【スポーツクライミング】パリオリンピック日本選手出揃う!

パリ五輪予選シリーズの全2戦が終わり、ボルダー&リード男女各20人、スピード男女各14人の五輪出場予定選手が出揃った。スピードの日本人出場は逃したものの、ボルダー&リードでは女子の残り1枠をかけて、野中生萌と伊藤ふたばが決戦。野中が構成成績2位でフィニッシュ、見事、2回目の五輪の切符を手にした。

ボルダー&リード日本人選手

【男子】

安楽宙斗

新進気鋭の天才モンスターが現れた!全世界に衝撃が走った2023年。昨年ワールドカップにデビューした安楽選手は、試合ごとに才能が覚醒していき、私たちはその天才ぶりを目の当たりにすることとなった。見事な体の切り返しと連動、特にスローパーでは圧倒的な手のひらの保持力を武器だ。ボルダーの初戦から5位という好成績を収めたものの、次戦では予選落ち。しかしそこからコツを掴んだかのように一気に頭角を現し、終盤戦はボルダーとリードの両方で初優勝を果たした。まるで少年漫画の主人公のような圧倒的な試合展開で、史上初の同年ボルダーとリード両年間チャンピオンとなる偉業を成しとげた。シーズン始めにはオリンピックは少々遠い夢だと語っていた安楽選手も、このシーズン中に現実となりつつあることを自覚し始め、成長が止まらない一年となった。しかし、オリンピック内定のかかった世界選手権では、優勝候補でありながら圧に負けてしまった場面も見受けられた。経験値の浅さが露呈した感じだったが、次のアジア大陸予選大会では圧巻の優勝!パリオリンピックへの切符を掴みとると、一気に金メダル候補に躍り出た。今シーズンに入り、ワールドカップではボルダーで2位と優勝、リードでも3位表彰台に上がるなど安定した成績を残している。昨年よりもさらに冷静なオブザベーションと、制限時間の使い方が格段に熟練され、試合を経験するたびさらなる進化をとげている。17歳の最年少金メダリストに大いなる期待がかかる。

楢﨑智亜

スポーツクライミング界のスターでありレジェンドである彼は、圧倒的なスピードとダイナミックかつフィジカルな登りで観客を魅了させる。2023年昨シーズン、ボルダーのワールドカップではソルトレイクシティ大会で優勝したものの、決勝に進出できなかった大会も数回あり、安楽選手をはじめとする若手選手に少し押され気味な結果に。しかし、パリオリンピック内定がかかる世界選手権では、最後の最後に根性の登りを見せ、滑り込みで3位に入り表彰台に立った。観ているこちらも涙、涙の内定が決まり、ベテランの意地を見せつけた。そして今シーズンに入るとボルダーワールドカップ第一戦でいきなりの優勝し、オリンピックに向けていいイメージで練習も楽しくなると意気込む。金メダル候補でありながら4位に終わった東京オリンピックの雪辱を晴らし、次こそ金メダルを持ち帰えるために3年越しのストーリーが始まった。

【女子】

森秋彩

他の選手と比べてもダントツに背の低い森選手。それが故に届かないホールドも多々ある中、指を食い込ませて握り倒してしまう驚異の保持力と粘り強く恐るべき持久力で登り切ってしまう。身長差が影響に出やすく苦戦を強いられていたボルダーのワールドカップで初の決勝進出を2度果たすなど、昨シーズンはかなり収穫が得られる結果となった。その波に乗り世界選手権ボルダー&リードでも3位に。早々にパリオリンピックに内定し、あとは得意のリードで1位を死守し、どれだけガンブレット選手を引き離すことができるか?がメダルにかかっている。

野中生萌

昨シーズンは青色をベースに染めたヘアカラーで試合に挑んだ。発達した上半身、そして大きくジャンプする動きなど非常に力強く攻略していくパワー系。昨シーズンは得意のボルダーでワールドカップ優勝、リードのワールドカップでも決勝に進出したりと、本人的にもまずまずの結果に。しかしパリオリンピックの内定が決まる世界選手権とアジア大陸予選大会では、本人は力を出し切っているものの、波に乗った他の選手に最後抜かれてしまうと言うような場面があり、パリオリンピックへの切符を手にすることができなかった。しかし、それをバネに、先日のオリンピック予選では、パワーアップした野中の姿が!力強い野中らしい登りができ、見事2度目のオリンピックへ勢いをつける!

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この記事を書いた人

プロクライマーの尾川とも子です。現在二児のママでありながら、トレーニングに励み、登り続けております。スポーツクライミングが東京2020オリンピック競技会に正式種目として追加されたことで、多くの方に競技を知っていただけるようになりました。かつて、世界大会やワールドカップ(ボルダリング)で日本人女性の選手は私しかおらず、 まだ世の中に「ボルダリング」という言葉も浸透していなかった時代を過ごし、そんな壁を乗り越えるべく、このスポーツの魅力を何とか皆さんに知ってもらいたい!と無我夢中で走り続けてきました。1978年4月14日に生まれ、 幼少から毛利衛さんに憧れ、宇宙飛行士を目指して早稲田大学理工学部応用物理学科に入学。日本で一番宇宙に近いところに行きたいと富士山を登ったことをきっかけに、登山と宇宙飛行士に通じるものを感じ取り、のめり込んでいきました。 大学在学時、より高難度の山に挑戦するためロッククライミングを始めたのがきっかけです。クライミングジムで練習時、国体山岳競技に誘われたのを機に本格的に競技の世界へ足を踏み入れることになりました。その後、命綱を使わないボルダリングに集中し、競技歴3年でアジアのトップに。 日本人女性初のプロフリークライマーとして、世界を転戦し数々の大会や高難度の岩に挑戦。1000種類の岩を登った主婦としてもメディアで取り上げられました。2008年4月には、日本人女性初の難度V12を達成。 2012年10月には世界で女性初となる難度V14を達成。2012年に世界で最も活躍したクライマーに贈られるGolden Piton賞、2014年にGolden Climbing Shoes賞を両賞とも日本人史上3人目、日本女性初の受賞。スポーツクライミング解説者、NHKのボルダリング講師を努め、「夢・挑戦の大切さ」や「クライミングから学ぶ危険回避の方法」を伝えるイベント・講演などで啓蒙活動を行う傍ら、 実際登ることできない方でも安全でゆるっとボルダリングの魅力が楽しめる『シートボルダリング』を開発。より多くの方にスポーツクライミング、ボルダリングの魅力を伝える取り組みを積極的に行っています。現在 1男1女の2児の母であり、ママさんクライマーとして、今なおトレーニングにも励んでいます。これからは、今まで培った経験を活かし クライミング・ボルダリングを通して、様様な方のお力添えになれるような活動、クライマー尾川とも子にしかできない活動をしていくことが夢です。スポーツクライミングの世界のさまざまな情報をわかりやすく皆様にお届けできればと思います。

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