【塩原恒夫】日本時間”深夜プラスF”〜F1カタール&アメリカGP

目次

大混乱と王様

鈴鹿のあと1週開いて、カナダ以来久しぶりに連戦のない単独での中東開催カタールGPです。とはいえ、今季4度目スプリント・ウィークエンドは、初日から強風に砂が舞うコンディションでの予選となりました。

フェルスタッペン余裕で通算30回目ポールポジション、ラッセルがフロントロウ。2列目ハミルトンとアロンソ。ルクレール、ピアストリ、ガスリー、オコン、ボッタス、ノリスTOP10、Q3進出に1000分の4秒差だった角田11番手、サインツ・ペレスは、12・13番手でした。

翌日のスプリント・デーは、シュートアウトTOPのピアストリが、19周レースも1位でチェッカー!フェルスタッペンは2位フィニッシュで、土曜日のチャンピオン決定=3連覇達成となりました。ノリス3位、ラッセル、ハミルトン、サインツ、アルボン、アロンソまでの上位8人が入賞。角田は11位でした。

ただ、初日からのトラックリミット違反多発に加えて、縁石によるタイヤ破損のリスクがあるとしてコースを改修。特別に10分間のフリー走行がスプリント・シュートアウトの前に設けられ、混乱の火付に…

そして迎えた日曜日・決勝は、最大18周のタイヤ使用制限となり、57周レース3ストップマストとなりました。ペレスがパワーユニット交換でピットスタート、サインツは燃料システム・トラブルで欠場となっています。

ナイトレースとはいえ、気温32度・路面温度37度。各スティント周回制限での全力走が強いられる戦いは、スタート直後のメルセデス同士討ちで、まさにサバイバルの幕開けです。ミディアム多数派の中で、有利な奇数列からソフトで一気に前を狙ったハミルトンが、ラッセルと接触ー先頭フェルスタッペン、2位ピアストリ、3位アロンソ、ルクレール、オコンと続いて、角田8位です。ハミルトンはリタイヤ、ラッセルはピットインからコースに復帰。セーフティカー導入中、3周目にタイヤ交換に動くチームは、ボッタスなどこの後2回で何とかなる計算です。以降は、10周過ぎから18周、20周過ぎから35周、そして39周過ぎとピットストップに縛られた展開。週末体調不良のままのぞんだサージェントがリタイアという厳しい状況の中でも、フェルスタッペンはグランドスラムで今季17戦14勝、通算49勝目で自らの年間タイトル決定を祝いました。2位ピアストリでドライバー・オブ・ザ・デー!10位スタート、ノリス意地の3位表彰台で、マクラーレンは鈴鹿に続く2-3フィニッシュです。怒りのラッセル4位カムバック、ルクレール、アロンソ、オコン、ボッタス・ジョウ8-9位でアルファロメオW入賞、ペレスTOP10、角田はロングラン不発で15位に終わっています。

チャンスの国、夢のあと

タイトル決まって、ラスト5戦。来季に希望をつなぐアメリカ、オースティンでのスプリント・フォーマット開催です。金曜日の予選では、ホームGPサージェントが最後尾、アロンソQ1敗退、復帰リカルド15番手、角田は1000分の18秒差でQ3逃す11番手、フェルスタッペンはトラックリミット違反タイム抹消から6番手止まり。PPはルクレールで通算21回目、ノリス2番手、3番手ハミルトン、サインツ、ラッセルTOP5です。

アメリカでは初となるスプリント・デー。シュートアウトでは、フェルスタッペンが意地のPP、ルクレール2番手、ハミルトン、ノリス、ピアストリ、サインツ、ペレス、ラッセルの順番。角田は不完全燃焼19番手からとなりました。

土曜日の19周レースは、スタート直後1コーナーでの最前列攻防戦をフェルスタッペンが制しトップをキープ。逆転狙ったルクレールは、ハミルトンに抜かれ3位に後退。唯一ソフトタイヤを選択したサインツは、一時順位をあげますが、結果変わらず6位。4位ノリス、ペレス5位、7位ガスリー、8位ラッセル。角田は、5つポジションを上げて14位でした。

日曜午後2時の決戦、アストンマーティンとハースの計4台がピッレーン発進。アメリカン=サージェント16番グリッドに繰り上がり、スタートを迎えました。”COTA”1コーナー、トップ・オブ・ザ・ヒル注目の攻防は、ポールのルクレールをノリスがかわしてリーダーに。同じくマクラーレンのピアストリは、10番手から4つポジション上げて6位。フェルスタッペンは5位です。

序盤は各周で上位陣の順位が変わる展開。ノリス、ハミルトン、ルクレール、フェルスタッペン、サインツがTOP5、ピアストリとオコン接触で、ダメージを負ったオコン、トラブルのピアストリが次々リタイヤとなり、角田9位に浮上です。16周終わりでフェルスタッペンがタイヤ交換をすると、ライバル勢は自身の1ストップ作戦も視野に入れたラップを重ねますが、56周レースのちょうど半分・28周目にフルスタッペンがノリスをとらえ先頭に立ちました。

結果2ストップの後半は、ノリス vs ハミルトンの2位争い。50周を前にして、ハミルトンが2位に。入賞圏内で角田は、アストンマーティンとのバトルを演じています。アロンソ、ストロールに抜かれて角田11番手…ここまでか、とその時、アロンソにトラブル発生〜角田10位です!最終周角田はソフトタイヤに履き替え、ファステスト・ラップを獲得しました!!日本人、中嶋悟・小林可夢偉に次ぐ日本人3人目の快挙です!!!優勝はフェルスタッペン、アメリカGP3年連続優勝。今季15勝目、通算50勝の区切りとなりました。

ところが表彰式から数時間後、2位ハミルトン、ポールから1ストップで6位に終わったルクレールの二人が、フロアのプランクが薄くなりすぎていたことが判明し失格処分に。最終結果は、2位ノリス、3位サインツ、ペレス、ラッセル、ガスリー、ストロール、8位角田は5ポイント獲得、アルボン、サージェントは母国で10位初入賞となりました。

日本時間の深夜に響くエキゾースト・ノート、アメリカ大陸3連戦は、メキシコシティ〜サンパウロへと続きます。

フジテレビNEXT・F1

ウルスポをフォローしよう

この記事をシェア
top
目次
閉じる