【垣本右近】日本のスポーツ界を変える、特に女子スポーツ界を変えなければいけない理由

2005年にカフリンガ東久留米は女子フットサル部門「カフリンガBOYS東久留米」を設立しました。

きっかけは友達が現役を退くとのことで、「小さな頃からやっているのにもったいなよね~だったら楽しく続けられるクラブ創ろうよ」みたいな感じでした。

全日本女子フットサル選手権では関東大会で優勝もしましたし、全国大会では準優勝2回、3位3回と日本一の近くの景色を何度も見させてもらいました。競技チームとして大成功だと思いますが、うちのチームの良い所は生涯スポーツとしてプレーしている選手が多いこと。

社会人になると仕事が生活の大部分を占め、また結婚や育児など趣味であるサッカーやフットサルは二の次になってきてしまいます。サッカーもフットサルも生活の一部にしていく必要があります。やはり人生は一度きりで、楽しいことがあるからこそ頑張れる仕事。家の事だけやっていても疲れてしまいますからリフレッシュや息抜きも必要です。

目次

「女性の生涯スポーツとしての活動環境」を増やすこと

日本とヨーロッパはスポーツ文化の考え方が違います。学校体育や部活として発展してきた日本のスポーツ文化は主に活動拠点が学校のグラウンドとして成り立ってきました。一方、ヨーロッパのスポーツ文化は地域のコミュニティや生涯スポーツという考えのもと、スポーツクラブとして発展してきました。

特に日本の場合は戦後男性の方が男尊女卑の考え方がありました。その部分からしても女性がスポーツをする場所が少なかったり、環境が悪かったりします。

カフリンガ東久留米は社会人女子フットサルクラブと中学生女子サッカークラブの2つの女子クラブとガールズスクールとママさんスクールを運営しています。

一番問題だな~と思うことは着替える場所がないこと。そもそも男子も同じですが日本のグラウンドには圧倒的更衣室やシャワーがありません。やはりグラウンドの80パーセントは学校のグラウンドの為、安全上校内立ち入り禁止が多く、女子更衣室が無い場合はトイレや外で着替えることも多々あります。

マジョルカ遠征アンバサダー・岩渕真奈選手

先日びっくりしたことがありました。10月にスペインマジョルカ島へ女子サッカー国際大会に出場する為小学6年生~高校1年生までの子の遠征に帯同しました。さすがスペインの国際大会ですから町のクラブのグラウンドですが「控え室(シャワー付き)」に「審判控室(シャワートイレ付)」があります。審判控室は日本にはほとんど見受けられません。考え方の差となりますが、審判は試合をするチームから隔離することとゲームを成り立たせてくれる審判への配慮があります。

控室があるにも関わらず控室の外で着替えだす日本チーム。慌てて控室で着替えるよう促しましたが、「合宿では家での立ち振る舞いが出る」と言いますがまさにそれ。日本では当たり前の様に外で着替えているから何も感じないんでしょう。

でもそれは恥ずかしくないのにユニフォームがぴったりしてたり、短パンが短いのは恥ずかしいみたいです。誤解を恐れず言うと、海外の女性の方は身体のラインを強調する人が日本人より多いです。今回のマジョルカ遠征でもヨーロッパのどのクラブのウェアはレディースサイズ。日本に帰るとほとんどの女の子やクラブウェアはメンズサイズ。2019年に女子の国際大会に出場した時にその差を感じ、今回サプライヤーをしてくれたアディダスにはお願いしてレディースサイズを用意して頂きました。最近はWEリーグのチームもかっこいい・かわいい着方をする選手が多く子ども達の意識も変わりつつあります。マジョルカ遠征アンバサダーの岩渕真奈選手の着こなし方がかっこいいので是非参考にして欲しいです!

先にも言いました通り、日本のスポーツ文化の発展は学校体育と部活で成り立ってきました。近年、部活動では先生の負担を減らそうと文部科学省とスポーツ庁から「スポーツは学校から地域へ」と提言があり、3年以内に中学校の部活動を地域のクラブチームに移管していく方針が発表されました。

ものすごく難しいことかと思います。でもこの課題をクリアできれば日本のスポーツ文化は一気にヨーロッパのスポーツ文化に追いつくことができます。

日本にはサッカーが出来るグラウンドがヨーロッパに比べ少ないと言われます。ただし学校のグラウンドを入れればヨーロッパよりもグラウンドの数は多いそうです。ですので平日の17:00-21:00と土日祝日の学校のグラウンドと体育館は地域のスポーツクラブが管理する。そこにしっかりとスポーツクラブとして投資できればグラウンドを人工芝化したり、体育館の観客席を増やしたりスポーツ文化が一気に活気づくと思います。

そしてスポーツクラブがもっと増え、環境が増え、スポーツをする人も増えれば、地域のコミュニティが生まれ町に一体感が生まれる。「部活は月謝が安く誰でも入れる」観点からするとハードルは高いです。でもスポーツも芸術も専門の人にしっかりと指導してもらう。その対価を支払うことは大切かなと思います。

日本は指導者だけでご飯を食べている人も多いと伝えると驚かれます。スペインのサッカークラブのコーチは基本みな普通に仕事をしています。多くは17:00まで仕事をし、18:00から地域スポーツクラブのコーチとして働きます。今は副業が可能な時代。日本もそんな時代が来て大好きなサッカーに関わり、お金をしっかり稼げる世の中になって欲しいな。

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この記事を書いた人

垣本 右近のアバター 垣本 右近 株式会社ケルンチュ代表

45歳いまだにサッカーもフットサルも現役アマチュア選手としてプレー。
2012年に独立し株式会社蹴人(ケルンチュ)を設立。
2016年に地元小平市にフットサル場をオープン。
スポーツ×地域に重きを置いたクラブチームの代表としても活動している。

<フットサル>
TOP:カフリンガ東久留米(関東フットサル1部リーグ)
女子TOP:カフリンガBOYS東久留米(関東女子フットサルリーグ)
男子中学生:カフリンガ東久留米U-15(東京都U-15フットサルリーグ1部)
小学生:カフリンガ東久留米U-12(東京都U-12フットサルリーグ)

<サッカー>
TOP:FCフエンテ東久留米(東京都社会人サッカー2部リーグ)
男子中学生:カフリンガ東久留米U-15(東京都U-15リーグ3部)
女子中学生:カフリンガジーニャス東久留米(東京都女子U-15リーグ4部)

<その他>
カフリンガJrフットサルスクール(フットサル&サッカー)
カフリンガJrスクールエリートプログラム(サッカー)
カフリンガガールズスクール(女子サッカー)
カフリンガマザーズ(ママさんサッカー)

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