【平川正城】何のための練習?〜日本人とスペイン人の練習に対する意識の違い

最近のサッカー少年・少女を持つ親が、子どもの1週間のスケジュールをギッチギチに組んでいる事が多い。

何故だか、「休む事=悪い」の様な考え方を持っている方が、すごく多い気がしています。

確かにプロの世界では、「一日休むと〇〇日分の遅れが出る」だの、言われていますが、これはあくまで、プロサッカー選手などのトップアスリートの現象。

日々、それでお給料をもらい、ギリギリの研ぎ澄まされた感性を維持させるには、完全に休んではいけないということを、この言葉に置き換えて、都市伝説の様に昔から言われてきました。

1日休んだら体力が落ちるとか。。笑

そんなんだったら、人は一生、動き続けていないとやばいじゃん笑笑

また指導者も指導者で、チームの選手が休んだ事で、

休む=下手になる
休む=やる気が無い

という、この考えの方が沢山いる。これでは、一時的には良くても、将来的に長く活躍する選手になる事は難しい。

上のステージに進んで行く選手達は間違いなく「休むことの大切さ」を知っています。

目次

練習は「量よりも質」。適度な休息を取るスペイン人

スペインへ毎年行っているので、スペインを例に挙げて話をしようと思います。

スペインのクラブでは、練習は9歳までは週に2回、試合が週に1回しかやりません。12歳で、週3回の練習と週1回の試合。これは南米もヨーロッパも大体一緒。

13歳以降は、週4回の練習と週1回の試合。高校生ぐらいから週5回の活動があります。完全オフの日が週2回。週休2日制度ですね笑

だから、週6回で活動するということはほぼない。

そして、スペインでは6月中旬から8月中旬あたりまでは絶対に休みを取ります。

つまり、1年間のうちの60日間はどんな選手も活動していない時間があるんです。リーガーのトップチームの選手たちですら活動しない期間が1カ月はあります。自主トレーニングとかは除いてね。

なので、日本だけが、1月から12月まで、しんじらんないぐらいフルに動き回っています。それプラス、スポーツ以外の習い事(塾など)も行っているこどもたちはたまに疲れ切った顔をしてる時があります。

しかし、それすらも我慢して、きっちり出来てしまう日本人の強さでありタフさであり、凄さ。

なので、育成年代のトレーニング量だけで言ったら、日本は間違いなく、世界一だと思う。

なら、こんだけ休む時間すら削り、練習を沢山してるんだから間違いなく、世界でも一番強いはず、、、、

でも、サッカー強豪国に試合で勝てないのは、そういうことだよね。

練習は間違いなく「量よりも質」

練習をしている自分に安心し、落ち着いてしまう日本人

日本人は練習をしている自分に安心し、落ち着いてしまうメンタルなのです。これは指導者も同じ。

動いてる間、動かしてる間は「練習やってるー!!」「こんだけやってるから大丈夫!」って感覚になる。

そして、こんだけ動いていたら怪我の一つや二つもするよ。でも、その怪我すら美学に感じてしまう日本人。

目先だけではなく、将来から逆算する事が大切。

一番の問題は、自分の意思ならまだしも、休みも返上して、やりたいサッカーが、やらされるサッカーに変わってしまい、楽しさを失ってしまうこと。

別に休む事は何も悪くない。

しっかりと休む事もトレーニングだと考えられる選手や指導者が1人でも多く現れるようになった時、日本人選手達のポテンシャルから考えたら、とんでもない化け物が育っていくと思う。

そこに期待したいなぁ。

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この記事を書いた人

平川 正城のアバター 平川 正城 マサキスポーツアカデミー(株式会社MSAグローバルマネージメント代表)

平川正城(ひらかわまさき)神奈川県出身。
ユース年代は「清商」の愛称で親しまれたサッカー名門校、清水商業高校(現清水桜ヶ丘高校)から、湘南ベルマーレへ。湘南-草津-Y.S.C.C.-SC相模原とJリーグクラブを渡り歩き、地域リーグクラブを経て現役を引退。
スポーツを通して、日本の子どもたちと世界の架け橋になることを目的とした「MASAKI SPORTS ACADEMY(MSA)」を2013年に設立。

現在は海外仕込みのメソッドを日本人向けに改良した独自の「MSAメソッド」を確立し、日本全国のMSAにて子供達へ伝えている。

JFAこころのプロジェクト「夢先生」も務める。

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