【MLB】ダイヤモンドバックスの補強。右打者、ブルペン、最重要は層の薄いキャッチャー

アリゾナ・ダイアモンドバックスのキャッチャーのデプス(選手の層の事)は他の補強が必要なエリアほど目を向けられていないがこのオフシーズンを通して重要なことであるのに違いはない。

ただGMのマイク・ヘイゼンは現地10月6日の会見ではブルペンの他に強化するポイントはどこか尋ねられた際、先発投手、右打者、そしてクラブハウス内でのリーダーシップを挙げ、フロント陣としてもキャッチャーのポジションは優先事項ではなかった。とはいえ、キャッチャーの層が薄いことは認めつつも、レギュラー捕手のカーソン・ケリーにより安定性を求めるにとどめた。それゆえヘイゼンGMの言動から、バックアップ捕手であると言えるものだった。

また3日目ほど前に、アリゾナ・フォールリーグに派遣させた若手のクーパー・ハメルがケリーのバックアップとなりえるかの質問に対してはヘイゼンは「そうだ。それはテーブルの上にある」と語った。しかし後日ハメルは、2020年の新人王カイル・ルイスとの交換でマリナーズに移籍、トレード後の会見でヘイゼンはハメルがマスクを被る可能性はあったと言いつつも、ケリーのバックアップ以外として考えていた可能性はある。次に、ダイアモンドバックスが、先発か控えのどちらでの補強を狙っているのか問われた際、ヘイゼンはバックアップのオプションにフォーカスしていると述べていたが、それ以上のものを狙っているのではないかというほど答えが曇ったものであった。
チームのレギュラー捕手、カーソン・ケリーは2019年に安定した成績を収めたが、そこから3シーズン連続で満足な成績ではなく、そのうち2つはケガに泣かされている。また契約面では、2024年までの後2シーズン、保有期間があり今シーズンは年俸調停で約400万ドル、来シーズンは約500万ドルの年俸になると予想されている。そのため、チームでの保有期間が少なくなっている&パフォーマンスが低調&年俸が高騰していることを配慮に入れれば、ヘイゼンGMが会見で”答えを曇らせた”ように控えキャッチャーを獲得すること以上ものを狙っていると合理的に考えられる。

また、もう一つこの上で重要なのはダイアモンドバックスのプロスペクトランキングトップ30の中に捕手が入らないことで、さらに今シーズンケリーのバックアップ捕手を務めたホセ・ヘレーラは、124打席で打率.189、OPS.457、OPS+(平均を100としてその打者がどれだけ傑出しているかを測る指標。下記のWRC+も似たような指標)33とメジャー一年目のヘレーラは苦しんだ一方、ディフェンス面では十分な働きを示した。だがヘレーラの持ち味である出塁率が.250と低くては、1週間に2、3試合ほど出場するのは十分なものではない。

今シーズンAAAのリノで多くマスクを被ったドミニク・ミログリオは2017年からダイアモンドバックスのマイナー組織でプレーしているが、来シーズンミログリオは28歳で、チームのフロント陣がMLBで通用すると考えていれば、そのチャンスをすでに貰っているだろう。一方、チームの近年のドラフト指名選手でキャッチャーを見渡してみても今シーズンAAデビューを果たしたケイレブ・ロバーツだけでWRC+110と平均的な打者と比べ10%傑出した結果を残しているが、実際はAAでの出場はわずか10試合でメジャーの舞台へは少なくとも2年ほどかかる予定だ。そして、チームがトレードの方角を向けば、特にトロント・ブルージェイズとオークランド・アスレチックスに魅力的なキャッチャーがいる。

ブルージェイズは現在、40人枠リストに3人キャッチャーがおり、前回のテオスカー・ヘルナンデスのトレード時に話したように打線のバランスを整える事を狙っている。とはいえ今シーズンオールスターゲームに選出され、シルバースラッガー賞を受賞したアレハンドロ・カークはまだ24歳でチームでの保有期間が4年ある為、他球団にトレードされるようなことはないだろう。しかしカークに隠れる(駄洒落じゃないよ)2選手も素晴らしく、その一人ダニー・ジャンセンはケガがあって72試合の出場だがOPS+141、15ホームランで、もう一人のガブリエル・モリノは今シーズンメジャーデビューし、25試合に出場。打率.319、OPS+111で、マイナーの下位レベルで平均的なバッティングを示しパワーも発揮した。またマイナー通算では打率.310 OPS.844の成績をマークしている。それゆえモレノは、ケリーのバックアップとしては完璧なフィットだろう。しかし、チームでもトッププロスペクトとの評価だったモレノの対価はそう安いものではないだろうし、ブレークを果たしたジェイク・マッカーシーアレク・トーマスではなく今シーズン外野で守備防御点+16をマークしたドウルトン・バーショウあたりが見返りとなるはずだ。そうなった場合、ヘイゼンは難しい引き金を引くことになる。

一方、アスレチックスは昨年ゴールドグラブ賞を受賞したショーン・マーフィーで、すでにレイズ、ガーディアンズ、ホワイトソックスが興味を示しているとの報道があった。またマーフィーはディフェンス面ではなく今シーズンはバッティング面でも148試合でOPS+120をマークした。マーフィーの保有期間は2026年までの3年でこれまたヘイゼンにとって難しい決断となる。

フリーエージェントのオプションでは多くのバックアップキャッチャーがいるが、ある選手と長期契約を考えた場合(例えば、ウィルソン・コントレラスのような選手)ダイアモンドバックスのように財政面が厳しい球団は”法外”なもので手が届くものではないだろう。
しかし、FAになっている中でオマー・ナルバエズはダイアモンドバックスにとって、お買い得な選手かもしれない。ナルバエズは来シーズン31歳でシーズンを迎え、キャリア通算でも平均的なMLBの打者だ。同じように、元ヤンキースでプレーしていたゲリー・サンチェスも候補となるが守備面では常に平均以下の選手との評価だ。

ただ、まだここでは触れていないFAやトレードで候補となるであろう選手が多くいるのは事実であり、また過去の履歴が示すようにヘイゼンが率いるフロント陣は、驚かせるような決定を下すはずだ。

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What About Diamondbacks Catching Depth? – Sports Illustrated Arizona Diamondbacks News, Analysis and More

本記事を上記のURLから和訳、書き加えたものです。
引用元:dynamic.espn.go.com

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