【MLB】ブルージェイズがシルバースラッガー賞2度テオスカー・ヘルナンデスをトレードした理由

2022 11/19

2022.11.19

トロント・ブルージェイズは現地水曜日、スター外野手のテオスカー・ヘルナンデスをリリーバーのエリック・スワンソンとプロスペクトの左腕アダム・マッコとの交換でシアトル・マリナーズにトレードする形で、ブルージェイズのオフシーズンをスタートさせた。
チームの中心である選手がトレードされることは、どんな時であり驚かせるものであり、過去6シーズンを通して欠点のあるもののポテンシャルを秘めた選手から、20年～21年シーズンにシルバースラッガー賞を受賞しチームの柱となったヘルナンデスはまさにその通りであろう。しかし、チームのペイロールからより”クリエーティブ”になるのは必要であった。そして、より大きな動きを示す、何かの始まりを示すものだろう。

MLBドッドコムのブルージェイズ番記者キーガン・マシソンが、今回のトレードと今後についてこのように5つにまとめた。それぞれ見ていこう。

カギとなったのはヘルナンデスの来シーズンの年俸

今オフ、ヘルナンデスは年俸調停の権利があり、約1,400万ドルを貰うことになるとされており、この金額は今回のトレードで重要であった。もちろんブルージェイズは、外野陣の穴を埋める必要があり、的確に言えば打線のバランスを整えられる打者が好ましいだろう。さらにヘルナンデスの予想年俸1,400万ドルは、またブルペンや先発の補強に振り分けられることもできるだろう。チームの財政面は、一つ大きな補強を行えるスポットがあり、そうでなくとも中間レベルの補強が2つできるものとなるだろう。チームは、パワーバッターが一人減ったことになるが、マシソンは「このトレードの合否はこの後、ブルージェイズのフロント陣がどうお金を費やすのかに左右されるだろう」としている。

なぜヘルナンデスで、なぜ今の時期なのか

ヘルナンデスは2023年シーズン終了後、フリーエージェントの予定であり、ブルージェイズは、ヘルナンデスがフリーエージェントとなった際、手にするであろう金額で延長契約を結ぶ意思を示していなかった。しかしヘルナンデスは完璧な選手ではないものの、31歳でフリーエージェントのマーケットに出た際、ヘルナンデスがフィットする打線のあるチームは見つかるだろう。
だが、ヘルナンデスかもう一人のルルデス・グリエルジュニアを動かせることができ、よりバランスの取れた外野陣にできる機会であった。それに、ヘルナンデスとグリエルジュニアの年俸を比較した際、ヘルナンデスの方がグリエルジュニアより900万ドル高い結果となっている。

トレードの見返り

「これはエリートリリーバーを獲得するか、少なくともエリートなリリーバーになるポテンシャルを秘めた投手に獲得する為に、代償となるものだろう」マシソンはこの項目をこのように始めている。ブルージェイズが獲得した、29歳のエリック・スワンソンは3年のチーム保有期間があり53 1/３イニングで防御率1.68、奪三振70で四球はわずか10個しか出していない。マリナーズの協力ブルペン陣の一人だったスワンソンとそれに加え、今シーズンオールスターに選出されたクローザーのジョーダン・ロマノの組み合わせは、チームのブルペンのレベルをさらに引き上げてくれるものだろう。

しかしながら、マシソンはサンディエゴ・パドレスがロバート・スアレスと5年契約を、ヒューストン・アストロズが、今シーズンリーグ全体でもベストリリーバーの一人だったラファエル・モンテロと4年契約を結んだことを引き合いに出し、「これはまた、ブルージェイズにとっての教訓だ」と書き、続けて「リリーバーを育てることが決して重要なのではない。ブルージェイズはプレイヤーディベロップメントに関してポジティブなステップを踏んでいて、数年後明確に表れるだろう。しかし理想は、スワンソンのためにヘルナンデスをトレードしたのではなく、彼ら”独自”のスワンソンを手に入れる事だろう」と締めくくった。

外野陣の改修

チームはジョージ・スプリンガーとグリエルジュニアが現時点でのレギュラー先発陣で固め、ユーティリティーのウィット・メリフィールドや40人リストにはネーサン・ルークスがいるが、もう一つ明確な”動き”が予想されている。それに何度も書いているが、チームに少ない左打者を加えることで打線にバランスをもたらす機会となるだろう。
フリーエージェントのオプションでは、ヘルナンデストレード後にブルージェイズが興味を示しだし、今オフのフリーエージェントでアーロン・ジャッジに次いでナンバー2の評価のあるブランドン・ニモやマイケル・コンフォート、マイケル・ブラントリーでトレードもオプションの一つだろう。

次に予想されるものは何か

ブルージェイズは、埋める必要のある穴が多く、今はまた違った状況だ。外野手の補強は、ブルージェイズのフロント陣の最優先事項に近いものであり、スワンソンを獲得したことで、ブルペンに関しては必要性が減ったがアレク・マノーア、ケビン・ゴーズマン、ホセ・べリオスの先発トップ３人の後ろは問題を抱えている。

そして、ブルージェイズが本当に大きな動きを示すのは先発陣のエリアであろう。それにトレードにしろ、短期契約でベテランの先発投手を狙うにしろ、フロント陣は先発陣の後ろに関しての補強が必要なのは認めるもののはずだ。また、今シーズン、大きな問題となった層を厚くすることもプライオリティーだが、ブルージェイズの優先事項は一人もしくは二人、実績のある先発投手を獲得することだろう。