皆様いかがお過ごしでしょうか?岩手県内も桜が開花し始めましたが、東北社会人サッカーリーグの日程もついに発表されました。
今年はコロナ禍の影響を受けた過去2年のこともあってか、まずは11節の総当たり戦で5月15日(Jリーグ記念日ですね)から7月31日(富士クラブ2003-FCプリメーロ戦は翌週、8月7日です)に開催されます。
ところで、日本代表やJリーグのことは見ている人でも意外に自分たちの地元のサッカークラブを知らない人も多いのではないかと思います。そこで今回はそんな人のために東北社会人サッカーリーグを通じて全国のサッカーファンに地域社会人サッカーのことを語ってみます。
東北社会人サッカーリーグについて
東北社会人サッカーリーグは全国で9地域ある「地域社会人サッカーリーグ」のひとつです。
発足は1977年(昭和52年)で、当時は盛岡ゼブラ、新日鉄釜石(現・日本製鉄釜石)をはじめ5チームによる2回戦総当たりの8試合でした。やがて1979年(昭和54年)の第3回から8チームに参加チームが増え、1997年(平成9年)には2部リーグ(北と南で分割開催)も作られるように。さらに2013年(平成25年)からは参加チームが1部・2部共に10チームとなり計30チームが参加する大所帯になりました。
ただでさえ県土の広い岩手県や福島県、秋田県などあって、チームの移動も早朝出発、夜中に戻るといったケースがあります。そんな厳しい条件がハングリーさを生むのか、2010年代には東北社会人サッカーリーグから幾多のチームが全国区へ羽ばたいていきました。以下に古い順で紹介しましょう。
- 福島ユナイテッドFC(2012 東北社会人リーグ優勝⇒全国社会人選手権・地域決勝大会共に準優勝⇒JFL昇格⇒2014 J3参入)
- (いわて)グルージャ盛岡(2013 東北社会人リーグ優勝⇒全国社会人選手権準優勝・地域決勝大会優勝⇒J3飛び級昇格⇒2022 J2昇格)
- ヴァンラーレ八戸(2013 東北社会人リーグ準優勝⇒JFL参入⇒2019 J3昇格)
- ラインメール青森(2015 東北社会人リーグ準優勝⇒全国社会人選手権4位・地域決勝大会優勝⇒JFL昇格)
- コバルトーレ女川(2017 東北社会人リーグ優勝⇒地域チャンピオンズリーグ優勝⇒JFL昇格するも1年で降格)
- いわきFC(2019 東北社会人リーグ優勝⇒地域チャンピオンズリーグ優勝⇒JFL昇格⇒2022 J3昇格)
興味深いのは、2013年のグルージャ以降地域チャンピオンズリーグにおいて下一桁が奇数の年に東北のチームが優勝したことです。先輩であるJ2のベガルタ仙台(1994 地域決勝大会優勝)、モンテディオ山形(1993 地域決勝大会準優勝⇒JFL昇格)、ブラウブリッツ秋田(2006 地域決勝大会優勝)やJFLのソニー仙台FC(1997 地域決勝大会優勝)に負けず劣らず、いや、それ以上に過酷な戦いを勝ち抜いてきたことは東北のサッカーファンの誇りです。
社会人サッカーの魅力って?
ここからは東北に限らないと思いますが、社会人サッカーの「ここがすごい!」というところを紹介したいと思います。
まずは基本的に入場無料で見られるというところ。さらに言えば近所の芝生で試合をしてるかもしれませんね。その距離の近さが街クラブの良さだと思います。もっともそれが上を目指そうとして数多の街クラブがJリーグに行きましたけど、それとは関係なく我が道を細く長く貫く街クラブもあります。
次にJリーグから見ればセカンドキャリアの場になっている点。東北の例を見ても先に述べた現JリーグチームのOBがちらほら見受けられます。例として我が盛岡ゼブラの場合、いわてグルージャ盛岡に在籍した選手が10人います。Jリーグで活躍した人、試合に出られなかった人、またはJリーグ以前の地域社会人リーグ時代に主力だった人も地域のクラブでサッカーを続けている場所があるって、素晴らしいことだと思います。もちろん学校のサッカー部コーチだったり、Jリーグチームのスタッフをしながらということもあるのでしょう。
東北社会人リーグ、こんな人も⁉
最後に東北社会人リーグを経験したJリーグ関係者をご紹介しましょう。
- 大槻 毅(J2群馬監督、東北リーグ時代のソニー仙台FCに在籍)
- 時崎 悠(J2栃木監督、2012 福島ユナイテッド優勝監督)
- 三浦俊也(J3岐阜監督、盛岡ゼブラ在籍時に国体出場を果たす)
- 内藤就行(J3宮崎監督、2018 ブランデュー弘前優勝監督)
- 遠藤 康(現J2仙台、高校生時代塩釜FCヴィーゼでプレー)
- 山本 廉(現J2栃木、2018 ブランデュー弘前でプレー)
「この人抜けてますよ」というご指摘はコメント欄にお願いします。
というわけで、齊藤晃の主戦場である東北社会人サッカーリーグのことを書きましたが、いかがだったでしょうか?関東とかからはなかなか行くのは難しいかもしれませんが、今のJ2,J3チームの礎となった社会人リーグ、元Jリーガーから未来の日本サッカーを担う人材まで同じユニを着ている姿を見に来てください!
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