米プロアメリカンフットボールリーグのNFLのドラフトは、日本のプロ野球のそれと、違うところが多くあります。
なんでもアメリカが良い、と言うわけではありませんが、NFLのドラフトはショーアップされているので、見ていてとてもおもしろいです。
ショーアップの一つの手段として、
チームが決めた指名選手の名前を、一般のファンが読み上げる
と言うものがあります。
先月末に3日間に渡って行われたNFLドラフトの会場には、6万人が来場したそうです。
その大観衆の前で、応援するチームが指名した選手の名前を読み上げる…
もしあなたがプロ野球のどこかのチームのファンで、始球式に招待されたら、と考えてみてください。
この大観衆の前に立って指名選手の名前を読み上げるのが、どれぐらいすごいことなのか、が想像できると思います。
今年のドラフトの初日、ニューヨーク・ジェッツのドラフト指名選手を読み上げたのは、
カイル・スティックルズ(Kyle Stickles)君
と言う13歳の少年。
ニューヨーク・ジェッツのファンです。
コミッショナーとともに登壇し、指名選手を読み上げるカイル君の動画がこちらにあります。
「ニューヨーク 『J-E-T-S、ジェッツ、ジェッツ、ジェッツ』 はアイオワ州立大学のラインバッカー、ウィル・マクドナルドを指名する。」
カイル君は見事に、そして熱く、ドラフトでジェッツの指名選手を読み上げる、という「夢」を叶えました。
『J-E-T-S、ジェッツ、ジェッツ、ジェッツ』
は、ジェッツを応援するときの掛け声です。
Twitterの動画の上には
「カイル・スティックルズは、昨夜のニューヨーク・ジェッツのドラフト指名で圧倒的に注目を集め、ショーを独り占めにした」
と書かれています。
このことは、アメリカではとても印象的な出来事だったようで、カンザスシティ・チーフスのQBパトリック・マホームズは、Twitterで称えています。
ところで、カイル君が話している途中、画面の「JETS SELECTION」の上には、短い時間ですが、小さく
「Make-A-Wish」
のテロップが表示されました。
そしてカイル君も「Make-A-Wish Foundation」のことに触れています。
「「メイク・ア・ウィッシュ財団」がこのチャンスを与えてくれた」
と言っていたようです。
「メイク・ア・ウィッシュ財団」(Make-A-Wish Foundation)とは何か。
「難病と闘うこどもが持つ夢の実現の手伝いをすること」を目的とする世界的なボランティア団体です。
カイル君は2020年に骨肉腫と診断されました。
化学療法を受けながら数カ月間入院し、5センチほど骨を削る手術を受け、歩き方を学び直さなければなりませんでした。
彼は寛解し、野球ができるまでになりました。
そして、「メイク・ア・ウィッシュ財団」により、NFLドラフトに参加できるようになりました。
このように、「メイク・ア・ウィッシュ財団」は、難病の子供たちの夢をかなえるお手伝いを続けてきました。
日本にも「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」と言う支部があります。
そして、日本のアメリカンフットボール界は、この財団の活動に貢献しています。
毎年1月と7月に
「ハドルボウル(THE HUDDLE BOWL)」「ニューエラ ハドルボウル(NEW ERA HUDDLE BOWL)」
と言う、大学アメリカンフットボール部OBやOGによるフラッグフットボール大会が開催されています。
この大会の収益金は、「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」に寄付されています。
こんなところに、日本のアメリカンフットボール界が貢献しています。
このことは、ぜひ多くの人に知っていただきたいことです。
最後に、「Make-A-Wish America」のTwitterから、カイル・スティックルズ君のドラフト指名のフル動画をへのリンクが載ったツイートを貼っておきます。
ツイートの一番下にあるリンクをクリックすると、YouTubeで動画が見られます。
字幕をオンにして、設定を「自動翻訳」「日本語」にすると、ロジャー・グッデルコミッショナーとカイル君が何を語ったか、を読むことができます。
カイル君自身にとって、この経験がどれだけ大きなことだったかがわかりますので、お勧めです。
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