【平川正城】が危惧する「目的と手段を明確にする」大切さ

8月に入り、子ども達も夏休み。

家族でお出かけしたり、習い事の合宿があったりと皆さん、忙しい日々をお過ごしだと思います。

今回から8月の毎週、日曜日に僕がサッカーのスカウトマンや指導者として経験してきた事で、感じたものを色々な形で発信していきたいと思います。

夏は様々な経験が出来る夏です。

だからこそ、少しの意識や取り組みで、大きく変わることが出来る夏。

有意義な夏を、特にスポーツに取り組んでいるこども達には過ごしてもらえたら嬉しいです。

目次

トレンドに特化した結果、現場で起きている誤った個性の認識

ここ最近ではドリブル専門やシュートに特化した、などといった “ 個のスキル ” の中でも場面にフォーカスをしたスクールなどが多く存在してきました。

サッカーの中において、「ドリブルを磨く」、「色々な技を覚える」という、これ自体は悪くはないと思います。

ただ、残念なことに、「技」の習得を重視しすぎて、サッカーの中で “ ドリブル ” が目的に変わってしまっている選手が、日本には多くいます。

そもそも海外にはドリブル、リフティング、シュートと言ったトレーニングはするものの、そこに特化したスクールなどはありません。

僕も自分の会社で「マサキスポーツアカデミー」を経営しているので、様々な経営者とも繋がりがあるし、スポーツビジネスの継続の大変さもわかる。

その日本でのビジネス展開を行う中で、ドリブル専門とかシュートに特化したという、キャッチーなワードはとても経営者達にとっては魅力的に感じることでしょう。

しかし、これはあくまでビジネス的観点での話。

じゃ、選手となるこども達の観点でいくとどうだろう。

個人スキルとして、ドリブルが上手な選手、シュートが上手な選手、、、

とても魅力的。みんなそうなりたいよね。

でも、取り組んでいるのは「サッカー」

団体競技。組織のスポーツ。

ざっくりとした僕の理論。

「サッカーは、サッカーから学んだ方がいい」

最近の少年サッカーなどを見てると、悪い意味でわがままな選手が急増してる。自己中心的選手。

その割に、プレーだけではなく、仲間をけなす様な言葉を発したりと、とても組織でやっているとは思えない光景をジュニア世代の試合から目の当たりにする事が多い。

自己主張が強いという意味では良いのかもしれない。

ただ、本当にそれがこども達のためになっているのかな?

サッカーという、チームメイトのみんなで作り上げていく作品(試合)があり、試合終了と同時に絵が完成する。この作り上げていく作品の中で、様々な局面に遭遇する。

この時に本当の意味の「個性」をひとりひとりが発揮することが、サッカーには大事だと思ってる。

僕はドリブルに自信がある!

僕はキック力があって、シュートも上手い!

そういう選手は必要。しかし、チーム内でその「個」の使い方、表現を間違えたら、その子のせっかく良い個性が、チームにはマイナスに働いてしまう可能性がある。

そこからボールが来なくなり、フラストレーションが溜まり、仲間に暴言を吐く。

これじゃ、本末転倒だよね。

結論から言うと、サッカーをやっている中で、「ドリブルが上手いからドリブルをする」ではなくて、なぜ「ドリブル」が必要なのか、どのシーンで「ドリブル」が有効的なのかをこども達が理解する事が大事。

ドリブルはあくまでサッカーの「試合に勝つ」という目標に向けた試合の中での手段であり、ドリブルに自信があるからって、ドリブル自体がサッカーの中での目的になってしまうと、その子はサッカーは上手じゃないけど、ドリブルは上手だよね。という選手止まりで終わってしまう可能性がある。

「この子、もっとサッカーを知ったらすごい選手に成長するだろうなぁ〜」って、感じた選手を今までにもたくさん見てきた。

“ サッカー ” で、上を目指すというなら、目的はゴールや試合で勝つ事。

目的と手段は明確にして、ドリブルはその「手段」の一つだという事を忘れてはいけない。

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この記事を書いた人

平川 正城のアバター 平川 正城 マサキスポーツアカデミー(株式会社MSAグローバルマネージメント代表)

平川正城(ひらかわまさき)神奈川県出身。
ユース年代は「清商」の愛称で親しまれたサッカー名門校、清水商業高校(現清水桜ヶ丘高校)から、湘南ベルマーレへ。湘南-草津-Y.S.C.C.-SC相模原とJリーグクラブを渡り歩き、地域リーグクラブを経て現役を引退。
スポーツを通して、日本の子どもたちと世界の架け橋になることを目的とした「MASAKI SPORTS ACADEMY(MSA)」を2013年に設立。

現在は海外仕込みのメソッドを日本人向けに改良した独自の「MSAメソッド」を確立し、日本全国のMSAにて子供達へ伝えている。

JFAこころのプロジェクト「夢先生」も務める。

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