【塩原恒夫】第2戦線異常あり!F1オーストリア&イギリスGPを振り返る!!

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スプリントとトラックリミット

シーズン2度目のNEWスプリント・フォーマットの週末を迎えたレッドブルリンク、2023第10戦オーストリアGPです。わずか1時間限りのフリー走行を経て、初日に日曜日のグリッドが決まります。

予選は、もちろんフェルスタッペンが4戦連続通算26回目のPPを獲得。フェラーリ=ルクレール、サインツが2・3番手につけ、4番手ノリス。ハミルトン、ストロール、アロンソが続きます。ラッセル11番手、ペレスはトラックリミットでタイム抹消となりQ2で敗退…角田は、100分の2秒差でQ1突破はかないませんでした。

翌土曜日は、スプリント・デー。スプリントのグリッドを決めるスプリント・シュートアウトは、レッドブル1-2にノリスとヒュルケンベルグが2列目という顔ぶれ。角田13番手、ラッセルとハミルトンはそれぞれ15/18番手でした。そして24周のスプリントは、雨ウェットからインターミディエイト・スタートーフロントロウ・チームメイト・バトルを2番手ペレスが仕掛け一瞬ヒヤリ。すぐにフェルスタッペンがトップを奪い返します。後半は乾いていく路面状況で、上位陣以外はドライタイヤに交換がポイントに。結果入賞のTOP8は、フェルスタッペン、ペレス、サインツ、ストロール、アロンソ、ヒュルケンベルグ、オコン、ラッセル。9位ノリス、ハミルトンは10位まで。ルクレール12位、角田16位でした。

猛牛王の背中を跳ね馬2騎が追う〜一夜明けて決勝はドライ・コンディション。トラックリミット・カオスの予感とともに、71周レースの幕が開く。スタート直後が唯一のチャンスとばかりに、去年のウイナー=ルクレールが、フェルスタッペンに勝負を挑む。しかしマックス首位を守ります。中団は1コーナーで、角田がオコンのリアに接触しフロントウイングを破損、パーツが飛び散ったため、オープニングからセーフティカーとなりました。角田はノーズ交換で復帰します。

レース再開以降は、フェルスタッペンがリードを築きます。序盤今度は、予選・スプリントと健闘のヒュルケンベルグにパワーユニット・トラブルが出てストップ。バーチャル・セーフティカーです。ここでフェラーリ勢はじめ続々タイヤ交換に入りますが、冷静フェルスタッペンはコースに留まります。フェルスタッペンが動くのは、当初の戦略どおり24周目。いったんフェラーリ1-2となります。およそ2か月4戦相当守ったTOPフェルスタッペンは248周でした。ただすぐにサインツをかわし、ルクレールも10周後にパスすると、あとはいつもの展開。ファイナルラップでソフトに履き替えファステストをマークする余裕で、自身7回目のハットトリック&歴代単独5位となる通算42勝目をマークしました。ルクレール2位、フェラーリ通算800回目のポディウムです。15番グリッドからのペレスは12ポジションあげて、チーム・ホームGPの表彰台をなんとか飾ります。4位には、ドライバー・オブ・ザ・デイに選ばれたノリス。アロンソ、サインツ、ラッセル、ハミルトン、ストロール、ガスリーまでが入賞で、19位角田が最終結果。というのも、トラックリミット違反がレース後に25件追加され、8人にチェッカー時ペナルティタイム加算、うち6人が順位変更という大混乱でした。

カレンダーとユニオンジャックと…!

イギリスGP開幕を控えて、来季の暫定カレンダーが発表されました。閏年の2月末日バーレーンで幕を開け、2戦目まで決勝は土曜日。日本GPは第4戦、春の鈴鹿4月7日決勝レース。12月8日アブダビまでの全24戦です。

1950年フォーミュラ1世界選手権初開催の地、伝統のサーキット=シルバーストンです。ホームGPを謳うチーム・ドライバー多数の中、雨絡みの予選でもフェルスタッペン盤石。スターティング・グリッドですー

トラブルから燃料不提出のボッタス最後尾、マグヌッセンが並ぶ。デフリース、ジョウ・グァンユーのブービーライン。角田3戦連続Q1どまり、タイヤが冷えたペレスのハートは凍える一方。サージェント躍進の14番手、オコン不満の13番手。ストロールとヒュルケンベルグは、入賞目前の壁となる。新旧アルピーヌ・ドライバー、ガスリー尻目に、アロンソ不完全燃焼。アルボン旋風、ハミルトンと本家メルセデス見えた。一年前の明と暗、ラッセル・サインツ。先週のポディウムからルクレール後退、ルーキー活き活きピアストリ。ドライバー・オブ・ザ・デイ=ノリス vs ウイナー=フェルスタッペン、決勝結びの一番です。

開幕から連勝を続けるレッドブルに対して、今回の挑戦者はノリス&ピアストリのヤング・マクラーレン。受けて立つマックスには、鬼門のイギリスGPーシルバーストン52周決勝レース。スタート、ノリスが良い、決めた、フェルスタッペンを逆転〜トップに立った!ピアストリも続くか、反抗の時。しかし、ここはフェルスタッペン2位はキープだ。その後ろでは、フェラーリ、メルセデス、アストンマーティンのシャッフル・オーダー。それにしてもノリス、ホームの大歓声に応える鮮やかなオープニング・ラップです!

序盤でもう一度首位に、マックスの逆襲は、5周目。ノリスを捕らえます。これでTOP5は、フェルスタッペン-ノリス-ピアストリ-ルクレール-ラッセル。ソフトタイヤでスタートの角田は、ポジションを上げて13,14番手を走行です。大幅アップデート、アルファタウリのレース・ペースに期待です。

タイヤ交換は、角田、堪えきれないルクレールを先にフェラーリ勢がおこないます。ラッセル、ペレス、ピアストリも入る。フェルスタッペン、ノリス、そしてハミルトン、アロンソは機を伺う。あーっと、ハース=マグヌッセン、エンジン・トラブルSTOP!VSCからセーフティカー導入、これは勝敗の分かれ目となりそうです。

今回もポールポジション~ファステストラップをマークして、夏のヨーロッパラウンド開幕のダブルヘッダーをハットトリックで締めるフェルスタッペン、6連勝で43勝目。そしてレッドブルは、去年の最終戦からの連勝を11として、1988年マクラーレン・ホンダに並びました。2位ノリス、3位ハミルトン。ユニオンジャックが表彰台ではためきます!ポディウムへの実力を示したピアストリ4位、5位ラッセル、ペレスは6位まで、アロンソ、アルボン、ルクレール、サインツまでが入賞です。完走17台中、角田は16位でした。

イギリスGP直後、シルバーストンで行われたピレリのタイヤ・テストに参加したレッドブル・3rdドライバー=ダニエル・リカルドのアルファタウリからのF1復帰が発表されました。これによって、ニック・デフリースはシーズン10戦で去ることに…角田にとって、次戦ハンガリーから通算8勝の実績を誇る新たな同僚との戦いが始まります。

フジテレビNEXT・F1

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この記事を書いた人

塩原 恒夫のアバター 塩原 恒夫 フリーアナウンサー

1987年フジテレビ入社、アナウンス室勤務〜2017年7月BSフジに出向し、広報担当局長としてアナウンス業務も兼ねる。2022年3月フジテレビを退社、同年4月よりフリーアナウンサー。フジテレビNEXT/F1中継や、福島テレビ・エキサイティング競馬のMCを担当する。

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