10月に行われたボルダー&リード複合ワールドカップと11月12、13日に行われたボルダー&リードジャパンオープンで優勝した森秋彩選手。
今シーズン3年ぶりとなるリードワールドカップに復帰し、見事優勝。そこから複合種目まで優勝し、圧巻のパフォーマンスを見せた。
なぜそこまで森選手は強くなって復活したのか?その分析を尾川のYouTubeにて詳しく行っていますので、ぜひご覧ください。
また、両大会は東京オリンピックの時の複合種目のルールとは全く違い、新しいルールで実施されています。
このフォーマットが最終的にパリオリンピックで実施されるであろうととIFSC国際スポーツクライミング連盟の副会長小日向氏が公表しています。
そこでこの新しいルールを簡単に説明して、皆さんに少しでも楽しんで観戦していただこうと思います。
【3種目複合から2種目複合になった】
東京オリンピックでは、スピード・ボルダリング・リードの3種目複合でしたが、パリオリンピックでは、ボルダリング・リードの2種目複合なり、スピードは短種目で行われます。
【順位の掛け算からポイント制になった】
東京オリンピックでは、単種目の順位3つを掛けあわせ、数字が低い選手が上位となるルールでしたが、新ルールは、よりパフォーマンスを重視した下記のポイント制になりました。
【ボルダリング 最大100ポイント】+【リード 最大100ポイント】=【最大200ポイント】
ボルダリングでは1つしかなかったゾーン(ボーナス点)が2つに増え、最初のゾーン獲得で5ポイント、2つ目のゾーン獲得で合計10ポイント、1完登で合計25ポイントの全4課題に挑みます。トライ数に応じて0.1ポイント減点されていく方式です。ゾーンのポイントはあくまで通過ポイントであって1課題25ポイントに加算されることはありません。
リードはトップホールドから10手まで1手につき4ポイント、それより下10手は3ポイント、さらにその下10手は2ポイント、さらに下10手1ポイントが加算されます。トップに近づけば加算されるポイントが大きくなります。同高度で有効な保持が認められて+判定になった場合、0.1ポイント加算。40手目より下部はどれだけ登っても0ポイントです。
極端な話、あまり登れた課題数が少なかったり、高く登れなくても単種目の順位さえよければ何とかなった東京オリンピックのルールと変わって、単純な登ることの力量が順位に大きく反映されるルールとなりました。
総合力が要求される上、オリンピックに向けたこの新ルールをいかにものにし、戦略的にこなすかが勝負の分かれ目となるのは、間違いない!
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