【スポーツクライミング】パリオリンピックへの切符を手にしたものたち

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パリ五輪スポーツクライミング、男・女ボルダー&リードとスピードの出場選手続々と決定!!

2023年も残りわずかとなったが、年内に世界選手権と、5大陸予選が終了し、パリオリンピックへ出場することができる選手の半分が出揃った。

スポーツクライミングは、ボルダー&リードとスピードの2種目あり、それぞれ選手が選ばれる。ボルダー&リードは、20名で競う。1課題の中で、5点のホールド、10点のホールドを通過し、トップホールドが25点。そのボルダーを4課題登り、全部完登できれば100点。リードは、点数が下部からホールドごとにつけられ、トップホールドが100点。合計200点満点で、点数の高かった選手がメダル獲得となる。決勝へは8名進出。
スピードは、その名の通りより速く登った方が勝ち。予選は14名によるタイムレースを行い上位8名が決勝へ進む。決勝は、トーナメント方式で戦い勝ち抜いた選手がメダル獲得となる。
それでは、これまでに選ばれた選手を紹介していこう。

●女子●
【ボルダー&リード】
ヤンヤ・ガンブレット(スロベニア)世界選手権優勝。東京オリンピック金メダル。男子選手も圧倒する無敵の女王。

ジェシカ・ピルツ(オーストリア)世界選手権2位。東京オリンピック7位。チャーミングな笑顔の中に芯の強さが光るオールラウンダー。

森秋彩(日本)世界選手権3位。小さな体でどこまでもくらいついてどんな小さなホールドも離さない粘り強さ。

ナタリア・グロスマン(アメリカ)アメリカ大陸予選大会優勝。テクニカル&頭脳明晰、クレバーな登りと身軽さが武器。

オリアーヌ・ベルトン(フランス)ヨーロッパ大陸予選大会優勝。フランス海外県アフリカ東方のレユニン島出身、感情むき出しパワー全開クライマー。

ツァン・ユートン(中国)アジア大陸予選大会優勝。柔らかすぎる体を駆使して五輪切符を勝ち取ったダークホース。

オセアニア・マッケンジー(オーストラリア)オセアニア大陸予選大会優勝。東京オリンピック19位。173センチのリーチを生かした、どこまでも届かす登り。

ローレン・マクエイバー(南アフリカ)アフリカ大陸予選大会優勝。趣味のダイビングの泳ぎを活かした、柔軟でなめらかな登りが武器。

【スピード】
デサク・マデ・リタ・クスマ・デウィ(インドネシア)世界選手権優勝。スピード強国インドネシアのエース。強腕を生かした超パワー&ハイスピードクライマー。

エマ・ハント(アメリカ)世界選手権2位。アメリカ記録保持者。173センチの身長を生かした伸び上がってかけ登る。

アレクサンドラ・ミロスラウ(ポーランド)ヨーロッパ大陸予選大会優勝。東京オリンピック4位。世界記録を更新し続けるスピード界の女王。

パイパー・ケリー(アメリカ)アメリカ大陸予選大会優勝。下半身が浮き上がるような軽やかなスピード感が武器。

デン・ルイウン(中国)アジア大陸予選大会優勝。アジア記録保持者。スピード大国中国のエース。ブレない体幹で無駄なくミスなく爆速する。

サラ・テツラフ(ニュージーランド)オセアニア大陸予選大会優勝。2019年からスピードに転向。着実に正確に登りながらも素早く駆け上がる。

アニア・ホールダー(南アフリカ)アフリカ大陸予選大会優勝。ワールドカップ経験なしにオリンピック切符を勝ち取ったダークホース。

●男子●
【ボルダー&リード】
ヤコブ・シューベルト(オーストリア)世界選手権大会優勝。東京オリンピック3位。スポーツクライミングの重鎮であり、優勝した数は数知れず、まさにキング。

コリン・ダフィー(アメリカ)世界選手権大会2位。東京オリンピック7位。強腕を武器にどんな課題もパワフルに攻略。

楢崎智亜(日本)世界選手権大会3位。東京オリンピック4位。金メダルをかけてリベンジを狙う、飛び系が武器の日本のエース。

ジェシー・グルーパー(アメリカ)アメリカ大陸予選大会優勝。鋼のロック力を持ち合わせ、頭脳明晰なオブザベーションが武器。

安楽宙斗(日本)アジア大陸予選大会優勝。今年シニア大会デビューにして、史上初ボルダーとリード2種目1位をとる天才系。最も金メダルに近い選手。

トビー・ロバーツ(イギリス)ヨーロッパ大陸予選大会優勝。身軽な登りでテクニカル、そしてスマートに登る次世代ティーンクライマー。

キャンベル・ハリソン(オーストラリア)オセアニア大陸予選大会優勝。183センチの長身系クライマー。最後の最後まで諦めない粘りの強さを出切る。

メル・ヤンセ・ヴァン・レンスバーグ(南アフリカ)アフリカ大陸予選大会優勝。岩場でも高難度を攻略する安定感と保持力が武器。

【スピード】
マッテオ・ズルロニ(イタリア)世界選手権優勝。今年ワールドカップデビューからの五輪切符をいきなり勝ち取りヨーロッパ記録を叩き出した急成長クライマー。

ジンバオ・ロン(中国)世界選手権2位。スピード大国中国においてもエース級。手足の回転力が超絶技巧。

バッサ・マウェム(フランス)ヨーロッパ大陸予選大会優勝。東京オリンピック8位。衰えを知らない脅威の跳躍力とバネで壁を駆け登る39歳、マウェム兄弟の兄。

サミュエル・ワトソン(アメリカ)アメリカ大陸予選大会優勝。16歳の時に叩き出したアメリカ記録保持者。背丈まで飛び上がれるジャンプ力で記録を狙う。

ラーマド・アディ・ムリョノ(インドネシア)アジア大陸予選大会優勝。スピード強国インドネシアにおいてもエース級。情熱的メンタルで登り切る、勝利の涙がまた見られるか?

ジュリアン・デイヴィッド(ニュージーランド)オセアニア大陸予選大会優勝。オセアニア記録保持のティーンクライマー。大きなストライドでフットホールドを飛ばして登る瞬足。

ジョシュア・ブラインズ(南アフリカ)アフリカ英語予選大会優勝。アフリカ記録保持者。アフリカのスピード選手の中でワールドカップを始め世界大会の経験を唯一積むベテラン。

ボルダー&リード残り10名、スピード残り7名は2024年の3月から6月に行われる予選シリーズの成績で決まります。

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この記事を書いた人

プロクライマーの尾川とも子です。現在二児のママでありながら、トレーニングに励み、登り続けております。スポーツクライミングが東京2020オリンピック競技会に正式種目として追加されたことで、多くの方に競技を知っていただけるようになりました。かつて、世界大会やワールドカップ(ボルダリング)で日本人女性の選手は私しかおらず、 まだ世の中に「ボルダリング」という言葉も浸透していなかった時代を過ごし、そんな壁を乗り越えるべく、このスポーツの魅力を何とか皆さんに知ってもらいたい!と無我夢中で走り続けてきました。1978年4月14日に生まれ、 幼少から毛利衛さんに憧れ、宇宙飛行士を目指して早稲田大学理工学部応用物理学科に入学。日本で一番宇宙に近いところに行きたいと富士山を登ったことをきっかけに、登山と宇宙飛行士に通じるものを感じ取り、のめり込んでいきました。 大学在学時、より高難度の山に挑戦するためロッククライミングを始めたのがきっかけです。クライミングジムで練習時、国体山岳競技に誘われたのを機に本格的に競技の世界へ足を踏み入れることになりました。その後、命綱を使わないボルダリングに集中し、競技歴3年でアジアのトップに。 日本人女性初のプロフリークライマーとして、世界を転戦し数々の大会や高難度の岩に挑戦。1000種類の岩を登った主婦としてもメディアで取り上げられました。2008年4月には、日本人女性初の難度V12を達成。 2012年10月には世界で女性初となる難度V14を達成。2012年に世界で最も活躍したクライマーに贈られるGolden Piton賞、2014年にGolden Climbing Shoes賞を両賞とも日本人史上3人目、日本女性初の受賞。スポーツクライミング解説者、NHKのボルダリング講師を努め、「夢・挑戦の大切さ」や「クライミングから学ぶ危険回避の方法」を伝えるイベント・講演などで啓蒙活動を行う傍ら、 実際登ることできない方でも安全でゆるっとボルダリングの魅力が楽しめる『シートボルダリング』を開発。より多くの方にスポーツクライミング、ボルダリングの魅力を伝える取り組みを積極的に行っています。現在 1男1女の2児の母であり、ママさんクライマーとして、今なおトレーニングにも励んでいます。これからは、今まで培った経験を活かし クライミング・ボルダリングを通して、様様な方のお力添えになれるような活動、クライマー尾川とも子にしかできない活動をしていくことが夢です。スポーツクライミングの世界のさまざまな情報をわかりやすく皆様にお届けできればと思います。

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