「If You Build It, He Will Come」
映画”フィールド・オブ・ドリームス”の中には感動的な言葉がいくつも出てきますが、最初に登場するのがこれです。
主人公が作った「It」こと「野球場」は、夢を叶ることができるものになりました。
米時間2023年2月18日、NFLのシーズンが終わったアメリカで、
XFL
というアメリカンフットボールのリーグが開幕しました。
開幕に当たって、リーグのオーナーの1人
”ロック様”
こと
ドウェイン・ジョンソン
がスピーチを行いました。
「『お前の、プロのアメフト選手になる、という夢は終わった』
と誰かに言われたとき、実は夢が始まったばかりなのだ。
なぜなら、君たちはこれからこのXFLのフィールドに出て、整列し、肩の荷を下ろして、とてもハングリーだと言うことを世界に示すことになるのだから。
私もそうだったからわかる。
”XFL”の”X”は、夢とチャンスを表すものだ。
君たちが夢を持っている。
そして、俺たちはチャンスを与える」
という言葉で最初の方が締めくくられています。
この言葉に感動した私は、自分のブログにこのことを書きました。
こちらになります。
MAJIK MIRROR「【アメフト】「ロックさま」のXFLキックオフ前のスピーチが素晴らしかった」へのリンク
数日後、私は、この記事の最初に書いた
「If You Build It, He Will Come」
という言葉を思い出しました。
そして、
「そうか、XFLはNFLを目指す選手たちにとって
”フィールド・オブ・ドリームス”
なのかもしれない」
と気がつきました。
NFLとXFLの関係は、日本の野球界で言えば、NPBと独立リーグのそれと同じだと言えます。
アメリカンフットボールの選手は、最終的にはトップリーグであるNFLを目指します。
しかし全員が、というより大部分の選手は、大学でプレーした後すぐにNFLに入れるものではありません。
ジョンソン自身がそうでした。
彼はマイアミ大学を卒業した後、NFLでプレーすることを望んでいました。
しかしNFLからは声がかからなかったので、隣国カナダのCFLのカルガリー・スタンピーダースと契約し、そこで実績を積んでからNFLに入ることを狙いました。
しかし1年目にスタンピーターズを解雇されました。
彼の「プロのアメフト選手になる」、という夢はそこで終わり、プロレス界に入りました。
XFLは2020年シーズン、数試合を行った後、4月に破産しました。
世界中が本格的にコロナ禍に入ったころで、このことが破産の大きな要因だと考えられます。
その後ジョンソンらに買収され、2023年の再開を目指し、実現しました。
「ファンのために特別なものを作ることに興奮しているよ!」
という言葉でツイートを締めくくっています。
それは嘘ではないと思います。
でも本当は…
若き日の自分、つまりNFLの選手になれなかった自分のような若者が、試合をして、NFLにアピールする場を提供したかったからではないか
とも思います。
きっといずれの気持ちも、ジョンソンは持っていて、買収をしたんじゃないか…
そう思いたいです。
”フィールド・オブ・ドリームス”の
「If You Build It, He Will Come」
に例えるとしたら
「If You Play Hard, He Will Come」
ということになるんじゃないかと考えます。
「ハードにプレーして、とてもハングリーだと言うことを示せば、NFLのスカウトがやってくるに違いない」
つい最近まで、いくつかの例外を除けば、NFLの選手になるにはアメリカの大学で実績を残すか、CFLでプレーしてスカウトの目に留まるかぐらいしか方法はありませんでした。
しかし数年前から、TSLやUSFLなど、XFLと同じ意味を持つリーグが活動を始め、日本人選手も参加しました。
XFLはNFL選手になる方法の幅を、さらに広げてくれることになります。
ドウェイン・ジョンソンの”フィールド・オブ・ドリームス”、XFLが、1人でも多くの選手をNFL入りさせることを願います。
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