最近テレビでよく見かけるのが、
昭和と平成初期のことを、令和世代の若者に紹介し、驚かせるもの。
あまり好きな企画ではないです。
私たち世代のMCが、令和世代をいじって、ドヤ顔をしているのが、同じ世代として恥ずかしく思います。
でも、令和世代の若者たちも、昔のことに興味はなくはないようで、逆にいじり返したりもしているようで、満更でもないようです。
そこで今回は、
私がNFLを見始めた昭和末期から平成初期にかけて、今ではなくなってしまった、また当時はなかったもの
を紹介していきたいと思います。
1.裸足のキッカーがいた
キッカーの中には、利き足に靴を履かず、裸足で蹴る選手がいました。
”Barefoot Kicker”(裸足のキッカー)
と呼ばれていました。
不思議なことに、利き足じゃない方は、ちゃんと靴を履いていました。
最も知られているのはトニー・フランクリン(Tony Franklin)。
私の中で最もなじみがあるのがマイク・ランスフォード(Mike Lansford)です。
ランスフォードは1989年(平成元年)の夏、プレシーズンゲームで来日し、延長戦の最後にフィールド・ゴールを決めて、ラムズに勝利をもたらし、東京ドームに集まったファンにお辞儀をしていたのを覚えています。
こちらに「裸足のキッカー」を特集した動画があります。
なぜ「裸足のキッカー」が誕生したのか…
そして、なぜいなくなったのか…
それはいつか機会があったら書きたいと思います。
2.選手には無線で指示を出せなかった
今では、オフェンスコーディネータやヘッドコーチが無線を使って、クオーターバックに次のプレイを伝えます。
クオーターバックのヘルメットの中にはスピーカーがあり、ハドルで全員に次のプレイを伝えます。
しかし、当時のNFLには、選手とベンチとを結ぶ無線はありませんでした。
当時もヘッドコーチはヘッドセットをつけていましたが、それは選手たちにつながるものではなく、スタジアムの上部にいるスポッターと呼ばれる人たちとの会話のために使われていました。
スポッターは上部からプレイを見ることで、相手チームの動きの傾向などを把握し、それをヘッドコーチに伝えていました。
また、上部から写真を撮り、それをファックスでベンチに送っていたりしていました。
1994年シーズンから、コーチから無線でオフェンスの選手の1人(だいたいクオーターバック)に次のプレイを送ることが認められました。
そして2008年から、ディフェンスの選手にも1人、コーチから指示を送ることができるようになりました。
ではそれまでコーチはどうやって次のプレイの指示を出していたのかといいますと、ブロックサインでした。
サインを送っていたのはだいたい控えクオーターバックでした。
実は1950年代ごろ、アメリカンフットボール界に多くの改革をもたらした名将、ポール・ブラウンが、無線で指示を出すことを試みました。
しかし技術的な問題があったようで、本格的な採用はされませんでした。
3.2ポイントコンバージョンがなかった
タッチダウンの後、キックを決めたら1点が。
もう一度タッチダウンを決めたら2点が入るようになっていますが、実はNFLでそうルールが変わったのは1994年シーズンからでした。
当時のNFLには2ポイントコンバージョンはありませんでした。
私の記憶だと、米カレッジや日本ではすでに導入されていました。
そしてNFLでも、タッチダウンの後にタッチダウンする、と言うプレイはあったと思うのですが、得点はキックと同じで1点でした。
何でそうだったのかはわかりません。
ですので、当時のNFLでは、1回の攻撃では最大7点でした。
今は8点になります。
リバースからのフィリースペシャル!!
2ポイントコンバージョンが導入されると、タッチダウンの後、状況に応じてキックにするか2ポイントコンバージョンにするか、それを考えるので混乱したものの、だんだん楽しくなってきました。
今ではどうかわかりませんが、導入直後は現場、つまりNFLの試合のサイドラインでも、点差や残り時間に応じて、どちらを選ぶべきか早見表があったそうで、ベンチはそれを見どっちでいくか決めたそうです。
その他、
・バイウィークがなかった
・バーチャルラインがなかった
とか、挙げて行けばきりがありません。
しかし一番大きなことは、
・日本でプレシーズンゲームがほぼ毎年行われていた(平成元年から)
・地上波で週一回は録画中継放送があった
・地上波でスーパーボウルが生中継されていた(平成元年から)
と言うことかな、と思います。
世はまさに、
「第二次アメフトブーム」
でした。
しかし結局日本ではメジャースポーツになることはなく、バブルとともに、それが終わったように感じます。
ぜひアメリカンフットボールの人気をもう一度高め、それを恒久的に維持できれば、と思います。
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