どうも、レインです。
先日オランダのメディアが発表した2023年のF1カレンダーが波紋を呼んでいます。
公式発表ではなく、あくまで「予想記事」ではありますが、F1ファンにはおなじみのスパ・フランコルシャンで開催されるベルギーGP、そして2018年からポールリカールで復活したフランスGPと、ヨーロッパラウンドの2箇所がカレンダー落ちすると予想されているのです。
今年の序盤には伝統のモナコGPも開催終了の危機と報じられましたが、
なぜいま歴史と伝統のあるグランプリが開催終了の危機に瀕しているのでしょうか?
伝統のモナコGP、ベルギーGPが契約終了を機に廃止の危機
昨年から伝統のモナコGP、ベルギーGPが開催終了の危機にあるという記事を目にすることが多くなってきました。
F1グランプリの場合、各グランプリを開催する主催者がF1の商業権を管理するリバティ・メディアに開催権料を支払うことになっています。
開催契約は複数年契約となることが多く、現状モナコGP、ベルギーGP共に2022年で契約が切れることになっています。
ここ最近の開催終了報道は、来年以降の開催契約が未だに更新されていないことから開催契約交渉が難航していると予想、または情報を得ているメディアによるものだと思われます。
ちなみに、他に2022年に開催契約が切れることになっているのがオランダメディアがベルギーGPとともにカレンダーから外れると報じているフランスGPです。
ちなみにこれらの報道から、
「鈴鹿は大丈夫?」
と日本GPのカレンダー落ちを心配する声も上がっていますが、鈴鹿の日本GPは開催契約が2023年まで残っているので、来年はほぼ確実に開催されるでしょう。
各グランプリの開催契約状況は下記のようになっています。
伝統か利益か…開催地側とF1側の駆け引き…
伝統のグランプリサーキットが契約更新のたびに開催が危ぶまれる背景として、F1の開催実績がある開催地に対する「優遇措置」が挙げられます。
新規でF1を開催するグランプリに比べ、古くからグランプリを開催するサーキットは開催権料が優遇され、割安になっています。
参考までに、1950年から(GP自体は1929年から)F1を開催しているモナコGPは約10億円、1987年から開催している鈴鹿サーキットでの日本GPは約20~30億円、昨年初開催されたサウジアラビアGPは約70億円以上の開催権料を支払っていると言われており、開催実績によって金額にかなりの開きがあることがわかります。
開催地 | 初開催年 | 推定開催権料 |
モナコGP モンテカルロ市街地コース | 1950年 | 約10億円 |
日本GP 鈴鹿サーキット | 1987年 | 約20〜30億円 |
サウジアラビアGP ジェッダ市街地コース | 2021年 | 約70億円〜 |
近年、前述のサウジアラビアやF1人気の高まりつつあるアメリカなど、高額な開催権料を支払ってでもF1の開催を希望する主催者が増えたことから、リバティ・メディア側もそれを引き合いにして開催権料の安い開催地に対し、開催権料の値上げを迫っているのではないかと思われます。
現在のF1は全23戦(今シーズンはロシアGPの中止により22戦)の超過密日程で行われており、これ以上年間開催数を増やすことはないと言われていますが、ニューヨーク市街地や2014年までF1を開催していた韓国など、新たに開催が噂される候補地はチラホラ見受けられる状況です。
新規のグランプリを増やすためには、既存の開催地を一つなくさなければならないため、今後も鈴鹿を含む実績のあるF1開催地の契約更新は難航するだろうと私は見ています。
興行である以上、ある程度は仕方ないものだとおもいますが、伝統のグランプリの廃止は多くのF1ファンから反発を食らってしまう事は必至。
ベルギーGPについてはベルギー政府が支援に乗り出すと報じられていますが伝統のGPは果たして守られるのか。
長い歴史を持つF1という巨大コンテンツを扱うことになったリバティ・メディアが、このあたりのバランスをどのように取っていくのか、今後も注目したいと思います。
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