NSCAとは?
NSCAとはNational Strength & Conditioning Associationの略で、私の保有する資格の団体にあたります。
そんなNSCAのカンファレンスが先日開催され参加してきました。
今回のカンファレンスで聴講した内容は
将来につなげる育成期サッカー選手のからだづくり
今回はこちらについてご紹介したいと思います。
他の内容も追ってご紹介したいと思いますのでお楽しみに。
日本サッカーのフィジカルフィットネスは弱いのか?
サッカーをやってきた方や携わっている方はよく耳にしてきたフレーズではないでしょうか
単純な答えだと「NO」
身長(平均) | 体重(平均) | BMI(平均) | |
日本 | 178.4cm | 71.7kg | 22.5 |
モロッコ | 182.2cm | 73.3kg | 22.1 |
ブラジル | 180.0cm | 72.4kg | 22.3 |
フランス | 184.4cm | 77.0kg | 22.6 |
オランダ | 182.8cm | 75.8kg | 22.7 |
クロアチア | 183.5cm | 76.9kg | 22.8 |
アルゼンチン | 177.9cm | 72.4kg | 22.9 |
イングランド | 181.2cm | 75.7kg | 23.0 |
こちらは昨年のFIFAワールドカップ2022のベスト8チーム+日本チームの【身長・体重・BMI】の平均値になります。
BMIとは 「肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数」
※ちなみに肥満度の判定指数は国によって異なります
一般的なBMIの読み取りとしては「BMIが高い=肥満傾向」となりますが、今回はプロアスリートという視点から各国の選手はほぼ同じ体脂肪率とし「体重−体脂肪=除脂肪体重(筋肉量)」とみています。
各国を比較すると
BMI(除脂肪体重)では日本は劣っていない。
これが冒頭であった「日本はフィジカルが弱いのか?」という問いの答えになります。ただし、強いかと言われるともちろんまだそこまでではなく(個人的に強い選手はいる)
また、一番の注目はなんと言っても優勝したアルゼンチンとの比較でしょうか。日本の方が平均身長は若干高いのに対して平均体重とBMI(除脂肪体重)はアルゼンチンの方が上回っています。これは日本の選手が平均あと1.3kg増量することに該当します。
プレミアリーグとの比較と目標値
カテゴリ | A | U−21 | U−18 |
プレミアリーグ FP | 24.4 | 24.0 | 23.0 |
日本代表 FP | 23.5 | 22.5 | 21.8 |
目標値 | 24.0 | 23.5 | 23.0 |
プレミアリーグ GK | 24.9 | 24.4 | 25.2 |
日本代表 GK | 23.7 | 23.6 | 21.9 |
目標値 | 24.5 | 24.0 | 23.5 |
平均身長の差も影響しているとは思いますが、各カテゴリーで1.0以上低い傾向が見られます。
したがって目標値もアンダーカテゴリーでは1.0以上となっていますが、逆に見ればこれはまだまだ日本には伸び代があるということと言えますね!
フィジカル要素とは
また、フィジカルは上記のような体格的な要素だけではありません。
日本サッカー協会の推奨するフィジカルフィットネス要素は以下の9つの項目になります。
力強さ | 持久力 | 体幹 |
瞬発力 | すばしっこさ | 身のこなし |
バランス | スピード | 粘り強さ |
この中から選手によって得意な特性(武器)が組織(チーム)の中で活かされることが望ましいと思いますが、全体的にベースアップすることの必要性と日本人にとっての可能性をアルゼンチンが示してくれた気がします。
試合に勝利するための要素
今回ご紹介したフィジカルフィットネスのデータは下記の要因のひとつであり、これらが絡み合って試合の勝敗に影響を与えていると考えられています。
他種目でもラグビー日本代表の最近の躍進などが挙げられるように、また今回ご紹介したデータも然り、日本が世界と戦う上でのポジティブな情報として広まることができたら幸いです。
コメント