【MLB】4本被弾…、被安打12で勝利…。2022年シーズン、新七大・最も稀な勝利投手

勝ちに不思議の勝ちあり。
多くの野球ファンは時折、結果や試合自体が運により左右されることは皆ご存じであろう。フライボールがまさかのホームランになったり、投手がベストの状態でなくとも勝利を得る事もある。
それは得点の援護だったり、適切な位置にいた野手がライナー性の打球をキャッチしたりと、投手がどういう投球内容かに関わらず、起こり得ることだ。しかし、明らかなのは勝利は勝利であること。味方にとっても嬉しいものである。とはいえ、改めて記録として振り返ると稀な事態であることは確かだ。
ではその7つの”稀な勝利”を順に紹介しよう。

目次

マット・ブラッシュ(SEA) 4月7日 対アストロズ

この日の登板成績 5回1/3 被安打2 与四球6 2失点
試合の結果 7対2でマリナーズの勝利

NPBで与四球6での勝利投手は決して珍しいものではないが、MLBでは珍しい。ブラッシュの与四球6は今シーズン勝利投手となった中では最多タイで、ブラッシュがその最初の一人であった。まず試合がプレイボールとなってから最初のバッターで相手アストロズのリードオフマンのホセ・アルトゥーベを5球連続ボールで歩かせた後、三振、ダブルプレーで打ち取り初回は得点を許さず、ブラッシュは最初の4イニングで最低一人は四球で塁に出し、数回のダブルプレーで事なきを得た。そしてマイケル・ブラントリーに2ランホームランを浴びた後、6個目でこの登板最後となる四球をアレックス・ブレグマンに出した。その後ポール・シーウォルドがイニングを引き継ぎ2つ三振を奪い後続を断った。そうなると、ブラッシュの与四球6で出したランナーはホームベースを踏むことはなかったということになるだろう。また、ブラッシュがマウンドを降りた時点の得点は6対2とすでにマリナーズがリードしていた。

ホセ・ウルキディ(HOU) 5月17日 対レッドソックス

この日の登板成績 5回 被安打12 4失点 
この試合の結果 13対4でアストロズ勝利

12被安打は今シーズンの勝利投手で最も多い被安打であったのみならず、2018年からでも最も多い結果であった。ちなみにMLB公式サイトによると2018年は9月にわずか4日の期間で2回も今回のような事が起こっていたそう。この日先発したウルキディは自身が投げたイニングすべてで複数ヒットを浴びたものの、打線の援護でそう重大なものではなかった。アストロズ打線はレッドソックス先発のネイト・イバルディに対して2回、5本ものホームランをスタンドに叩き込み、1イニング5ホームランはMLB記録タイであった。そしてこのイニングが終わった際にはすでにアストロズが9対1と8点のリードがあり、このような点差であればどんな投手であれ、勝ち星が入る可能性が高い。また補足だが、ウルキディはメキシコ代表でWBCに参加予定だ。

アレックス・カッブ(SF) 5月17日対ロッキーズ

この日の登板成績 5回1/3 被安打10 与四球1 7失点
この試合の結果 10対7でジャイアンツの勝利

お気付きの方もいるかもしれないが、前述のウルキディが登板した日と同じ日である。また被安打10自責点7であるように、打者天国と称されるクアーズフィールドにピッタリの試合だろう。この登板でカッブは2020年シーズンからでは、7失点以上を喫した投手で勝利を得た初めての投手となった。しかし6回に入る時点でカッブは2失点だったが、イニングが始まってから4連続ヒットを浴び、そのうち最後の2本で得点が入った。ランナーが一塁と三塁にいる状況で三振を取った後、ランダル・グリチャックに3ランホームランを浴び、このイニング5失点となり、カッブの失点数は7に膨れた。ただカッブがマウンドを降りるときでさえもこの回まででジャイアンツが10点も取っていたため、勝利を得た。

ダルビッシュ有(SD) 6月7日対パドレス

この日の登板成績 7回 被安打2 無四球 与死球3 無失点
この試合の結果 7対0でパドレス勝利

一見すれば打線が7得点を挙げた以外、感謝を示すようなことはないだろう。しかし、細かいことに注目すればダルビッシュは3つもの死球を与えている。この与死球3は今シーズン、白星を得た投手では最多である。しかしそれ以外は、比類のないものでわずか被安打2、与四球はゼロだった。昨年でも2件例があるように、与死球3で勝ちを得ることは稀というわけではないが、死球数より少ない被安打で勝てる事は”レア”なもののはずだ。さらに、1901年以降で与死球数よりヒット数が少ない且つ、勝ちが付いたのはダルビッシュで16人目の投手で、その中には同じく与死球3でノーヒットノーランを達成したクリス・ヘイゼンも含まれており、また同じメッツが対戦相手だった。

カイル・ライト(ATL) 6月23日対ジャイアンツ

この日の登板成績 5回1/3 被安打10 与四球1 4失点
この試合の結果 7対6でブレーブスの勝利

今シーズンリーグ最多21勝を挙げている投手でも、このような登板もある。
この試合、ライトは13人ものランナーを塁に出した。勝利投手となった試合で13人ランナーを出すことは今シーズン最多。この13人のランナーが出塁した結果順に振り分けると、10人がヒット、2人がデッドボール、1人がフォアボールという結果であった。またライトは最初の4イニングをダブルプレーで凌ぐなど、13人のランナーの出塁を許しても傷口を広げず、大きな影響がなかった重要なピースとなった。
またブレーブスはチーム自体で2018年シーズンからでは、最初の4イニングで4つのダブルプレーを決めた2チームのうちの1つのチームとなった(もう1チームは6月の初旬に達成したカーディナルス)。その後ライトは試合が7対4とブレーブスがリードした状態でマウンドを降り、ジャイアンツがその後2点を入れるがブレーブスが逃げ切った。

JT・ブルーベイカー(PIT) 6月30日対ブリュワーズ

この日の登板成績 6回 被安打7 与四球2 4失点
この試合の結果 8対7でパイレーツ勝利

ブルーベイカーは被安打7のうち、6本もの長打を浴びた。しかし、すべてホームランによるものではなかったことが、この日のブルーベイカーを救った。ブルーベイカーは5本の二塁打、1つの三塁打を浴びたが、2回に複数の長打を浴びた以外、その長打は散発であった。ブルーベイカーが降板した際、パイレーツは7対4で3点リードがあり、9回にパイレーツのブルペン陣が3失点を喫したが、打線がその前に8点を挙げていたのでブルーベイカーは、勝ち投手となった。

ポール・ブラックバーン(OAK) 8月4日対エンゼルス

この日の登板成績 5回 被安打6 与四球1 4失点
この日の試合結果 8対7でアスレチックス勝利

ブラックバーンの4失点はすべてソロホームランによる4点で、4ホーマーを浴びて勝ちを得た投手は、当時タイガースに所属していたマシュー・ボイドが2019年8月に記録して以来だった。
この4ホーマーの要約は、1回に大谷翔平に、2回今シーズン限りで引退したカート・スズキに、3回はテイラーウォード、4回はジョー・アデルと5回にたどり着かずに、被弾した。だが、ホームラン以外のヒットは2本だけでブラックバーンは、3回に打線が6得点を挙げたことが手伝って8対4と4点リードした状況でマウンドを離れた。ブルペン陣がその後、3本再びソロホームランを浴びたがリードを許すことはなかった。
この試合のソロホームランだけでの得点は、歴代で見ても最多でそれに加え、アスレチックスは7本のホームランを浴びても勝利した6つ目の球団となった。

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https://www.mlb.com/news/most-unusual-pitcher-wins-of-2022

この記事はURL元の記事を和訳、書き加えたものです。
引用元:ATL All Day

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