ごきげんよう皆様、卓球してますか?糀卓球放送局です、Youtubeチャンネルもどうぞよしなに。
去る8/25のTリーグ公式戦、日本ペイントマレッツvs日本生命レッドエルフを観戦して参りました。本大会はグランフロント大阪北館にて開催されましたが、なんとこちらは一般の商業施設。先々シーズンからイオンモールなどの施設で公式戦が開催されることがあり、チケットがなくても観戦できます。もちろん有料シートよりは遠いところから席もなく立ち見になるのですが、スポーツの観戦ハードルとしては激低。こういった機会を見つけて是非とも一度は現地観戦していただきたいところ。筆者は関西のゲームはできるだけ観戦しようと足を伸ばしているのですが、本業のスケジュールが合わず今回はギリギリまで行けるかわからなかったのです。結果的になんとか滑り込めました、有料席は早々に諦めていたのでチケットが無駄になるような焦燥感にも襲われることもなく。働き人にとってはこういうメリットもありますね。
今回は日本ペイントマレッツのホームゲームということで、帯同されているメインMCさんとマスコットが観客をうまく扇動して会場は温まっていきます。この感じはわりと陰気な部活動卓球をやっていた身からすると新鮮というか、プロスポーツ味があると感じます。彩たまにはダンサーがいることもありましたし、これも興行スポーツの華のひとつでしょう。個人的な体感ですがマレッツはオーディエンスの応援が結構強いです。大阪だから?
試合の見どころとしては佐藤橋本の両エースによるダブルス、横井や大藤、芝田といった四天王寺勢の実力者による強固なオーダーに、早田伊藤を欠く日本生命がいかに立ち向かうか、というところ。ぶっちゃけダブルスを見に来たみたいなところがありますが、両カットのプレーもさることながら、攻撃で破りに行く様子もパワフルで見所ありでした。筆者は学生時代にカット主戦で卓球をしていた都合、力量は果てほど違えどもカット主戦側に偏って見てしまうのですが、いま裏裏攻撃をやってみて、ちょっと新しい視点を得たような感じです。いつまでも学びがありますね。レッドエルフ側も、森選手は両ハンドとも回転量がありそうで、打点を落としたフォアドライブは目を見張るものがありました。笹尾選手はカット処理の角度打ちが上手すぎて両面表ソフトやっけか?と検索してしまったほど。カットプレーでいうと、基本的な返球のレベルの高いこと。横から視点なので試合の映像を見るよりも鮮明に見て取れたのがボールの深さや高さ。自分の出したボールに対して相手の返球の角度や質を予測しての位置取りなど、あまりにも自然にラリーが続くのですが、その裏には確かに高い練度の積み重ねが見て取れます。それもそのはずの日本国内最高峰のTリーグ、当たり前と言ってしまえばその通りでそれまでなのですが。そんなきつい姿勢でミドル処理なのにナックル気味に送れるとかある???ってソロ観戦なのに声に出てしまいそうでした。多少漏れてました。
というように、ネットでなんでも見られる時代になりましたが、現地で見ないとわからないことがたくさん収穫としてありました。たとえばサービスの打点。ワタクシ今回は台を横から見るような、主審副審と同じ方向から観戦していたんですが、そのためサービスを構える選手を背中から見る形だったんですね。するとサービスをどの位置で打っているかが見えるのですが、インパクトの位置が意外と台から離れていて驚きました。確かに距離を取ればその分スイングを大きく取れるなど扱えるエネルギーが大きくなるので回転量など増えそうですが、その分コントロールも難しそうです。ですが台からの出し入れもカモフラージュできそうで、新しいインスピレーションです。いつぞやのどこかの配信で水谷隼選手がサービスについて語っている中で「台の少し後ろからサービスを出すと軌道が変わってチキータしにくい弾道になる(要約)、これからはそれが主流になる。」と話しておられたことを思い出しました。他にも試合前にトレーナーと一緒にアップをする様子など。ラケットを持たない調整はこのような場面でもなければ目にかかることなどないでしょう。後はネットエッジによる軌道の変化は映像で見るよりめちゃめちゃわかりやすかったですね。今回は機会が無かったですが逆にサイドへの着弾は判別つかなさそう、審判の方々も気を揉まれるポイントでしょうね。
さて。試合の様子や結果などは公式様への誘導でお茶を濁しつつ、Tリーグ観戦でちょっと思ったことをいくつか。試合はとても良いものだったのですが、それだけに空席の見られる有料席や動員数を見ると少し物悲しくなってしまいます。特に今バスケットボールが非常に関心を集めている中、卓球に足りないものが何かあるのか、と考えてみました。いくつか提起出来ればと思います。
まず、卓球って何が起きても1点ずつしか動かないんですね。当たり前の事ですが。何度も打ち返し合うようなでっかい激しいラリーの結果も1点、1球目のサービスレシーブが台の外に飛んでいっても1点です。ラリーが大きくなるとそれはもう会場が一体になるほど盛り上がるのですが、チキータ狙いに行ってミスとか、サービスわからなくてネット直撃してミスとか、それでも1点なんですよね。競技上どうしようもないところなのですが、盛り上がりが担保されていないというのは卓球があんまり観戦映えしないポイントのひとつかもしれません。例えば野球なんかは得点が卓球ほど頻繁には起きませんが、攻撃側の選手が有効なプレーを狙えば自ずと塁が埋まって得点=チームの勝利へ近づきますし、ホームランという計算外の1点も起こりえます。点差が大きく開いたとしても選手の成績には影響しますし、目が離せる場面はなかなか無いでしょう。サッカー、バスケットボールも選手やボールというプレイ領域が絶え間なく動き続けますし、得点を獲得する手段もシンプルで分かりやすい。卓球だと、例えばスコア9-2なんてなったら、もう、あー、って感じなんですよね(言語化)。もちろん選手は諦める姿勢を見せてはいけないですし、サポーターも逆転を信じて健闘を祈るものなのですが、卓球にホームランはないので……ラッキーゾーンでも作る?
これもどうしようもないですが、試合時間。さすがに野球なんかよりは短いですが、基本的に時間で区切っていないので無制限なんですよね。で、今回見に行った試合はトータル5試合やって3時間でした。他の観戦スポーツに比べると団体戦1本で3時間は結構重たい寄りに思えます。しかもこれでも減らしている方で、1戦目のダブルスは2セット先取の3ゲームマッチ、他は3セット先取の5ゲーム、4戦目のビクトリーマッチはわずか1セット先取です。セットオール(2-2)になると最終ゲームは6-6スタートにもなるため、観戦時間の短縮はTリーグの構想段階で既に考えられた後の話です。実際、卓球の試合を観るうえでの楽しさを削りきらない調整だと思うのですが、それでも3時間は重いなぁ、と。こうしてみては、と挙げてみたくても削れるところがもう怪しいんですよね。エキシビジョンみたいなのを削ると会場に「見るだけ」になってしまって本当にそれ目的の人しか楽しめなくなるし、セレモニーを削ると選手のパーソナリティに触れられないのでファンを付けにくくなってしまったり、デメリットの方が容易に思いついてしまう。
筆者が学生卓球やっていたときなんかは、インターハイなどの全国規模の試合会場には物販スペースがあって、メーカーブースで新作みたりアウトレット買ったりして結構楽しかった思い出があるので、協賛メーカー各位できれば派遣出店してもらえるといいなぁ、と。あったらプレイヤーなら見にいくんじゃないでしょうか。僕が行きたいだけではある。
また、直近で会場に出店した飲食店さんがTリーグさんからのプレゼンで9000人前後の来店が見込まれます!ってオファーしたのに当日ぜんぜん集客なくてロスになった、という話を耳にしました(SNSで見たので実際は目にしたのですが)。現地で食べ物買ってビール飲みながら観戦、みたいなスタイル、あるじゃないですか。筆者はホークスファンなのですが以前ほっともっとフィールドや京セラドームに行ったときは勿論ビール片手でした。そういうのがあれば3時間耐えられそうなのですが、遠のいてしまいそうですね……。原文は削除されていたので言及はしませんが、取り巻く環境にも良くなってほしいものです。会場設営的に飲食物は難しいんでしょうか。ある程度のスペースがあればどこでも開催できるのが他のスポーツにない強みですが、確かに移動できるタイプの椅子にドリンクホルダーはあんまり想像つかないです。劇場で開催された例もありますが、食べこぼしなんかしたら二度と使わせてもらえなくなりそう。
などとお気持ち表明してしまいましたが、試合はとても白熱のゲームで目が離せませんでした。早田伊藤抜きならぜったいマレッツ勝つやろ……と失礼ながら思っていましたが、ひっくり返されましたね。今シーズンは筆者推しの浜本由惟選手がどのチームにも所属されていないため積極的に応援するチームはないのですが、卓球というスポーツのおもしろさにはしっかりと触れて帰って来れましたので、是非一度ご覧いただければと思います。
次は10/29にイオンモール岡山でも無料観覧が可能な試合があります!!近くにお住まいで卓球にご興味のある方はご予定いただけましたら!!!お買い物のついでに!!!是非どうぞ!!!!!
今回はここまで。ご覧いただきありがとうございました。
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