ごきげんよう皆様、卓球してますか?わたしは38度を超える熱を出していたので出来ていません。ちなみに陰性でした。
本日は卓球にまつわる「資格」について、お話いたします。
あまり知られていないと思いますが卓球にも「段級位制度」があり、日本卓球協会によって定められています。スポーツで有段、って聞くと剣道や空手などのイメージの方が強いでしょうか。
まずは級位。こちらに関してあまり気にする選手はいないと思いますが、ラリーをn球続けられる、特定の大会に参加するなどで基準を満たすことができます。筆者も十年以上前に全国中学校大会の出身県の予選会に出場しているため、その際に2級を獲得しております。その後も学生の間に全日本選手権大会予選会に出場しているため、2級の資格を維持しておりました。自慢できるようなことでは勿論ありません。
実力の目安と言うか、「あっ、強い人なんだ」という一定の基準になるのは段位認定です。段位を獲得すると日本卓球協会から購入できるゼッケンに段位が記入されるので、選手の背中を見れば一目でわかるようになります。初段の獲得の条件が全国規模の公式大会の都道府県予選を突破し本戦に参加することなので、雑に言うと「県内で一番強い人」認定みたいなものですね。
さらにその試合で2勝していると2段、3~4回勝っていると3段、5勝で4段……と上っていきます。最高段位は10段で、これはオリンピック競技大会で優勝すると獲得できます。戦績で10段に到達しているのは東京五輪の混合ダブルスで優勝した水谷隼選手、伊藤美誠選手のみです。次いで9段獲得者はは2017年の世界卓球で優勝した吉村真晴選手、石川佳純選手の2名。以下、8段に平野美宇選手、7段に張本智和選手など……以降はナショナルチームやTリーグに所属している選手が名を連ねます。
また、競技の成績だけでなく、普及や発展に関する功績が認められた場合にも名誉段位が与えられます。
たとえばとんねるずの石橋貴明氏、木梨憲武氏のふたり。テレビ番組でたびたび選手と楽しい取り組みをされているためでしょうか。筆者も正月の楽しみになっております。特別2段を認定されております。
このふたりとたびたび対決したTHE ALFEEの高見沢俊彦氏も特別初段認定されております。今後インフルエンサーやYoutubeで活動する方々なども、活動が認められれば公認を受けることがあるかもしれませんね。
名誉段位は著名人のためだけのものではなく、他にも名誉段位を認められる項目があります。各地の協会連盟の役員を勤めたり、指導者として成績を残すことでも審査基準を満たすことができます。
中でも最も簡単に手が届きそうなのは「公認審判員」の資格を取得すること。審判員の資格には「公認審判員」「国際審判員」「公認レフェリー」と等級がありますが、筆者も学生時代に講習を受けて試験をクリアして公認審判員の資格を取得できました。なので認定初段を取得したことになってしまいます。
と、競技に関する資格といえばおおよそどのスポーツでもこのあたりの実力によるものや、ジャッジ関連のものになってくると思いますが、しかし今回お話したいのは「卓球療法士」という資格について。前置きがだいぶ長くなってしまった。
数か月前に「卓球療法士」という資格を取得するために座学・実技の講習を受けました。この資格は競技卓球とはほぼ関係はなく、福祉の分野にあたります。
卓球療法とは
一部の福祉施設などで取り入れられており、卓球を通じて健康を維持、向上させようという目的です。
なぜ卓球が福祉に?という疑問が生じるかと思いますが、卓球協議はもとより「チェスをしながら走るようなもの」といわれるほど、頭脳を大きく使うスポーツです。これによって身体的なただのリハビリに留まらず、頭脳の活性化にも効果があることが挙げられます。
かつ、生涯スポーツとして幅広い年齢層のプレーヤーがいるため敷居が低く、台とラケット、そしてわずかなスペースがあれば競技場が完成すること。サッカー療法やテニス療法でなく卓球であることの理由は、福祉の場において、こと卓球が好相性であったからだと思われます。
ラケットスポーツは経験値を隠しにくい(初心者を騙りにくい)、というのは私の経験則による持論なのですが、逆に言えば上達が目に見えて良くわかるという意味でもあります。ラリーを続ける、強打を台に打ち込む、移動してから打つ、などの目標設定が容易であり、その達成度合も簡単に判別できます。小さな目標設定のしやすさも有効な点であるでしょう。
ボールの中に小さな球が入っていて転がすと音が鳴るため視覚障碍者でも楽しめるサウンドテーブルテニス、ラージボールよりもさらに大きいサイズのボールを打ち合う、ラケットも従来の握る形状ではなくミトンのように手にはめるブロッドマンブレードという形式が開発されていたりと、ルールや用具など多岐に渡って非常に様々な工夫がなされています。
これもひとえには卓球競技の普及や人気の向上、プレーのしやすさ、導入のしやすさによるところであると思います。
スポーツを通じた心身の健康維持、向上を目的とした、そんな卓球の姿があることをひとつ知っていただければ。
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