【地域サッカーマニア・齊藤晃】東北リーグ開幕!盛岡ゼブラはどうなった?

 みなさんこんにちは!岩手県盛岡市で社会人チーム「盛岡ゼブラ」のサポーターをしています、齊藤晃です。

2023/4/30 岩手県営運動公園第1グラウンド 選手入場

 桜前線が4月のうちに過ぎ去ってしまった東北地方ですが、今年は東北社会人サッカーリーグの開幕もGWの幕開けとともにやってきました。1部リーグ(T1)は今年もコバルトーレ女川、ブランデュー弘前の「2強」が予想される中、実は岩手県にホームを持つチームが10チーム中5チームあるんです。

 我らが岩手の名門・盛岡ゼブラ、その永遠のライバル・日本製鉄釜石、いわてグルージャ盛岡から分離独立して15年のFCガンジュ岩手、東北大学サッカー界ナンバー2・富士大学のセカンドチームである富士クラブ2003、そして今年から1部に昇格した奥州ユナイテッドFCの5チーム。その中でゼブラは開幕戦で奥州と対戦しました。

目次

試合に先立ちまして…

 まずは対戦相手の奥州ユナイテッドFCについてご紹介しましょう。このクラブ、実は盛岡ゼブラより1年早い1956年に設立された「水沢クラブ」が前身です。長らく岩手県社会人サッカーリーグの強豪として君臨してきましたが、2004年に岩手県1部優勝後、北東北3県チャレンジマッチを制し(この年の青森県王者が後のヴァンラーレ八戸の母体となる南郷FCでした)東北リーグ2部北に昇格。以来東北2部北から降格せずに17年、昨年遂に東北2部北王者となり、今年から1部で戦います。その17年の中で岩手県初のユースサッカークラブである「水沢ユナイテッドFC」の選手を取り込んだこともありましたし、女子サッカーの「奥州ユナイテッドプリンセス」、フットサルの「奥州ユナイテッドオルカ」も岩手県内に覇を唱える強豪として知られています。

 そんな奥州ユナイテッドを迎え撃つ盛岡ゼブラ、スターティングメンバーは以下のようになっています。

 GK 熊谷蘭丸

 DF 藤村健友 岡田祐政 中村 勝 上山愛史

 MF 益子義浩 林 勇介 谷村憲一 森川龍誠

 FW 加藤浩史 根子裕将

 Sub 山澤正憲(GK) 上田有聖 國井絢斗 石川泰樹 岡村 学 山谷紘大

いよいよキックオフ!

2023/4/30 岩手県営運動公園第1グラウンドにて

 4月30日午前10時30分、雨が降るか降らないかの天気の中、2023東北社会人サッカーリーグのキックオフです!

 試合はゼブラのキックオフで始まりましたが、立ち上がりは奥州ペース。右からのクロスにFW新田拓矢(江南義塾盛岡高~富士大/富士クラブ2003~FCガンジュ岩手)が頭で合わせます。これはバーに当たって跳ね返り、さらにシュートを放ちますが枠外へ飛びます。しかし直後の6分、今度は中央突破からチャンスを作り、最後は藤原直哉が押し込んで奥州が先制しました。

 1点を追うゼブラもFWに陣取った根子裕将(ねこ・ひろのぶ,今シーズン大宮クラブから移籍)がいい動きを見せます。特に奥州のCKからゼブラ森川のカウンターの場面、根子につながればチャンスでしたが残念ながらオフサイド。それからキャプテンのMF谷村はサイドにポジションを取り、アーリークロスを前線に送る役回りでしたが、前半途中から得意のドリブルで見せ場を作ります。しかし詰めが甘くシュートまで行けませんでした。

ビハインドからの逆襲は?

 前半を1点ビハインドで折り返したゼブラ、後半も奥州の攻めに苦戦します。奥州の選手兼任監督であるMF石母田弘の鋭いクロス、FKからのMF今松諒太の攻めがあり、中押しで次の1点を取りに行きますが、GK熊谷やゼブラの選手兼任監督DF岡田ら4バックが何とか踏ん張り失点を許しません。

 そして56分、ゼブラは根子を下げてFW山谷を投入。空中戦で競り負けないようにという意図でしょうか?その答えが出るのは後の話ですが、この後ゼブラに少ないチャンスが生まれました。バイタルエリアからのボールを谷村がペナルティエリアまでドリブルで持ち込みました。そこに奥州GK根本一平が詰め寄りました。この時PKかGK(ここではゴールキック)かで揉めました。

 ゼブラは64分に森川を下げてMF石川泰樹(彼も大宮クラブから移籍、以前はグルージャ盛岡の選手でした)、73分には加藤と中村を下げて若いDF上田有聖(盛岡商業高~札幌大新卒、2016岩手国体少年男子メンバー)とDF國井絢斗(岩手大卒2年目)を投入。ここからゼブラの反撃が始まります。

 残り10分となったところでゼブラはCKのチャンス。一旦中でクリアされたボールを拾いますが、クロスは根本に取られました。その後奥州も速攻でゼブラゴールに襲いかかりますが、熊谷が出て阻止します。それからゼブラは上田のパスに山谷が出ますが、またしても根本。なかなかその壁を崩せませんでしたが、81分に奥州がDF田村昭太に代わりFW朝日田慎吾を投入したことで状況が変わりました。

 83分、DFが1枚減った奥州の隙を突いて谷村のドリブル突破からクロスが上がりました。そしてゴール前にいた山谷がヘディングで同点ゴールを叩き出しました。この瞬間私も今までのイライラが消え去った感じです。

2023/4/30 岩手県営運動公園第1グラウンドにて

 その後一進一退の攻防となりましたが勝ち越しゴールは生まれず、1-1のドローとなりました。

戦い済んで…~齊藤晃のアフターインプレッション

 はっきり言いますと勝たなきゃいけない試合で勝てませんでした。が、早くに1点を先制されたあと後半残り10分を切ったところで同点に追いついたのはホームの意地と応援のおかげだったと思います。

 何より今シーズン初ゴールは谷村のドリブルからの山谷のヘッドという両選手の「十八番」でつかみ取ったもの。得意技を磨いてこれから半年近いシーズンを乗り切りましょう!

2023/4/30 岩手県営運動公園第1グラウンドにて 試合後

 この試合では新加入の若い根子、上田の両選手も頑張りました。根子は2つオフサイドになったのですが、前を向く動きは好感が持てました。上田も80分に山谷のシュートのアシスト役でアピール。しかしもう少し若い選手が欲しいところですね…(スタメンの大半が今から10年前後のグルージャの選手ばっかり、という声も聞こえました)

エトセトラ~T1開幕戦・その他の試合

 これ以外のT1の試合結果は以下の通りです。

 ブランデュー弘前 2-0 日本製鉄釜石

 コバルトーレ女川 3-0 FC LA.U仙台

 一目千本桜FC 0-1 FCガンジュ岩手

 七ヶ浜クラブ 1-0 富士クラブ2003

 「2強」弘前と女川は無失点で順調なスタート。一方仙台大学勢の一目千本桜FC(旧:FC仙台University)とLA.U仙台は共に敗戦…戦力が割れた上に去年のFC仙台の戦力が半数(昨年度私が選んだT1ベストイレブンに選定されたFW福田、MF須藤ら)学連トップチームに行った影響もあると見ています。

 そして岩手県勢で唯一勝利したガンジュは大卒新人の八重樫翔太(花巻東高~国士舘大)と門脇岳人(専大北上高~仙台大/FC仙台,2016岩手国体少年男子メンバー)に注目です。

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この記事を書いた人

齊藤晃のアバター 齊藤晃 「月曜から夜ふかし」出演 盛岡ゼブラサポーター

1979年3月11日 岩手県盛岡市生まれ
高校時代より東北社会人サッカーの盛岡ゼブラサポーター。
2018年にテレビ「月曜から夜ふかし」に出演したが、それ以前から地元メディアに寄稿、出演している。

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