フランス・パリで開催されたテニスの四大大会「全仏オープン」車いす部門にて、上地結衣(三井住友銀行)が女子シングルスで5年ぶり5度目の優勝を果たし、ダブルスとあわせて単複2冠を達成した。左手のけがを乗り越え、通算グランドスラム10勝目を記録した上地の快進撃に注目が集まっている。
記事のポイント
・全仏オープン車いす女子シングルスで上地結衣が5年ぶり5度目の優勝
・女子ダブルスも制し、2025年大会で単複2冠を達成
・グランドスラム通算10勝目、今後はウィンブルドン制覇へ意欲
圧巻の強さで赤土再制覇
王者の貫禄、ファンクートを圧倒
6月7日に行われた全仏オープン車いす女子シングルス決勝で、世界ランク1位の上地結衣が同2位のアニーク・ファンクート(オランダ)を6-2、6-2で下し、5年ぶりのタイトル奪還に成功した。試合はわずか1時間10分。序盤からブレーク合戦の展開となるも、上地は要所を締めてリズムを掌握。ファンクートの9本に及ぶダブルフォルトにも助けられつつ、19本のウィナーを放つなど高い攻撃力を見せつけた。
上地は「終始リードできた試合」と自己評価する一方で、「彼女のスライスやパワーショットに押されないように集中した」と、決して油断のない姿勢を貫いた。
12年連続出場、苦難乗り越えた勝利
今回が13回目の出場となった全仏の舞台。昨年は準々決勝で敗退を喫し、さらに先月には左手のけがにも見舞われた。「出場すら危ぶまれた大会だった」と語る中での優勝は、喜びもひとしお。WOWOWの中継インタビューでは、「本当に出られるか分からなかったけど、今はとても嬉しい」と感極まった様子で語った。
ダブルスも逆転劇で制覇
コタツォ・モンジャニと息の合ったプレー
ダブルスでは南アフリカのコタツォ・モンジャニとペアを組み、第2シードの中国ペア・リー/ワン組と決勝で対戦。セットカウント1-1で迎えたマッチタイブレークでは、10-7と接戦を制し、2023年大会以来となるダブルス制覇を果たした。上地にとっては同大会3度目の単複2冠であり、通算グランドスラムタイトル数はシングルス10勝、ダブルス22勝で計32勝に伸びた。
パリの舞台で続く快進撃
ローラン・ギャロスは、上地が昨年パリ・パラリンピックで単複金メダルを獲得した舞台でもあり、「思い出の地」での再びの2冠達成となった。「けがを抱えながらもここに立てたことが奇跡に近い」とコメントし、スタッフやファンへの感謝も忘れなかった。
まとめ
7月に控えるウィンブルドン選手権を「今年最大の目標」と掲げる上地結衣。芝の舞台での初優勝、そしてキャリアグランドスラム達成に向け、順調な滑り出しを見せた2025年前半。鍛え抜かれたフィジカルと精神力、そして巧みなプレーで、世界の頂点に立ち続ける彼女の挑戦に今後も注目が集まる。
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