こんにちは、潤です!
今回は「J30」で大きな変化の一つでもある「J3クラブ・JFLクラブ入れ替え」制度で注目を浴びるJ3残留争いとして大切な一戦となった「Y.S.C.C.横浜」vs「ギラヴァンツ北九州」の試合を観てきましたのでその試合についてまとめたいと思います!
「J3クラブ・JFLクラブ入れ替え」
まず、前述の「J3クラブ・JFLクラブ入れ替え」制度とは何かと言いますと、今シーズンの成績によってJ3クラブとJFLクラブが入れ替わる制度のことです。
そのまんまですね笑
もう少し詳しく説明させて頂きますと、2014年のJ3誕生以降では初となる制度で2023シーズンJ3で20クラブ中19位もしくは20位(最下位)になるとJFLの最大2クラブと入れ替わる可能性がある制度になります。
※JFLにはプロ化(※Jリーグ入り)を目指していない企業クラブや、将来的には目指しているもののまだプロ化に必要なライセンスを持っていないため例え優勝してもJリーグ入りを果たせないクラブなどがいるため、必ず入れ替えが起こるわけではございません。
プロスポーツにはサッカー(Jリーグ)やバスケ(Bリーグ)のように1部、2部、3部など上位・下位リーグを分けて成績やライセンスによって昇降格があるものや、野球のようにリーグこそ2つ(セ・リーグ、パ・リーグ)あれどリーグに上下はなく(※交流戦でどちらが勝ち越しているかなどは取り扱ったりしますが)昇降格のような制度がないものもあります。
では今回の「J3クラブ・JFLクラブ入れ替え」制度はよくある昇降格と何が違うかと言いますと、「プロリーグから外れる」ということにあります。J1→J2への降格やJ2→J3への降格はあくまでJリーグ内での降格であって、仮に降格しても「プロ」であることに変わりません。
ですが、JリーグとJFLはそもそものリーグが異なり、JリーグからJFLは「降格」ではなく「入れ替わり」となるため、今シーズンJ3にて19位以下で終わってしまうと「J3会員資格喪失」と、「Jクラブではない」ことになってしまう可能性があります。
プロリーグから外れると?
もちろん、仮にJFLへの入れ代わりになったとしてもクラブがなくなるわけではないですし、JFLの舞台で試合の応援をすることは可能です。
ただ、私事ですが自分が過去にJFLからJリーグ参入を果たした時にJFLクラブで働き、翌年のJ参入1年目のフロントスタッフとして働いた時にその変化の大きさに四苦八苦していたのを覚えています。
※もうそのクラブは退職しておりますが…。
だからこそそれが逆にJクラブ→JFLとなると、「Jクラブ」として魅力に感じて頂いていたスポンサー・サプライヤー様やメディア露出、リーグからの分配金の減少、そして選手・コーチ陣はもちろん、「Jクラブ」としての運営を支えてきたフロントスタッフの人件費の維持が難しくなるなど、課題は生じてくる可能性は高いです(自分の働いていたクラブもJ参入時にフロントスタッフが倍近く増えました)。
だからこそ選手・スタッフの生活やクラブの経営としても”プロ”の舞台を守り抜く戦いとなるのはJ1、J2などと異なる熱さがある戦いになる事でしょう。
「YS横浜」vs「北九州」降格争いから抜け出すために
「Jリーグ」生き残りという新たなフェーズに入った「J30」の2023シーズン。
Y.S.C.C.横浜は2014年のJ3参入初年度から3シーズン連続、そしてギラヴァンツ北九州は2019年のJ3優勝前年となる2018年最下位(※最下位の翌年優勝も凄いですが…。)と共に過去にはJ3最下位を記録したことがあり、もしそれが今シーズンなら「プロリーグ」から脱退してしまっていたかもしれない両クラブの一戦。
開幕3連敗かつ7戦未勝利で第7節終了時点で唯一の未勝利クラブとして最下位スタートとなったY.S.C.C.横浜は、第8節の勝利を機にそこから無敗で何とか16位まで浮上し、その勢いを加速させたい一方でそのY.S.C.C.横浜に逆転を許すような形で最下位となってしまったギラヴァンツ北九州。
共に下位脱出に向け、負けられない一戦は27.4℃と夏も近づく気配の漂うデイゲームにも関わらず半袖に手袋スタイルのY.S.C.C.横浜の新エース #21 福田翔生選手を中心としたYS横浜ペースで進みます。
ですが、先制したのはなかなかチャンスを作れなかった北九州でした。33分、コーナーキックの流れから #29 高昇辰選手の華麗なオーバーヘッドシュートに #8 前川大河選手がヘディングで合わせ、 YS横浜GK 児玉潤選手の目の前で軌道が変わったボールは児玉選手にはノーチャンスのままゴールに吸い込まれます!
劣勢の中、アウェーでサインプレーから先制点を奪う理想的な流れとなった北九州でしたが、喜びも束の間。3分後の36分にゴール前での混戦の中、身体を張って何度もシュートブロックをするも最後は#3 藤原拓也選手に押し込まれ同点に追いつかれ、その後はお互いに決定機を作るまでは至らず前半を1-1で終了しました。
後半、最下位脱出のため負けられない北九州はJ2でも実績があり、昨シーズンはテゲバジャーロ宮崎で14得点をあげているキャプテン#10 岡田優希選手らを中心に攻勢を強めていきます。78分にはYS横浜のバックパスを狙っていた岡田選手がGKと一対一の場面を作り、85分には右サイドのスローインの流れから岡田選手が中央でフリーとなった#19 井野文太選手へ繋ぎ、井野選手もダイレクトで合わせるもそれぞれ得点には繋がりません。
一方、逆転勝利で5月無敗をキープし、勢いを持って6月に入りたいYS横浜も途中出場の#32 松村航希選手や#22 松井大輔選手が劣勢になりかけていたチームを落ち着かせ、90分にはファインセーブを連発していたGK児玉選手の完璧なロングフィードに抜け出した松村選手がペナルティエリアで倒されてPKを獲得します。
言わずとしれた元日本代表の松井大輔選手や、この試合でも90分間を通じて試合をコントロールし続けた経験豊富なベテラン#50 中里崇宏選手、そしてJ3での実績もあり今季も全試合に出場している#9 萱沼優聖選手などがいる中、昨シーズンまで得点をあげることができず、今シーズン心機一転Y.S.C.C.横浜へ移籍しブレイクを果たした期待の若手エース#21 福田翔生選手がPKキッカーを務めます。
J1での出場経験もある北九州GK #1 吉丸絢梓選手が守り、同点で迎えた後半アディショナルタイムのPK。21世紀生まれの22歳福田選手はそんな中でも冷静にGKの動きを見てGKの逆をつき、落ち着いてPKを沈めこの4試合で5得点目をあげ、量産体制に入るとともに後半アディショナルタイムでの逆転に成功します!
もちろん、喜びを爆発させつつも試合終了の笛はなっていない為、まだ勝利は確定していない中でのリスタート。一瞬勝利を確信し気が緩みそうな中でもリスタート直後から福田選手が全力のプレスで北九州のDFラインからのフィードをブロックするなど、最後まで集中したプレーをみせ、そのまま試合終了!
5月無敗のY.S.C.C.横浜が14位へ順位をあげて巻き返しへ前進する一方、ギラヴァンツ北九州は9戦未勝利で最下位脱出とはなりませんでした。
もちろん長丁場のリーグ戦はまだ1/3も終わっていない段階のため、まだまだ巻き返す可能性は十分にありますし、名将田坂和昭さんが率い、前述の岡田優希キャプテンが先頭に立つギラヴァンツ北九州の戦力は他クラブと比べても決して劣るものではありませんので、何とかきっかけを掴んで欲しいものです。
#3 藤原拓也選手コメント
(ゴールを決められたのは)たまたまです(笑)目の前にボールが転がってきたので足先で触ったら入りました。
5月に入って負けが無かったので、5月最後の試合、みんなで「5月負けなしでいこう!」と話して試合に臨んだので、それが勝ちに繋がったと思います。次も勝ちます!!
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