「フットゴルフ」の勝負はボール選びから始まっている!?ボールでスコアは変わる(かも)

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フットゴルフはサッカーボールを選べる

まずは、サッカーをしている皆さんへ

皆さんはサッカーをするときに、どのボールを使うか気にしていますか?

色々な答えがあると思いますが、現実的には気にすることはあっても、試合で使用されるボールは決まっているので、好きなボールがあろうがなかろうが「自分の意思では変えられない」ということになるのではないでしょうか。「今日のボールは“硬い”な、“重い”な」などと感じることはあっても、「審判!ボール交換して!」などとは言えないのですから。

フットゴルフは、使うボールを自分で選べる数少ないスポーツの一つです。チームスポーツであるサッカーやバスケットボール、バレーボールなどは試合球が試合や大会、リーグごとに決まっていることが多く、プレーヤーやチームがボールを選ぶことはできません。しかし、個人スポーツのフットゴルフなら、ゴルフやボーリング同様、それが可能。競技に欠かせないボールをプレーヤー自身が選択できるのです。

フットゴルファーは自分が選んだボールでプレーする

これはゴルファーにとっては当たり前です。ゴルフボールは“飛距離系”“スピン系”などと大別され、個々が自分のプレーで重要視する部分であったり、自分のスキルやパワー、あるいはクラブと相性を見ながら、それに合うボールを選んでプレーを楽しんでいます。中にはクラブよりもボール選びに拘るべきというプロもいるほど。メーカーもクラブだけではなく、ボールにも莫大なコストをかけて売れるボールの開発に努めています。ゴルフの世界では、ボールがスコアを左右するのが当たり前の事実と言っても良いようです。

一球数万円!セカンドマーケットで加熱する
ボール争奪戦

現在、日本フットゴルフ協会が主催するジャパンツアーに参加しているプレーヤーたちも、ボールにかなりの拘りを持っている方が多いようです。ちなみにフットゴルフの規則におけるボールの定義とは以下の通りです。

フットゴルフのプレーで使用されるボールはサッカーで使われる公式サッカーボールの5号球とする。外周は68〜70センチで、重量は410〜450グラム以内である必要があり、空気のみで膨らませてあるべきである。その他のボールの使用は禁止であり、不正のボールでプレーするプレーヤーは失格となる。ボールのプレー特性はホールをプレーしている間は変えることができない。

一般社団法人日本フットゴルフ協会のフットゴルフルールページより

この規則に沿っていれば、どのボールでもプレーは可能。当協会が国内でフットゴルフの大会をスタートした2014年ごろは、プレーヤーの皆さんもボールにそこまでの拘りがありませんでした。協会のレンタルボールでプレーしていた選手もいましたし、所属するサッカーチームからの借り物で参加している方も…。当時は、皆さんも子供時代の記憶としてあると思いますが、待機中などにボールに腰掛けている方もいました。しかし、今ではそんな光景は皆無です。理由はボールが変形するリスクがあるから。

海外遠征も一苦労です。選手は誰しも、変形リスクを回避するためボールに空気を入れた状態で、手荷物として搭乗したいのですが、手荷物検査でボールの中の空気を抜くように指示されてしまう…。サッカーをしているときは、さほど気にしていなかったボールが、フットゴルフとなると何よりもケアすべき相棒となるわけですね。

現在、人気があるボールは数種類あるようですが、その中には既に廃盤となり店舗では手に入れることができないモデルもあります。そのため、選手たちはオークションサイトやメルカリなどで探し出すことも。中には数万円もするボールがあるというから驚きです。最近でもSNSを眺めていると、ボールを探している投稿を見かけることがあります。サッカーでは無縁なのかも知れませんが、フットゴルフの世界では、壮絶なボール獲得合戦がネットを中心に起こっているのです。

ですから、高額ボールでOBをしてしまったときは大変です。場面によってはゴルフ場のスタッフさんにお願いしてボールを捜索していただくのですが、崖下など危険な場所ではボールを拾いにいけないため、諦めていただくこともあります。ボール拾いに尽力いただくコースのスタッフさんには感謝するばかりですが、プレーヤーの皆さんはOBゾーンは大変危険ですので、ご自分の判断だけでボールを拾いに行くのはご遠慮ください。この場を借りてのお願いです。

カップ周りでは繊細なタッチが必要。打感はボール選びで大変重要だ

人気は十数年前のあのボール

さて、当協会のTwitterアカウントでは、ボールに関するアンケートを実施しました。ご回答いただいた皆さま、ご協力ありがとうございました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

というわけではアンケート結果はこちら。

2010年のFIFAワールドカップ公式球となった「ジャブラニ」、そのジャブラニの改良モデル「スピードセル」、2006年FIFAワールドカップ公式球「チームガイスト」が拮抗していますね。また「その他」では多くのリプライをいただきました。

今回のアンケートの選択肢は、ジャパンツアー出場選手の使用ボールを眺めながら設定したものですが、お気づきのようにどれも10年以上前にワールドカップなどの公式ボールとなったものばかり。市場にはないボールばかりが人気なのですからセカンドマーケットが加熱するわけですね。

どのプレーヤーも自分が望んだ弾道を手に入れるためにボールを選択していますが、中でも「ジャブラニ」は飛距離が伸びる傾向にあるようです。というのも、このボールで使用されているパネルは8枚。ピッチで滑りにくくするため、表面に細かい凹凸がありますが、より真球に近くなっています。サッカー本田圭佑選手の無回転や「ブレ球」が話題となりましたが、それはこの「ジャブラニ」によるもの。無回転ということはスピンがかかっていないわけで、キャリーだけでなく、着地した後のランも通常のボールよりも出て、結果として大きな飛距離が手に入るというわけですね。

Welcome to ボール沼?

現在の国内フットゴルフ界において、使用するボールが話題になるのは、ジャパンツアー参加者が大半だと思います。しかし今後は、普段フットゴルフをお楽しみの皆さまの中にも、ボールに拘り“マイボール”を探し求める方は増えてくるはずです。となると、フットゴルフ専用ボールが誕生する、なんて未来が訪れるかも知れませんね。

当協会でも、競技の認知普及だけでなく、プレーヤーが使うグッズにも目を向け、様々な角度から市場拡大を目指していきたいと思います。

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この記事を書いた人

田村 一人のアバター 田村 一人 一般社団法人日本フットゴルフ協会理事

フットゴルフは、サッカー(フットボール)とゴルフが融合したスポーツで、2009年にオランダでルール化。サッカーボールの5号球を使い、ゴルフコースで9ホール、または18ホールをラウンドしてスコアを競います。国際フットゴルフ連盟(FIFG)が設立されて以降、欧米を中心に40カ国以上で楽しまれており、2012年が第1回大会となったW杯は、これまで3回開催されており2023年5月には米国での第4回大会開催が決定しています(第4回大会は当初、日本で2020年に開催予定でしたが新型コロナウイルス感染拡大の影響で2021年に延期となり、その後もコロナ禍となっていたため中止)。フットゴルフ先進国のアメリカでは、既に600コース以上でフットゴルフがプレーでき、イギリスでもその数は200を越えるなど、その認知度は急速に高まっています。当協会は2014年2月に創設され、国内唯一のFIFG加盟団体として、同連盟とともに世界的なフットゴルフの普及に取り組み、2028年ロス五輪での正式種目化に向け活動しています。

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