2020年の全日本相撲選手権大会で優勝し、史上2人目となる大学1年生で「アマチュア横綱」となった
花田秀虎選手
は、その後アメリカンフットボールへ転向。
将来NFLでプレーすることを目指し、今年8月にコロラド州立大学へ進学。
守備側の「ディフェンスライン(DL)」と言うポジションで登録されました。
花田選手はシーズン8試合目となる10月29日(日本時間)の、対空軍士官学校戦に初出場。
空軍士官学校は全米で800校以上もあるカレッジフットボールチームの中でも、上位25位以内にランクされるほどの強豪ですが、そのチーム相手に3タックルを記録。
つまり、空軍士官学校のボールを持っている選手を、3回タックルして止めたわけです。
実はこの試合は、花田選手が人生で初めて出場したアメリカンフットボールの試合になります。
日本でも練習試合だけに出たことがあるぐらいです。
そんなキャリアのない選手が、アメリカの強豪大学相手に3タックルを決めたのは、「ものすごい快挙」なのです。
上のポストは、花田選手がアメリカンフットボール転向後、指導に当たった人の1人、栗原嵩さんのものです。
栗原さんもNFLに挑戦した選手の1人でした。
「アメフトをちゃんと始めて3ヶ月」と言うのは、渡米してコロラド州立大学ラムズの一員になってから、試合に出るまでの期間でしょう。
花田選手は試合後に、自身のYouTubeチャンネルに、初出場の感想を投稿しています。
「オフェンスラインとぶつかってみた感想は、全然負けないな」
「フィジカル面で言ったら、全然押されない」
「意外と「こんなものなのか。俺、まだまだ上に行けるな」と思った」
と頼もしい言葉が並びます。
本当に、NFL入りも夢ではない、と思わせてくれます。
その花田選手のジャージ(ユニフォームのこと)に変化がありました。
背番号の上の名前が
「HANADA」
から
「花田」
に変わりました。
このポストはコロラド州立大学のアメフト部のものです。
表記が漢字になったこともすごいですが、日本語でポストしたところに、並々ならぬ敬意を感じます。
表記が漢字となったことについて、ふと思い出したエピソードがあります。
うろ覚えですが…
アメリカにある「女子アメリカンフットボールの名誉の殿堂」入りした日本人選手、
鈴木弘子さん
は、現役時代に背中に「BETTY」と表記しようとしたそうです。
「BETTY」は鈴木さんのニックネームでした。
しかし周りからそれを止められたそうです。
「アメリカ人にとって、家族からアメリカンフットボールの選手を出すことは名誉なことなのだ。
だから自分のファミリーネーム(苗字)を書くべきだ」
そう言われ、鈴木さんは考え直して、「SUZUKI」と言う文字を背負ってプレイしました。
自分と家族のために。
もともと名字でプレーしていた花田選手ですが、アルファベットから漢字にすることで、より一層花田家を強く意識してプレーすることになると思います。
それを証明するかのようなポストと記事がありました。
ポストの後半には
「コロラド州立大学は型破りなジャージで彼のルーツに敬意を表している」
と書かれています。
まだ誕生していない日本人NFL選手。
アメフトファンの間では、花田選手がそうなってくれることを期待する人が、私を含め多くいます。
花田選手自身が、一番それを望んでいると思います。
しかしまず、自分自身、家族、ルーツを思ってプレーしてくれること。
そうすれば自ずと結果はついてくる、と考えさせられたコロラド州立大学の配慮でした。
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