8月にフィンランドで行われるフラッグフットボールの世界選手権の日本代表が発表されました。
メンバーを見て驚いたのが、女子代表に
濵口 芙由紀(はまぐち ふゆき)選手
が初めて選ばれたことでした。
「濵口選手が代表入りとは…心強い」
と嬉しく思いました。
フラッグフットボール界のことはよく知りませんが、濵口選手の実力は、前回のアジア・パシフィック大会で優勝した女子日本代表の中に入っても、トップクラスだと思ってましたので。
濱口選手は現在アメリカでプレーしています。
自己紹介の動画がこちらです。
濱口選手の経歴は、とてもユニークです。
アメリカのリーグでアメリカンフットボールをプレーした日本人女性は何人かいますが、私が知る限りでは、アメリカンフットボールをプレーする目的で渡米した人ばかりです。
濱口選手をのぞけば。
中学、高校とバスケットボールに打ち込んだ濱口選手は、夢だったハリウッド映画のスタントドライバーになるべく渡米しました。
そこで知り合った友人たちとバスケットで遊んでいるうちに、フラッグフットボールに誘われるようになりました。
フラッグのことを知らない濱口選手は、最初のうちは断っていたものの、何度も誘われるうちに断れなくなって、とうとう試合に出ることになりました。
「ボールをとったらゴールを目指して走れ!」
とだけ言われて出た試合で、ロングパスを含む2本のタッチダウンをあげるなどの大活躍を見せました。
その試合で審判をしていたのが、女子アメフトリーグの男性コーチ。
巨漢の彼に両肩をつかまれ
「お前はアメリカンフットボールをプレーしなければならない」
と乱暴なスカウトを受けました。
それがきっかけで入団したのが、日本人アメフト選手のレジェンド、鈴木弘子さんがオーナーと選手を兼任するチーム。
濱口選手はそこでワイドレシーバーとリターナーをプレーすることになり、すぐに先発の座につきました。
1試合で3タッチダウンを決めたこともあり、3年目にはオールスターに選ばれるほどの選手になりました。
そのあとの経歴は、自己紹介動画の通りです。
フラッグフットボール選手としての濱口選手の強みは、なんといっても、本場アメリカでプレーしていること。
女子だけの試合だけではなく、男子との混成チームでプレーすることも多いそうで、元NFL選手もけっこういるそうです。
そんなタフな世界で、濱口選手は何度も結果を残してきました。
最近では、下のポストの左側の動画のような活躍も。
PATで4回レシーブ。
通常のプレイでも8回レシーブ。
そして動画のタッチダウンレシーブ。
私が思うに、濱口選手はフリーになるのがとてもうまいようです。
アメリカンフットボールをプレーしていた時に受けたインタビューで、自分の持ち味を尋ねられ
「バスケットボールで鍛え抜いたスピードとボデイバランスを使って瞬発的にデフェンダーを交わしてパスをキャッチする能力」
と答えていました。
ディフェンスの選手と競り合ってボールを捕るより、ディフェンスが誰もいないところに走りこんでボールを捕る方が楽です。
下の動画もそうですが、本当にフリーになるのがうまいと感じます。
そして、
本場アメリカのプレースタイルを知っている、
と言うことも、濵口選手の大きな強みだと思います。
これを女子日本代表チームで共有することで、女子日本代表はメダルに向かって大きく前進すると考えます。
もちろん濱口選手は、渡米した時の夢をあきらめたわけではありません。
フラッグフットボールを通してスタントドライバーの世界の人たちと知り合い、仕事のオファーが来ているそうです。
夢がかないそうなところまで来ています。
ところで
私は
「最近困った問題が起きて、それについて弁護士に相談している。」
とある人に言ったことがあります。
まだまだ日本は訴訟社会ではないので、たいそう驚かれました。
でもウソではないのです。
実は「困った問題」と言うのは
「フラッグフットボールのことを書きたいけど、ルールとか特性を知らない」
と言うことです。
そこで時々濵口選手に質問していました。
濵口選手の仕事は動画で語っているように、アメリカで一番難しいと言われている、カリフォルニア州の弁護士です。
アメリカで暮らしているうちに、法律のことを知っておかねばならないと考えて、弁護士になったそうです。
考えるのは簡単ですが、実際になってしまうなんて、並大抵の努力ではなかったと思います。
そんなわけで、私の言ったことはウソではないのです。
アメリカンフットボール、ランジェリーフットボール、フラッグフットボールの世界で一流になり…
普段は弁護士の仕事をこなし…
スタントドライバーへ…
どれか一つでもなることができれば、それだけで、すごい人だなぁ~と思います。
それに加え、濱口選手は一児の母としての務めを果たしています。
まったく、なんて多才な人なんだろう、濵口 芙由紀さんは、と思います。
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