい、面白そう!」と惹かれたそうです。「水球って、実際に触れてみるとすごく奥深くて。実際に触れてみることでその魅力を体感し、この素晴らしいスポーツをもっと日本に広めたいと思ったのがきっかけです」と北村さんは振り返ります。

ただ、日本ではまだ競技人口が少なく、欧米諸国と比べると代表選手のレベルにも差があります。北村さんは「レベルの高い環境でプレーすることで、技術面・精神面ともに成長できると考えました」と語ります。さらに水球が盛んな国で探究活動を行うことで、日本に普及させるために何が必要なのかを学びたいと考え、本格的にアメリカ留学を目指しました。

返済不要の留学奨学金制度「トビタテ!留学JAPAN」とは?

北村さんが通われている芝浦工業大学柏高校はグローバル教育であったり、海外との交流にかなり力を入れてる学校とのこと。その中でも、北村さんの先輩や同級生からトビタテ!留学JAPANの存在を知り、自分の探究したい活動を組み合わせてトビタテでの留学にチャレンジしようと思ったそうです。
 
北村さんは松倉さん同様、文部科学省及び日本学生支援機構による官民協働の海外留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」の第10期派遣留学生としてアメリカ留学に挑戦します。

トビタテ!留学JAPANとは
文部科学省及び(独)日本学生支援機構は、官民協働で、意欲と能力ある全ての日本の大学生や高校生が、海外留学に自ら一歩を踏み出す機運を醸成することを目的として、2013年に留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」を開始しました。
2023年度から始まった第2ステージ(2023年度~2027年度)では、事業の3つの柱として、返済不要の奨学金を支給する「新・日本代表プログラム」、留学に関する情報の集約とステークホルダーの連携を強化する「留学プラットフォーム事業」、帰国後のトビタテ生が国内外の団体と協働し各方面で活躍する人材を育成する「価値イノベーション人材ネットワーク事業」を実施しています。

返済不要の奨学金を支給する「新・日本代表プログラム」には、5つの特長があります。
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1:留学プランを自分で設計できる!
 →テーマ・行き先・期間も自由
2:インターンやボランティア、研究も対象!
 →座学だけでない多様な学び方ができます
3:民間寄附による返済不要の奨学金
 →毎月の奨学金(12万円/16万円)に加え留学準備金などのサポートも
4:充実した事前・事後研修
 →留学前も後も、多様な講師陣や仲間同士で学べる充実の研修を提供
5:約1万人以上のトビタテ生コミュニティ
 →あらゆる分野で活躍する多彩な先輩トビタテ生と繋がり切磋琢磨しよう
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学業成績や語学力ではなく、熱意、好奇心、独自性という基準で選考され、「留学に挑戦したい」という強い気持ちがあればどんな学生でも応募が可能な制度です。
留学計画の内容に沿って、以下の4つのコースから選んで応募することができます。
※2025年度(第10期)時点
※高校生等対象と大学生等対象では募集要項が異なります。詳細はHPをご確認ください。

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マイ好奇心探究コース(250名)
「知りたい」、「明らかにしたい」という自らの興味・関心に基づいた問いを設定し、「未知を既知」にすることや「疑問を解明」することを目的に行う探究活動が含まれた留学計画。

社会課題探究コース(150名)
世界・日本・地域が抱える社会課題を自分ごととして考えた問いを設定し、課題解決や活性化、SDGs、社会貢献に寄与することを目的に行う探究活動が含まれた留学計画。

■STEAM探究コース(160名)
STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)領域における問いを設定した探究活動を含む留学計画や、問いに対してAIやIoT、理科の見方・考え方や数学的な見方・考え方を活用しながら行う探究活動が含まれた留学計画。

■スポーツ・芸術探究コース(140名)
実技経験や実績の有無にかかわらず、スポーツ・芸術分野における問いを設定し、当該分野の更なる発展に寄与することを目的に行う探究活動が含まれた留学計画。
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今回、北村さんは「スポーツ・芸術探究コース」に応募し、見事合格。第10期派遣留学生としての留学が決まりました。2025年度(第10期)派遣留学生選考結果を見るとスポーツや芸術をテーマに留学生に行く学生は156人です。

トビタテ生の将来の展望

今回のアメリカ留学では、「普段触れることができない異文化の中に身を置き、多様な背景を持つ人と交流することで新しい価値観や考え方を見つけたいです」と力強く語る北村さん。まっすぐ語るその目からは強い探究心を感じさせられました。

高校を卒業後、「大学でも水球を続け、上を目指したい」とのこと。さらに将来は小学校の教員になることを目指しており、そのために留学で得た学びに加え、大学ではスポーツと教育を組み合わせた研究をしたいそうです。

日本に水球を広めたいという情熱を胸に、海を越えて挑戦する北村さんの姿は、多くの学生に勇気を与えることでしょう。皆さんも自分の心から好きなスポーツの可能性を広げる挑戦に一歩踏み出してみては?

留学体験発表会に参加しよう

「トビタテ!留学JAPAN」では、11月に大阪会場、12月には東京会場にて「留学体験発表会」を開催するそう。留学体験発表会とは、世界各地へトビタった派遣留学生が、留学で得た学びや気づきを振り返り、自身の未来を見据えたエピソードを語るイベントだ。100名以上の留学生が登壇し、今年の夏に留学を終えたばかりの高校生も参加予定。

タンザニアへラクロス留学した子やカナダへジェンダーフリーなチアリーディングを学ぶ留学をした子などスポーツ留学の経験を発表する高校生も多数参加するので要チェック!オンライン開催する日もあるから時間がない人もぜひ参加しては?
公式URL: https://tobitate-mext.jasso.go.jp/news/detail.html?id=549

【留学体験発表会 開催概要】
<大阪会場>
■日時:2025年11月3日(月・祝) 13:00~18:00
■場所:グランキューブ大阪 大阪府立国際会議場
<東京会場>
■日時:2025年12月14日(日) 11:30~16:30
■場所:法政大学 市ケ谷キャンパス
<オンライン開催>
■日時:11月15日(土) 13:00~17:00(1回目)
     11月20日(木) 18:00~20:30(2回目)
■形式:Zoom(URLは観覧予約された方にメールで御連絡します)

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