【フットゴルフ】使う派?使わない派?これ何の話?

フットゴルフは、サッカーとゴルフが融合したハイブリッドスポーツです。このULTRA SPORTSをご覧の方々は、ゴルフ場でサッカーボールをキックしてカップに入れた回数で勝負を争うことがフットゴルフというスポーツであることは、もうご存知ですよね?

では、フットゴルフはゴルフとサッカー、どちらに寄ったスポーツなのでしょうか?

目次

フットゴルフはサッカーよりもゴルフ寄り

この答えについては、さまざまなご意見があると思いますが、どちらかと言うとフットゴルフはゴルフに近いスポーツと考えられます。

フットゴルフは、確かにサッカーボールを蹴れなければ成立しません。狙ったターゲットに向かって、どのくらい正確に、キックしたボールを運べるのか? このことは、フットゴルフで好スコアを出すカギとなります。例えばサッカー経験者と未経験者が、初めて同時にフットゴルフを体験したとしましょう。おそらく最初は、ボールをキックすることに慣れているサッカー経験者の方が、少ない打数でプレーできるはずです。

しかし、何度かフットゴルフを体験した方であればご理解いただけると思いますが、フットゴルフは、プレー回数を重ねるごとにサッカーよりもゴルフのスキルが求められることを感じるはずです。

コースの傾斜を読む。転がる方向や度合いを考慮してキックする。次のショットを考えて目の前のボールを蹴る。目の前のハザードを避ける方法を考えるetc。いわゆるコースマネージメントと言われるこれらの要素は、全てゴルフに通じるものです。

どれだけキックが上手でも、コースレイアウトを理解していなければ次のショットを狙った位置から蹴ることはできません。思うようにボールを転がせても、ラインを読めなければカップインしないのです。

そして、フットゴルフにはさらに「ゴルフを彷彿」させるシーンがあります。

フットゴルフはティーアップできる

それがティーアップ。サッカーでは考えられませんが、フットゴルフではゴルフのようにティーショット(ティーキック)でティーを使うことができます。

フットゴルフで使用するティー。

ゴルフの場合、特にアマチュアゴルファーだと地面にあるボールを打つよりもティーアップしているボールを打つ方が格段に簡単です。ですから、ドライバー、フェアウェイウッド、アイアンに関わらず、ティーショットではティーアップするゴルファーがほとんど。ボールが少しでも空中にあると、安心感も増し、よりナイスショットの確率が高くなる、だから簡単というわけです。

では、フットゴルフの場合はどうでしょうか?

ティーアップしないプレーヤーが多い( by アンケート)

今回、当協会ではTwitterのアンケートでティーの使用の有無を聞いてみました。で、結果がこちら。

ティーを使うが45.7%。この結果は意外?想定通り?

きっとゴルフでこのアンケートをしたら、95%以上で「使う」という回答になると思うのですが、フットゴルフでは「使わない」が過半数の54.3%という結果になりました。

筆者のサッカー経験は、「キャプテン翼」全盛だった小学生時代にかじった程度。記憶にないくらい昔なので、サッカーボールを蹴ることはドがつくほどの素人です。ですから、ゴルフ同様、フットゴルフでもティーアップしていると安心します。普通に蹴れば足がボールの下に入り、簡単にボールが上がってくれるのですから、ティーを使わない選択肢はないのです。

ところが、アンケート結果はご覧の通りとなりました。

以前、当協会が主催するジャパンツアーでプレーしている選手たちに、ティーアップについて聞いたことがあるのですが、使う理由については「ボールを上げやすい」「飛距離が出やすい」という声がありました。逆に使わない理由を聞いてみると「ティーアップに慣れていないから」「(ボールが地面にある普段の状況と違い)地面から浮いているのでインパクトが狂う」との答えがあったのです。

また、鹿島アントラーズなどで活躍した元Jリーガーの阿部敏之さんも、フットゴルフを始めた当時は「ティーアップに慣れるまで練習しないとね」と話していました。現在の阿部さんは、ティーアップの有無を状況によって使い分けていると思うのですが、誰よりも蹴り込んできた名手(足?)だからこそ、逆にティーアップが難しく感じてしまっていたのかも知れません。

確かにサッカー経験者の方は、ティーアップが慣れずにミスキックしてしまうこともあるでしょう。世界フットゴルフ連盟(FIFG)で定めているティーのサイズは、高さ2センチ x 内周4センチ x 底辺7センチ。地面よりボールが2センチ上にあれば、普通に蹴ると、芯を外して予想外のキックになる場合もあるはずです。

つまり、ティーアップした状態でボールにジャストミートさせるには、キック自体を微妙に変えなければ、これまで培ってきたキック力もティーアップも生かせないことになります。フットゴルフでは、良いスコアで回るためにキックの精度が求められます。「あの辺に蹴れば良い」ではなく「あそこに蹴る、置く」という正確性がなければいけません。

ですから、ティーアップしても正確性が落ちないならティーを使うし、精度に不安があるから使わない(当然、飛ばしたいから精度を落としてもティーアップするというケースはあると思います)という考えになり、今回のようなアンケート結果となった可能性もあります。

こちらの動画の3:54から、日本代表歴がある前田春香選手がティーについて語ってくれています。

なんてことを考えていたら、今度は、ティーを使うプレーヤーとそうではないプレーヤーのティーショットの飛距離やスコアも比べてみたくなってきました。調査協力者求ムです。

ルールの範囲内で、自分のプレーを有利にする道具を使うことも使わないことも選べるのは、フットゴルフの楽しみの一つです。あなたはティーを使う派、使わない派、どちらでしょうか?

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この記事を書いた人

田村 一人のアバター 田村 一人 一般社団法人日本フットゴルフ協会理事

フットゴルフは、サッカー(フットボール)とゴルフが融合したスポーツで、2009年にオランダでルール化。サッカーボールの5号球を使い、ゴルフコースで9ホール、または18ホールをラウンドしてスコアを競います。国際フットゴルフ連盟(FIFG)が設立されて以降、欧米を中心に40カ国以上で楽しまれており、2012年が第1回大会となったW杯は、これまで3回開催されており2023年5月には米国での第4回大会開催が決定しています(第4回大会は当初、日本で2020年に開催予定でしたが新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年に延期となり、その後もコロナ禍となっていたため中止)。フットゴルフ先進国のアメリカでは、既に600コース以上でフットゴルフがプレーでき、イギリスでもその数は200を越えるなど、その認知度は急速に高まっています。当協会は2014年2月に創設され、国内唯一のFIFG加盟団体として、同連盟とともに世界的なフットゴルフの普及に取り組み、2028年ロス五輪での正式種目化に向け活動しています。

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