【筋肉】卓球とファッション

 卓球用具は、それはもうとんでもない種類が存在する。何がそんなにいっぱいあるのかというと、全部としか言いようがない。ラケットだけでも木材の種類、その構成、カーボンなどの特殊素材の有無、その種類、ブレードの大きさ、弾み、グリップの形状と様々。とはいえレシピはおおよそ出尽くしていて、いろんなメーカーが似たようなラケットを作っているので、組み合わせの計算のように何千通りのラケットがある、というわけではない。

 しかしラバーの組み合わせを考慮すると、途端に話が変わり「無限」がちらつく。ラバーは打球面であるゴムシートと、ラケットとの接着面であるスポンジの組み合わせで出来ている。それぞれに様々な要素があり、ゴムにかかる反発性能や表面の粘着力などに特徴が現れる。ラバーは大きく分けて3種類あり、打球面に粒が出ていないのが裏ソフトラバーで、最も使用者の多いタイプだ。反対に粒が出ているのが表ソフト、その粒が長いものは粒高ラバーと分類される。これらの粒の形状(太さや高さ、硬さ)なども違いとなる。そしてスポンジ側には硬度や気泡の密度、反発性の強さ、そして厚さなどで違いが生まれる。バリエーションを分けられる要素が山ほどあり、それを色んなメーカーがこぞってやるものだから、それは無限の組み合わせになろうというもの。さらに片面のペンホルダーでなければラバーは2枚チョイスすることになるので、無限に対しさらに掛け算を要する。

卓球ラバーは3種類!ラバーの種類別にVICTAS・TSPのおすすめラバーを一挙紹介

ご興味のある方はメーカーの正確な情報をどうぞ。

 この記事が掲載されているのは総合スポーツメディアということもあり、卓球を良く知らない方もご覧いただいているのではないかと思う。そんなここまでお読みいただいたあなたの思っていることを当てます。これはメンタリズムです。

わからん。

 正味な話、わからん。だいたい卓球やってるやつだってそこまで考えて用具選んでいない。

 僕もそうだし、みんなそうだろ。シートの粒形状が0.1mm細いほうが好きだからこっちを選んでいます、とか絶対やってない。

 では卓球イカレオタクこと私が何を基準に用具を選んでいるか。答えは非常にシンプル。

ファッション。タイトル回収。

 

 俺はオシャレで用具を選んでいる。

 卓球に置いて用具選びは非常に重要だ。Aラバーだと打てていたボールがBラバーだと入らない、Cラバーだったら入るけど簡単に返されてしまう。しかしBラケットにCラバーの組み合わせなら強力なボールが打てるようになった。そんなことが簡単に起こりうるのでとても慎重に行うべき、用具選び。


 俺はそれをファッションだけで決める。これはメンタリズムではない、いや精神論という意味ではメンタルに関係がないわけでもないのか。ぶっちゃけ大会とかにも出てない一般下級愛好家なんてそんなもんでいい。 

 と言っても、性能やらなんやらを完全に無視しているわけではない。自分の話と専門的な内容になってしまい申し訳ないが、自己紹介がてら聞いていただきたい。シェークハンドのラケットを使っているのでフォア側とバック側で2枚のラバーを選ぶ必要があるのだが、フォア側は粘着ラバーの方がフィーリングが良いので、その中でも一番よく選ばれているものを選択する。バック側は弾みすぎないものが良いが、強打した時にスピードが欲しいので微粘着テンションラバーをチョイスした。どちらもトップ選手も使っているラバーなので正直自分の力量にはまるで合っていないと思うのだが、ファッションなのでお構いなし。ラケットに関しても同様、トップ層御用達のラケットだ。弾みが良くて扱いにくい面もあるのだが、ファッションなのでお構いなし。そんな自分の現在のギアがこちら。

 卓球人が見ればゴリゴリであることが見て取れると思うが、こいつに似合う実績は私にはない。オシャレで着ているだけだ。このラケットで卓球するのが好きなのだからしょうがない。サイドテープに関してはこだわりを持っている。ラケットの側面を保護する目的のものだが、貼り方にも様々な流派が存在する。ラバーごと覆う派、ラケットの部位だけに貼る派、よくぶつけるところにだけ貼る派。チキータというバックハンドのレシーブ技術があるが、ラケットの斜め上の箇所をよく損傷するので、その位置を保護する選手も増加傾向にある。そんな中で自分はラバーごと貼れる12mmサイズのサイドテープをあえてラケットサイズの6mmになるよう上下をカットして貼る派。我ながら変な癖だと思う。ファッションだからしょうがない。自己表現なのだ。

サイドテープ貼り方いろいろ。

 そう、ラケットは数少ない卓球人の自己表現の場なのである。絶対に両面粘着なんかよりもスピン系テンションの方がミスは減るしプレーも安定するだろう、だがそれがどうした。重めのアウター特殊素材よりもインナー系の軽い個体にした方が卓球やりやすいだろう、知ったことではない。わざわさ高価なハイエンドモデルでなくとも中級者向け程度のラバーでも十分なはずだ、関係ないね。ラケットは自己表現だ。使いたい用具を使うのも、プロ選手と同じ用具で揃えるのも、メーカー統一したりバラバラにしたりもすべて自由なのだ。人の言うことや不安なんかすべて取っ払って好きなように道具を選ぶことも楽しみ方の一つである、と長く卓球を辞めないでいる者の付き合い方のひとつとして提唱するものである。ちょっぴりコストがかかったりしても、好きなものを手に取ってパートナーとすることには、少し違った特別感を持てるはず。弾みすぎたり回転が思うようにかからなくなっても、それを補うように自分自身が成長すればいいのだ。ラケットの重量が変わることだってあるが、乗り越えていけばいい。

……ん?……重さ……?

 そういえばここまで言及してこなかった。ラケット単体の重量はだいたい75~90g前後で、材料の大半は木材なので、使用年数や乾燥具合などで結構簡単に変化する。手元の感覚というのは非常にデリケートなもので、普段振り回しているものが5gと変わるだけでも別物のように感じてしまうこともあるだろう。ラバーも同様にスポンジが厚い方が、硬度が高い方が、気泡が詰まっている方が重くなる傾向にある。製造段階の誤差で同種の同じ厚さのラバーでも微妙に重さが違ったりもする。ラケットの総重量は人にもよるだろうが、攻撃用シェークラケットの両面に裏ソフトラバーを貼ると大体170~190gくらいになるだろうか。ブレードの大きいラケットの両面に粘着ラバーを貼ろうものなら200gをゆうに超える。中国のトッププレーヤーなんかは大体そんな感じだろう。ラケットの総重量が重い方が強いボールを打てる、とされている。質量やエネルギー的な話になると思うが今回は割愛する。トッププレーヤーの真似をしようにも、重さについていけないと今度は思うように卓球ができなくなるかもしれない。それは困りものだ、気持ちよくないのは嫌だ。ラバーは消耗品なのだ、飾っておくのもなんとなく違うような気もするし、お勧めしたくもない。ラケットは実際に使ってこそだ。

 しかし、この問題は至極簡単に解決することができる。

終わりです。

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糀卓球放送局のアバター 糀卓球放送局 卓球動画投稿者

みなさまごきげんよう、卓球してますか?特定のラケットが好きすぎる男のアカウント。強めの思想をネットにばらまく。卓球歴は長いだけ。ファッションで用具を選ぶ卓球エアプ。Youtubeチャンネルもどうぞよしなに。

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