【スポーツクライミンング】ボルダー&リードワールドカップ2022いわて盛岡大会・女子注目選手を紹介! 

パリ五輪を見据えた、ボルダー&リードワールドカップが10月20日から22日にかけて岩手県盛岡市みたけの岩手県営運動公園スポーツクライミング競技場で開催されます。

J-sportsにて私、尾川が解説して観戦できますのでぜひ楽しみにご覧ください。

https://www.jsports.co.jp/climbing/

また女子決勝は10月22日土曜日15時から17時30分に行われ、
東京都渋谷区のRAYARD MIYASHITA PARKの2階吹き抜け広場にてパブリックビューイングも予定されています。

東京オリンピックでは、スピード、ボルダリング、リードの3種目複合で争そわれましたが、パリからスピード単種目とボルダリング、リードの2種目複合に分かれ、それぞれの種目に選ばれた選手が出場します。

盛岡の大会ではボルダリングとリードで競われ合算してポイントが高い順に順位がつけられます。

それでは、女子の注目選手を紹介していきましょう!

伊藤 ふたば

出身国:日本
生年月日:2002年4月25日生
身長:162cm
得意種目:ボルダリング
最近の主な成績:
2021年 ワールドカップ年間 8位
2019年 ワールドカップ年間 4位
2019年 ボルダリング世界選手権13位

東京五輪代表まであと一歩のところで逃してしまった悔しさを糧に、パリ五輪に向けて実力を積み上げている。ネコのように柔靭な脚力を武器にパワフルな課題もバランシーな課題もしっかりこなしていきます。
昨年から独り立ちをしたせいか、心身共にタフさが増し、登りが成熟してきている気がします。高校生からプロへ、その責任と地元岩手県の大きな期待を背負いながら、まずは初のワールドカップ表彰台を狙っていきます。“ほんわか”としたかわいらしいルックスから、元祖ボルダリングアイドルとしてファンも非常に多いです!

野中 生萌

出身国:日本
生年月日:1997年5月21日生
身長:163cm
得意種目:ボルダリング
最近の主な成績:
2021年 東京2022オリンピック競技大会 銀メダル
2021年 ボルダリングワールドカップ年間5位
2021年 スピードワールドカップ ソルトレイク 3位
2019年 ボルダリングワールドカップ年間15位

スピードワールドカップで3位と、日本人初のスピード種目で表彰台に立つ。「リードとボルダリングの二刀流」という分野から「スピードとボルダリングの二刀流」という新たな分野に挑み結果を残してきました。その弾力のある脚力とたくましい上腕から、ランジやコーデネーションのといったダイナミックかつアクロバティックな課題が出てきたら彼女の右に出るものはいません。
その大胆不敵な「登り」と攻めのヘアカラーはまさにスポーツクライミング界のレディーガガ!2度目のオリンピックに向けて彼女の勢いに目が離せない。

森 秋彩

出身国:日本
生年月日:2003年9月17日生
身長:154cm
得意種目:リード
最近の主な成績:
2019年 リードワールドカップ年間6位
2019年 リード世界選手権 3位

10代前半から世界を圧巻させる活躍を見せ、数々の実績を残してきた若手最強クライマー。先日行われたリードワールドカップでは3年ぶりの出場でありながら優勝を飾る。
どんな小さいホールドも、その指を食い込ませて握り潰してしまう驚異の保持力と、どこまでもホールドを握り続けられる恐るべき持久力。どんな極限な状態に陥っても冷静さを保ち、そのポーカーフェイスは他の選手に相当なプレッシャーを与えます。小回りをきかせ動きを迅速に処理、粘り強く登っていく能力はどの選手よりも長けている。ジャンプやランニングなどに伴うダイナミックな動きをもっと強化していきたい、という意気込みをもってパリ五輪代表入りを目指す。

ヤンヤ・ガンブレット

出身国:スロベニア
生年月日:1999年3月12日生
身長:164cm
得意種目:リード/ボルダリング
最近の主な成績:
2021年 東京2022オリンピック競技大会 金メダル
2021年 ボルダリングワールドカップ年間 2位
2021年 リードワールドカップ年間 1位
2019年 ボルダリングワールドカップ年間 1位
2019年 リードワールドカップ年間 2位
2019年 ボルダリング世界選手権 1位
2019年 リード世界選手権 1位

五輪においてスポーツクライミング初の金メダリストとして相応しい、まさに無敵の女王。男子のトップ選手と台頭に戦えるほどの実力の持ち主。彼女に登れない課題はないのでは?と思わせるその強さは、ボルダリング、リード双方においてワールドカップでも世界選手権でも優勝を飾ってしまう、他の追随を許さない実績でクライミング界に歴史に名を残すことになっりました。その登りは誰よりも美しく、無駄がなく、まるで大きな羽の生えたペガサスが壁を駆け上がっていくかのような軽やかで、しなやかさを感じる。今シーズンはワールドカップを休戦したものの、先日の復帰戦でボルダリング、リードとも圧巻の優勝を飾っている。心はすでに2個目の金メダルを目指して邁進している。

ブルック・ラバトゥ

出身国:アメリカ
生年月日:2001年4月9日生
身長:158cm
得意種目:リード/ボルダリング
最近の主な成績:
2021年 東京2022オリンピック競技大会 5位
2021年 ボルダリングワールドカップ年間4位
2021年 リードワールドカップ年間 17位
2021年 ボルダリング世界選手権 5位
2021年 リード世界選手権 5位

父親がリード世界選手権2位、母親がリードワールドカップ4度の優勝、兄もコンペには出場しないものの高難度クライマーという華麗なるクライマー一族に生まれ、2歳の頃から登り始めている。クライマー一家に生まれたからには強くならなければと、相当なプレッシャーを感じている中で結果を残し、五輪でも表彰台まであと一歩のところまで迫っていました。グロスマン選手(後述)とは両親の経営するキッズ教室からの良きライバルとして切磋琢磨してきました。身長の低さをカバーするために、幼い頃から岩場で鍛えられた、その細やかでバランシーな足づかいで、オリジナリティ溢れる小技を編み出す場面に注目。

ナタリア・グロスマン

出身国:アメリカ
生年月日:2001年6月22日生
身長:162cm
得意種目:リード/ボルダリング
最近の主な成績:
2021年 ボルダリングワールドカップ年間1位
2021年 リードワールドカップ年間2位
2021年 リード世界選手権2位
2021年 ボルダリング世界選手権1位

無敵の女王ガンブレット選手の最大のライバルへと急速に駆け上がってきたグロスマン選手。2021年からその実力をメキメキと開花させ、ガンブレット選手が休養中の間に、ボルダリングもリードでも不動の地位を確立しました。細身の体格から繰り出させる登りは、まるで壁に張り付いて離れない蛇のようでもあり、軽々、技を繰り出しながら跳ぶウサギのようでもある。ガンブレット選手とのパワーの差を感じるものの、そこは破壊的な考察力でカバーてきます。どういうことかというと。ホールドを配置して課題を作り上げるセッターの意図通りに攻略していくガンブレット選手に対して、その意図とはかけ離れた動きを見つけて自分の登りで完登まで持っていく。2人の戦いが今後どうなるかが最大の見どころである。

したか?どんな選手でどんな登りをするのか?ぜひ楽しみに応援しましょう!

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この記事を書いた人

プロクライマーの尾川とも子です。現在二児のママでありながら、トレーニングに励み、登り続けております。スポーツクライミングが東京2020オリンピック競技会に正式種目として追加されたことで、多くの方に競技を知っていただけるようになりました。かつて、世界大会やワールドカップ(ボルダリング)で日本人女性の選手は私しかおらず、 まだ世の中に「ボルダリング」という言葉も浸透していなかった時代を過ごし、そんな壁を乗り越えるべく、このスポーツの魅力を何とか皆さんに知ってもらいたい!と無我夢中で走り続けてきました。1978年4月14日に生まれ、 幼少から毛利衛さんに憧れ、宇宙飛行士を目指して早稲田大学理工学部応用物理学科に入学。日本で一番宇宙に近いところに行きたいと富士山を登ったことをきっかけに、登山と宇宙飛行士に通じるものを感じ取り、のめり込んでいきました。 大学在学時、より高難度の山に挑戦するためロッククライミングを始めたのがきっかけです。クライミングジムで練習時、国体山岳競技に誘われたのを機に本格的に競技の世界へ足を踏み入れることになりました。その後、命綱を使わないボルダリングに集中し、競技歴3年でアジアのトップに。 日本人女性初のプロフリークライマーとして、世界を転戦し数々の大会や高難度の岩に挑戦。1000種類の岩を登った主婦としてもメディアで取り上げられました。2008年4月には、日本人女性初の難度V12を達成。 2012年10月には世界で女性初となる難度V14を達成。2012年に世界で最も活躍したクライマーに贈られるGolden Piton賞、2014年にGolden Climbing Shoes賞を両賞とも日本人史上3人目、日本女性初の受賞。スポーツクライミング解説者、NHKのボルダリング講師を努め、「夢・挑戦の大切さ」や「クライミングから学ぶ危険回避の方法」を伝えるイベント・講演などで啓蒙活動を行う傍ら、 実際登ることできない方でも安全でゆるっとボルダリングの魅力が楽しめる『シートボルダリング』を開発。より多くの方にスポーツクライミング、ボルダリングの魅力を伝える取り組みを積極的に行っています。現在 1男1女の2児の母であり、ママさんクライマーとして、今なおトレーニングにも励んでいます。これからは、今まで培った経験を活かし クライミング・ボルダリングを通して、様様な方のお力添えになれるような活動、クライマー尾川とも子にしかできない活動をしていくことが夢です。スポーツクライミングの世界のさまざまな情報をわかりやすく皆様にお届けできればと思います。

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