【全日本卓球2023】全日程終了!糀的チェックポイントの答え合わせ

 ごきげんよう皆様、卓球してますか?
今回も全日本2023について、答え合わせということで前稿で筆者が挙げた選手について触れていこうと思います。全体の結果は公式ページ等でご確認いただければ。

激闘の1週間が終わりました。
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まずは男子シングルスから。個人的に激推ししているのは田中佑汰選手と鈴木颯選手のふたり。Tリーグなどにはあまり参加せずにずっと海外で鍛え続けている田中選手と、日本ではちょっぴりマイナー寄りのメーカー「DONIC」との契約をずっと続けている鈴木選手。いつか脚光を浴びてほしいとずっと注目しております。田中選手は昨年10月の選考会で準優勝、鈴木選手は昨年の全日本ジュニアでベスト4、インターハイで団体、シングルス、ダブルスの三冠を達成しております、スポンジが青いラバーって良いよね。次点で注目しているのは松島輝空選手。張本2世のような扱われ方をされがちなのですが筆者的にはタイプが違うと考えていて、張本智和選手は急に新戦術で年上達を薙ぎ払いまくっていったタイプの強さを示したのに対し、松島選手は同年代の中では頭ふたつみっつ抜けてシンプルに実力が強いタイプかな、と。何年か前の年代ごちゃまぜの選考会なんかでは松島選手はちゃんと負けたりしていたので代表選出みたいなステージはまだないものの、将来的に水谷選手のような安定して上位入賞を何年も続ける、「去年3位だったのに今年ベスト16かー、ちょっと調子悪かったのかな」みたいなことを言われるような、言語化がなんとも難しいのですが「普通に強い」部類の選手になると思って期待しています。そんな松島選手、今年はどこまで勝ち進むでしょう。

 田中佑汰選手はベスト8となりました、準々決勝で優勝した戸上選手との打ち合いになり、惜しくも敗れております。鈴木颯選手は残念ながらスーパーシード合流となる4回戦で初戦敗退、松島選手はシングルスでは上記の田中選手に敗れる結果でした。残念。ただ後述のダブルス競技にて、田中選手は混合ダブルス準優勝、鈴木選手は男子ダブルスでベスト16に残っています。

去年は丹羽、吉村、松平という比較的ベテラン寄りの選手がトップを占めておりましたので、若手一同はどこまで意地を見せられるか。ノーシードでも田添健汰選手や吉村和弘選手、オーバーエイジ気味な時吉選手や大矢選手など、個人的に気になる選手はたくさんです。別の視点からですと大島祐哉選手。筋肉信仰に目覚めた私としては彼のフォアハンドはとても好きだったのですが、バックハンドを使う比重を大きくしてから少しボリュームが下がったような気がして、勝手ながら昔ほど期待を寄せられていません……本当に全くもって勝手な話だな。バックハンドを使うようになってから強くなったのは間違いないんですけども。今大会もウォッチしていこうと思います。卓球競技をご存知ない皆様、彼は顔面も強いので是非ご覧ください。

 今回はベスト4最年長が21歳の戸上選手という、前大会とは反対な結果になりました。国際試合から退くことを表明した丹羽選手、新しいラケットを携えての参戦のようでしたが、16決定で横谷選手にフルセットの末敗退しております。大会屈指の好ゲームでした。吉村真晴選手も8決定で篠塚選手に敗退。筆者推しの大島選手も篠塚選手に16決定で敗れておりました。

次に女子シングルス。前回大会は伊藤選手が頂点に上り詰めたのですが、本年度は選考会などの国内戦の結果をみるとやや苦戦している模様。道中で敗れてしまう可能性もややあるかな、という気配です。あんまり好きじゃないんですけどね、そういうときにありがちな「大金星」「大波乱」「誤算」みたいな書き方。ただ表ソフトやカット主戦の選手にはあんまり負けない印象があるので、組み合わせ的にランキングまでは危なげなく勝ち進みそうではあります。また、全大会棄権の横井選手が隣の山にノーシードで出場しているので、ぶつかるところまで進んでいくかもしれません。女子の今大会注目株は、もう極めて普通なことを言ってしまいますが張本美和選手です。見るたびに際限なく強くなっていっているので、結構大変そうなブロックですが優勝も普通にあると思っています。ちょっと話逸れますが張本美和選手、個人的には団体代表シングルス2枠レベルだと思っているんですよね。所謂エース起用。伊藤美誠選手と早田ひな選手のダブルスが非常に強力なのですが、ダブルスのある団体戦だと、ダブルスに選出した選手はシングルスには1回しか出られないので起用に悩まされるんですよね。そこに実力をつけた張本選手を据えられれば、①伊藤早田②張本③伊藤④張本⑤早田、という相当強力な組み方ができる。パリまでだと時間が少し短いと思っていたのですが近年の急成長的に現実味あるな、というところと、その裏付けとして今回のタイトルは取ってほしいですね。張本選手、試合を見たことあるのですがボールがめっっっっっっっっっっちゃ強いんですよね。打球音が違うというか、インパクト?ですかね。

 横井選手に関する一文は投稿直前に思い出して追記したのですが、本当に伊藤選手を破るとは驚き。張本選手は優勝した早田選手に砕かれてしまいました。もともと芝田→早田→平野→石川→伊藤or木原という超ハードコースにアサインされていたところなのですが、また次回ですね。

他には筆者がカット主戦だったこともあって、佐藤瞳、橋本帆乃香、小塩遥菜の3選手がどこまで進めるかが楽しみです。カット主戦の戦型というものを言語化すると、台から後ろに距離を取って下回転をかけて返球し、相手がミスをするまで粘る、というのがイメージとしてあるのではないでしょうか。しかしながらカットを10年近く嗜んでいた筆者としましては、守備型などど思うことなかれ、と物申したいところであります。カットマンにとってカットプレーというのは、下回転による攻撃なんですよね。筆者は守ろうなんて気持ちではなく、ブッ倒してやるという気持ちでボールを送っていました。現代卓球をみると攻撃型の選手はコースやピッチで変化をつけてミスを誘ったり撃ち抜いたりで得点を狙いますが、カット主戦の選手はここを回転量による球質の属性差や相手の判断ミスでも得点を狙うわけですから、手段の多さを鑑みると攻撃型の選手よりも得点に貪欲だと言っていいのではないでしょうか。まぁ練習大変なんですけどね、いろんなことしないといけないので。それでもラリー中に後陣から上回転を送って相手の打球面をリセットした後にナックルカットを差し込んでオーバーミスさせたりなんてするとそれはもう快感です。先ほど名を挙げた3選手とも変化をつけたラリーの組み立てが流石に上手で学べることが多いです。その中で小塩選手というと、妹の悠菜選手がトーナメント表の真下に組み込まれています。姉妹対決なるかというところ。特殊な戦型の他にも、姉妹そろってかなり体格が良くなっているので、よりパワフルなプレーを見ることができるかもしれません。身体能力ってやっぱり大事なんですよ。

 筆者注目のカット主戦選手たちですが、佐藤選手がベスト8入り。これは9年連続とのことで、非常に高水準で安定した成績を残しております。9年って凄いですね、小学生が高校卒業するくらいの年月ですから。20歳の新成人もアラサーになんでもないです。小塩姉妹対決は一般ではあと一歩届かずだったのですがジュニアの部で実現しました。準決勝で対決、妹の悠菜選手が勝利しています。

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それでは男子ダブルスから。第一シードには宇田/戸上のペア。宇田選手は2020年度の全日本シングルスで優勝してからというもの、やや鳴りを潜めている印象。正直ふらっと敗退しそうな雰囲気まで感じているので、この辺りで実力を見せていただきたいところ。筆者は基本的にフォアハンドを振り回せる選手と粘着ラバーを使う選手は無条件で好きになるタイプのメンヘラなので、前者である宇田選手には注目しております。ただ結構試練がありそうなのが組み合わせの妙で、田中/篠塚ペアや及川/松島ペアが同じ山にアサイン。地獄か?反対側は学生多めな感じなんですが、なんでここだけプロまみれなのか。篠塚選手はパリ代表ポイント(勝手にパリポと称しています)は張本選手に次いで2位。及川松島の木下マイスターペアはチームメイトということで練習量ばっちりなのでは。仕上がりに注目。第二シードは張本/森園選手。国際大会ではあまり見ない組み合わせなのですが、前大会準優勝という実力。彼らに当たりそうなのが酒井/上村の社会人ペアや、神/松平のTT彩たまペア。と言いつつダブルスは単純な個人技の足し算ではないので、ノーシードから勝ち上がることも勿論あり得ます。故に未知数みたいなところもあるので、純粋に結果を楽しみたいところ。前年度決勝。両ペアが全勝すれば再びこの形に。小泉構文みたいなこと言っちゃった。

 及川/松島ペアが準優勝、宇田/戸上ペアを破っての決勝進出でしたが張本/森園ペアが優勝を手にしました。松島選手、ガタイかなり仕上がっていてびっくりしました。まだ15歳のはずなのですが、及川選手よりも大きかったような……せのびーるさんもこの成長にはニッコリ。

次に女子ダブルス。伊藤/早田が国内外含めて圧倒的に実績があるので、このペアに向かって全員が挑戦者とも言わんばかり。木原/長﨑と佐藤/橋本のダブルスが同じサイドにいるので、どちらか片方のペアしかステージに上がれない点がもどかしい。もう一方のブロックでは、シードにアサインされている石川/平野と芝田/大藤が本命か。石川/平野の組み合わせは世界戦などへはよく参加している一方、Tリーグでは1試合しか出場機会がないばかりか1-2で落としているのですが、下馬評通りの戦績を残せるかというところ。国内で勝つことと海外で勝つことはまったく別物だと筆者は考えておりますので(別に外国籍の方と卓球したことはないのですが)、その前提からだと海外での実績が国内最強ランキングに直結するかという話には、まぁ何か違うんだろうなぁという結論を持たざるを得ないのですが。その辺の事情だったりでパリ五輪代表選考に関して波風が立ったりしているのは別の話としますが、それはそれとして海外の試合環境で勝ったり負けたり練習相手になってもらったりは実力として身に付くはずなので、特にそういった機会の多い日本代表チームには頑張ってほしいところです。反対に注目されている選手を破って頭角を現してほしい気持ちもあり、このふたつの思いは矛盾せず両立するので個人的楽しみポイントです。

 早田/伊藤ペアがすべてを破壊していました。スーパーシードとはいえ全4試合で2セットしか落としていないんですけども。脅威的。佐藤/橋本のカットダブルスもベスト4。石川/平野ペアは残念ながら棄権でした。

最後に混合ダブルス。通常のダブルス以上に読めないです、そこ接点合ったの?みたいなペアリングまであるので本当に未知数です。いち卓球ファンが選手のプライベートとか個人間のつながりまで追えるわけがないのでそれはそうなのですが、底の浅い文章になってしまいます。ご容赦ください。混合はそこまでペアが固定化されていないからか、2022年度大会のシード選手も張本/早田ペアと硴塚/森田ペアしか残っていません。張本/早田は国内外ともに実績十分で優勝候補筆頭なのですが、他の新規ペアが客観的には謎である点がおもしろポイントかもしれません。名前だけ見て「強そ~」と思ったところとしては篠塚/木原や田添健/長﨑、おもしろそうなのが松島/張本と英田/南波。ダブルス巧者が多いことと、知らな過ぎて楽しみなことが選考基準です。ガバガバである。英田選手にダブルスのイメージが失礼ながらあんまりないので、どのようなプレーになるのか楽しみです。

 張本/早田ペアが優勝し、張本選手は3競技で2位/1位/1位、早田選手は1位/1位/1位。あまりにもバケモン。篠塚/木原ペアあたり善戦するかなー、と思っていたのですが3-0で爆破してますね。戸上/早田とか張本/張本で組んだら張本早田に勝てるかもしれませんね(パラドックス)。目を付けていた松島/張本と英田/南波は道中で敗れております、残念。

 総括として、なんとなく「連覇」が久しぶりな感じがしました。水谷選手が退いてからは毎年チャンピオンが変わっていたので、ほんのりと刺激になっているのではないでしょうか。国際試合では無類の活躍を見せる張本選手や伊藤選手が国内でも最強、という簡単な話ではないことが表される結果になったことも、日本全体で見た時の卓球競技の層の厚さ、国力の高さが見て取れるのではないかな、と思います。それと共に、あえてちょっぴり触れますが、もう目前に迫ってきたパリ五輪の代表選手選考がここから誰もが納得する方向に着地することはあるのでしょうか……。個人的にはもう引き返すことはできないのでこのまますべて飲み込んで全責任を背負って自爆するほかなさそうなのですが。

 既に選手たちは次のステージへ、WTTに参加するため国外に飛び立ったり、Tリーグの日程にあわせて移動したり練習したりと忙しない日常に戻っているでしょう。ただ単純に今は、選手たちが目指し、死力を尽くした全日本選手権の結果に対して賞賛を送りたい次第であります。

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糀卓球放送局のアバター 糀卓球放送局 卓球動画投稿者

みなさまごきげんよう、卓球してますか?特定のラケットが好きすぎる男のアカウント。強めの思想をネットにばらまく。卓球歴は長いだけ。ファッションで用具を選ぶ卓球エアプ。Youtubeチャンネルもどうぞよしなに。

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