【Jリーグ】ジュビロ磐田・試練の中迎える首位・水戸とのアウェイ戦

こんにちは、潤です!

今回はお盆期間に行われた「水戸ホーリーホック」対「ジュビロ磐田」の一戦へお邪魔しました。

首位を走る水戸と、苦しい戦いを強いられる磐田。対照的な両クラブが激突した注目の一戦を振り返ります。
ぜひご覧ください!

目次

これまでの歴史と悲願まで

2000年のJ2リーグ創設2年目に参戦した水戸ホーリーホックは、以降四半世紀に渡って、一度も降格することなくJ2の舞台で戦い続けてきました。

豊富な資金を持つクラブがJ3へ降格することもある中、廃校をクラブハウスに活用するなど、工夫と努力で限られた予算を最大限に活かし続けた歴史があります。
その姿勢が地域に認められ、今では15市町村をホームタウンに制定。地域密着型クラブのモデルともいえる存在になりました。

そして今シーズンは、クラブ史上最高といえるシーズンを送っています。
かつては田中マルクス闘莉王選手や小川航基選手が在籍したシーズンにも上位争いを演じましたが、今季はそれを凌駕。
前節終了時点で2位と勝ち点差6をつけて首位に立ち、悲願のJ1昇格がいよいよ現実味を帯びてきました。

悲願達成へ迎える苦境

一方のジュビロ磐田は苦しい状況にあります。
2023年には最終節で劇的な逆転昇格を果たしてJ1へ復帰したものの、わずか1年で降格。

そして迎えた通算6度目のJ2シーズン。
開幕2連勝と好スタートを切ったものの、その後は連敗を繰り返し、直近では秋田に1-4、いわきに1-3とフィジカルに圧倒され、今季最も苦しい時期を迎えていました。
その結果、順位も昇格圏外となる8位に。
しかもこの試合では、リーグ戦直近8試合連続でスタメン出場していたボランチ金子大毅選手を出場停止で欠くという苦しい条件での首位とのアウェイでの大一番となりました。

立ち上がりから大きく動いた一戦

チケット完売のスタジアムに両クラブのサポーターが詰めかけ、夏の熱気そのままにキックオフ。

開始わずか1分、水戸が右サイドを一気に崩し、最後はキャプテン今季2桁得点をあげ現時点で自身キャリアハイを更新している渡邉新太選手がシュート。しかし5月以来のリーグ戦出場となった磐田の守護神・三浦龍輝選手が好セーブで阻止。立ち上がりのピンチを防ぎます。

その直後の5分には、約1か月ぶりの出場となったDF リカルド・グラッサ選手が持ち前の守備範囲と球際の強さを発揮!ハーフウェーライン付近で強烈なスライディングでボールを奪取!
アウェイサポーターのボルテージを一気に引き上げます。

さらに攻撃でも魅せました。続く8分、そのグラッサ選手が自陣からロングフィード。それに抜け出した加入後初スタメンとなったMF グスタボ・シルバ選手がGKを交わして先制ゴール!
ブラジル1部名門から夏に加入したばかりの新戦力でいきなり大仕事を果たします。

勢いに乗った磐田は14分、再びシルバ選手が鋭いアーリークロスを巧みなトラップで収めるとそこからエリア内でシュート。DFに当たってこぼれてきたボールをMF 倍井謙選手が押し込み、開始15分足らずで2-0とリードを広げます!

水戸の反撃と磐田の修正

このままでは終われない水戸は持ち味の攻守の切り替えと連動した前線からのプレスで反撃開始。
ここまで首位を支えたスタイルを前面に押し出します。

直近2試合、秋田・いわきのハイプレスに苦しめられた磐田でしたが、この日はキャプテン上原力也選手、夏に加入し加入後初スタメンとなった井上潮音選手ら中盤の選手もビルドアップからは簡単にボールを失うことなく冷静に対応。

ですがそれでも水戸の強度に苦しめられて前半36分、37分には立て続けにチャンスを許すも、身体を張った守備で耐え抜き、前半は磐田が2-0リードで折り返します。

白熱の終盤戦

ハーフタイムには夏の夜空に花火が打ち上がる中、後半がスタート。後半立ち上がりの内に磐田はシルバ選手を下げ渡邉りょう選手を投入、水戸も夏にJ1から加入した根本凌選手などを投入し、両者総力戦の様相に。

首位に立つ水戸は得意の切り替えや人数をかけた攻撃だけでなく、ビルドアップからの崩しでもチャンスを作り出します。
61分には後ろで繋いで最後は大崎航詩選手のロングフィードに渡邉新太選手が抜け出してGKを抜くも、磐田の江﨑巧朗選手がゴール前でカバーし、決定機を阻止。

それでも70分以降はより水戸の流れが強まります。
前半から数多くのチャンスを作っていた加藤千尋選手がエリア内でのドリブルからPKを獲得すると、エース渡邉選手がそのPKを沈め、今季12得点目で得点ランキングトップタイ(※8/16現在)に並ぶと共に同点・逆転へ向け1点差に迫ります。

完売となったスタジアムの熱気はホームサポーターの熱気で最高潮に達します。

勝負を決めた一撃

ですがその後は流れを渡さず守備陣を中心に同点弾は許さず耐えていると、その粘りが実って86分にスコアが動きます。
途中交代の選手たちを中心に前線からプレスをかけると途中出場の渡邉りょう選手がペナルティエリア前でボールを奪取。
そしてそのまま強烈なミドルシュート!クロスバーを叩いてネットに吸い込まれる豪快なゴールが決まって3-1。
完全に流れを断ち切る値千金の一撃となりました。
(※めっちゃ球速かったので個人的には今季クラブ最速の弾道だったと思っています。個人調べ。根拠なし。)

各選手が足をつりながらも全力を尽くした一戦は、そのまま終盤の守備でも凌ぎ切り3-1で磐田の勝利。

水戸は今季ホーム初黒星を喫する結果となり、磐田は連敗を2でストップさせることに成功しました。

試合を終えて

水戸はこれまで財政難や環境面の苦難を乗り越え、地域とともに歩んできたクラブです。
15市町村をホームタウンとし、この日は70周年を迎えた東海村の冠試合でもありました。クラブと地域の二人三脚が、悲願のJ1昇格への土台を作っていることを改めて感じさせられます。

※ちなみにこの試合でも東海村PR大使に任命されている鷹啄トラビス選手もスタメン出場し、最後まで身体をはった守備でチームを支えていました。

一方の磐田は、かつて黄金期を築き数々のタイトルを獲得した古豪です。
しかし近年は世代交代に苦しみ、J2で迎えるシーズンも増えていました。それでも毎年磐田市内小学生の一斉観戦企画を行い、近年ではホームタウンを広げるなど地域イベントを通じ、地元とのつながりを強めています。

その証拠にこの試合もアウェイエリアは完売し、さらに(両サポーター入場可能な)メインスタンドのエリアにも多数の磐田サポーターが駆けつけるなど、直近完敗での2連敗となるなど苦しい時期にも関わらず結果に関係なく愛されるクラブとして再成長している姿が印象的でした。

終盤戦へ向けて

水戸は積み上げてきた自信を持ちつつ、終盤に高まるプレッシャーを跳ね返せるか。
磐田は苦しいシーズンを過ごしながらも、首位・2位相手に4戦4勝という”武器”をどこまで貫けるか。

春秋制最後となる2025シーズン。両クラブが直面する新たな壁と、その先に待つ未来から、まだまだ目が離せません。

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この記事を書いた人

みやざき潤のアバター みやざき潤 元TVディレクター・Jクラブスタッフ

Jリーグ観戦が趣味です。
発言は個人の見解となります。

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