前回から始まりました埼玉県の春季県大会展望、第2回は花咲徳栄編です。
なお、第1回の浦和学院編はこちらから
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第1回 浦和学院編
浦和学院のライバル・花咲徳栄
「STOP THE 浦和学院」その一番手に挙げられるのは、今大会も対抗馬に挙がる埼玉の2強の一角、ここ10年ほど浦和学院と常に覇権を争ってきた、ライバル・花咲徳栄である。
ただし、今年のチームは例年とは少し様相は違う。昨夏旧チームが5回戦で敗れ6連覇を逃したことにより、これまで必ず一人はいた、いわゆる「甲子園組」が今年の代は一人もいない。それが大舞台でどういう影響を及ぼすか経験のないチームであるだけにその点は未知数だ。不安材料ではある。
ただし、この高校には埼玉県で唯一の夏の甲子園優勝監督である百戦錬磨の岩井監督がいる。昨夏はうまくいかなかったが、例年夏へ向けてのピーキングのうまい監督として定評がある。当然何らかの手は打ってくるであろう。余談だが、岩井監督の御子息が今年度父のいる花咲徳栄に入学した。近い将来父子鷹が見られるのかその点にも注目したい。
戦力分析〜花咲徳栄 投手編
まずは投手陣だが、旧チームではMAX140km越えの投手7人を擁し、プロ注目と言われる選手が何人もいる大型チームであったが、今年は現状MAX140km越えは旧チームでも登板経験のあったエースの金子のみ。そこに続くのは左腕の熊倉か。新人戦で昌平相手に打ち込まれ、その後急遽サイドスローへフォーム改造した。まさに突貫であったが、昨秋の東海大相模戦ではまずまずの投球を見せ自信を深めたのではなかろうか。さらに、鈴木と2年生左腕の飯島もいる。熊倉・鈴木・飯島の3人は現状で横一線であろう。今大会で金子に続く投手の目処を立てたい。
浦和学院が相手ということを考えると、本来であればオーソドックスな右腕であるエース金子の登板は避けたい。だが、今年は他の投手もやや心許ないだけに夏もし対戦することとなれば最後は金子で行くしかないであろう。岩井監督は順位決めとなる決勝戦で手の内は見せないタイプだ。昨秋もそうであったように今春もし決勝で再戦することになったとしても、球筋を見せたくないこともあり金子は出さないであろう。
戦力分析〜花咲徳栄 打撃編と今後の課題
打線は、旧チームとみてもさほど遜色ない。いや、正式に言うと夏までにさほど遜色ない所まで仕上げてくるであろう。昨秋の県大会準決勝の聖望学園戦では初回に一挙10得点を奪えば、関東大会の東海大相模戦では初回に5点を失いながら、すぐに2回、3回で1点差まで追い上げるなど破壊力は備わっている。1番・山田、3番・藤田、4番・前田と並ぶ上位打線は強力。さらに5番には「未来のミスター徳栄候補」と岩井監督の期待も大きい2年生の増田が座る。
春季大会に関して言うと、花咲徳栄・岩井監督は例年縛りを設けて大会に挑む。「ノーバント」戦法を取り、バントに逃げずとにかくチャンスで打って返すしかない状況に打者を追い込み、その中でいかに打者が打ち続け勝ち上がるかというテーマを設ける。それにより、夏までに打線全体のレベルアップを狙うというのが岩井監督の通年の流れだ。
むしろ問題は大事なところで出るエラーだ。浦和学院戦や東海大相模戦など少し劣勢になった時に守備面での不安が顔を覗かせる。当然冬場に鍛え上げてきているはずだが、一抹の不安は残ったままだ。
奇しくも昨日春季埼玉県大会の組み合わせが発表になった。
引用元:(一財)埼玉県高校野球連盟
花咲徳栄のブロックは昨夏敗れた山村学園や川越東、埼玉栄など強敵が潜むブロックとなったが、何にせよ、浦和学院のライバルが花咲徳栄であることに疑いの余地はない。彼らの今後の伸びに注視していきたい。
次回は聖望学園、上尾などについて触れていきたい。
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