【WBC】MLBから日本代表に合流したラーズ・ヌートバー選手が、”二刀流”を諦めた理由

MLBから初めて「侍ジャパン」こと日本代表のメンバーに選ばれた
ラーズ・ヌートバー選手。
高校時代にはアメリカンフットボールとしても2度MVPになったということを知って、主にWikipediaを見て、自分のブログに彼の経歴を書いたことがあります。

2つの大学からアメリカンフットボールの選手としてリクルートされていたのを断って、南カリフォルニア大学(USC)で野球をプレーすることになったところまでは把握できました。
この時は、単に技術的に野球の方が自分に向いていると考えたのか、野球の方が好きなのでそうしたのだろう、と考えていました。

しかし「Number」さんのこの記事を見て、そういう問題ではなかったことを知りました。

なんとUSCでは野球だけではなくアメリカンフットボール部からも誘われていたとのこと。
これは知りませんでした。

そしてアメフトとの”二刀流”をあきらめたのが
クオーターバック(QB)と言うポジション
をプレイしていたからだと知りました。

ヌートバーのお父さんは
「QBとしての技術も高く、ケガがなければNFLにも行けただろう」
と語っているそうです。
NFLに行ける大学生QBは、本当に一握りの選手だけなので、そうとうな腕前だったんでしょう。
お母さんは
「司令塔であるQBが、野球もやることはチームに迷惑をかける」
ということを語っています。
どちらかに絞るしかなかった、というわけです。
そして最後に本人が
「野球一家で育ったからか、野球を選んだんじゃないかな」
と言っています。
「フットボールが恋しいし、大好き」
と言う未練を断ち切って

なるほどね、と思いました。

大学どころか、プロレベルでMLBとNFLで、一流選手として活躍した選手といえば
ボー・ジャクソン選手
ディオン・サンダース選手

が、よく話題に挙がります。

ジャクソン選手は両方のスポーツでオールスター戦に出場し、サンダース選手は両方のリーグでチャンピオンシップ(ワールド・シリーズとスーパーボウル)に出ました。
注目したいのは、この二人のNFLでのポジションです。
ジャクソン選手はランニングバック(RB)という、ボールを持って走るオフェンスの選手。
サンダース選手はコーナーバック(CB)という、パス攻撃を防御するディフェンスの選手。

この2つのポジションは、例えエースと言われても、常にフィールドに立つ必要はありません。
極端に悪く言えば「片手間でもできるポジション」です。

ボー・ジャクソン選手(黒の34番)のラン
ディオン・サンダース選手(白の21番)のパス・インターセプト

しかしQBは違います。
オフェンスの時には常にフィールドにいるのが普通です。
すべてのオフェンスのプレイを指揮し、勝敗の責任を負うポジションです。
そういうポジションですから、他のポジションの選手の記録、評価に影響を与えるポジションです。

「Number」さんの記事にあるパトリック・マホームズは、お父さん(元横浜ベイスターズのパット・マホームズ投手)の親友ラトロイ・ホーキンス選手からNFLでQBをプレーすることについて、こう言われたそうです。

「君は、他の選手たちを引っ張っていく準備ができているのか。俺は大人の男たちの話をしている。家族を養っている彼らの選手生命は、君のパフォーマンスにかかっている。覚悟できているんだな」

とても片手間でできるポジションではありません。
QBに二刀流は無理、「Number」さんの記事を読む前から認識していました。

アリゾナ・カージナルスに
カイラー・マレー選手
というQBがいます。
2019年にこの選手が大学でプレイを終えるとき、NFLとMLBの両方でプレイするのかどうか、話題になりました。
マレー選手はどちらからもドラフト1巡で指名されました。

私はマレー選手に”二刀流”ができるわけがない、と考えていました。
それは前述の通り、ポジションがQBだからです。
彼はNFLを選びました。
それでも時々、MLBでもプレーしたい、と言うことがあります。
それはNFLをやめない限り無理だと思います。

大学でもQBと野球を高い次元でプレーした選手はいます。
前述のカイラー・マレー選手ジョン・エルウェイ選手です。
ですが彼らは特別なんでしょう。
しかしいずれも大学を出ると”二刀流”は捨てました。

もしヌートバー選手が、アメフトの他のポジションで優れた選手だったら…
ボー・ジャクソン選手やディオン・サンダース選手のようなことをしていたかもしれない。
その可能性は否定できません。

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この記事を書いた人

草場 謙一のアバター 草場 謙一 アメフト系ブロガー

主にアメフトのことを書いているブログ
「MAJIK MIRROR」( http://packmania.blog61.fc2.com/ )
の中の人。
日本でアメフトを人気スポーツにできないものか、と考えブログを執筆中。

アメフトの歴史を調べてブログに書いている時が一番の幸せ。

マイナースポーツであるアメフトのファンの、
「周りにアメフトの話をする人がいない問題」
をなんとかするために立ち上がったYouTubeチャンネル「レッツハドル」の一員。

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