今回の記事は2022年に誕生した「北海道のプロモータースポーツチームAmbitious Racing」を紹介したいと思います。
去る2022年3月19日(土)-20日(日)
ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook第1戦 SUZUKA 5時間耐久レースが開催。
2022年は鈴鹿サーキットが誕生し60年という節目の年でした。
そんな鈴鹿サーキット60年の歴史の中で北海道から「チームとして」大規模なイベント型レースに参戦したチームは無かったと思います。(イベント型レースとは:スーパーGT・スーパーフォーミュラ、スーパー耐久シリーズ等)
北海道から本州のイベント型レースに「チームとして参戦しない」「参戦出来ない」要因は何なのか?
1.北海道は本州に比べてモータースポーツの「レース文化」が浸透していない。
2.北海道のモータースポーツのレース競技人口は全国と比較してもかなり少ない。
3.本州の主要サーキットまでの移動距離という「時間」・宿泊費用とういう「コスト」の問題。
4.本州主要サーキットで行われる2月、3月のテスト走行時の移動に大雪で参加できない恐れがある問題。
5.本州の主要サーキットでテスト走行をする為の走行枠確保問題、そしてテストから生まれる経験値とデータ取得不足がもたらすレースで戦えるかどうかの問題。
6.チームとして参戦する為の経験値を持ったマネジメント、メカニック、ドライバー問題。
(チームとして参戦した経験が無いから、北海道に持ち帰ってフィードバックする人材が不足している)
等々多数の要因が考えられると思います。
一方で、古くから北海道の広大な土地を利用したラリーやダートトライアルは盛んに行われていて、日本チャンピオンも生み出している土地柄でもあり、ポテンシャルは十分ある地域でもあると感じています。
このように60年の鈴鹿サーキットの歴史の中でも「チームとして」北海道から参戦する。いう事がどれだけ困難なのか。という事を感じて頂けたらと思います。
2022年に北海道から「チームとして初めて」スーパー耐久シリーズに参戦したチームがあります。
Ambitious Racing(アンビシャスレーシング)の想いとは?
≪Ambitious Racingとは…》
北海道出身のレーシングドライバー馬場 優輝(ばば まさき)の「ただならぬ情熱」により誕生したチームです。北海道初の北海道発チームで【地元への恩返し】を掲げて活動いたします。
「ただならぬ情熱」それは、上記で記載した1.~6.のハンデを跳ね返し、チャレンジしていく精神の塊。
もう1度言いたいです。本州の主要サーキットで行われる大規模なイベント型レースに北海道からチームとして参戦するという事は「並々ならぬ困難」が待ち受けているのです。
Ambitious Racingディレクター:ステップエンジニアリング水田氏のコメント
「弊社は2001年に札幌市で開業し、十勝スピードウェイをはじめ、全国のサーキットでレース活動を行って参りました。十勝クラブマンカップ・マーチカップ・シビックカップ・もてぎ耐久など 戦いの舞台を全国に広め 2011年にスーパー耐久のメカニックとして参戦し、2017年よりディレクターとして経験を積んで参りました。2022年 満を持して Ambitious Racingと共に、北海道初となるスーパー耐久のチームを発足させる運びとなりました。スーパー耐久をはじめてからの夢であった”自分たちのレーシングチーム”が産声をあげた事に喜びと興奮を隠せません。是非ともオール北海道のAmbitious Racingにご声援をお願いいたします!」
デビューレース
2022年3月19日(土)-20日(日)
ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankook 第1戦 SUZUKA 5時間耐久レース
【結果】予選14台中12位 決勝14台中7位
【過程】レースウィークは新千歳空港から中部国際空港へ行く便が大雪のため欠航からスタートする。
(ここでも北海道のハンデが襲い掛かる)
新千歳空港が使えないという事から、札幌から約200㎞離れている「とかち帯広空港」に向かい中部国際空港へ向けて出発する。
デビュー戦の前々日、前日の練習走行は天候が雨。ドライ路面を走る事ができなかった。
また、リアが唐突に流れる症状に苦しみ、原因を探るのに時間を要する。
練習走行では、速く走るためのセッティングデータを取るというよりも、リアの症状の原因を突き止めるのに時間を費やしていた。(後にABSが誤作動を起こしていた事が分かる)
予選では満足の行くテスト走行をする事ができず12番手という結果。
それでも、夜遅くまでドライバーチェンジの練習を繰り返す。
マシンのタイムが満足行くものではないから、確実にタイムを削る事ができるドライバーチェンジの練習を繰り返す。(他のチームが帰っても、北海道チームだけは夜遅くまで練習をしていた。)
とても変な話ですが、北海道チームにとって予選はテスト走行でした。
スーパー耐久シリーズの決勝に北海道チームとして鈴鹿サーキットのグリッドに立つ。
決勝レースは、誰よりも速く走りたいという気持ちでドライバーが乗っているのですが、デビュー戦のAmbitious Racingチームは様々なデータを取るという大事な走行でもあったと思います。最終的に7位でGOALしました。
デビュー戦で7位という結果は飛行機が大雪で欠航するという始まりから考えたら上出来の結果だったのではないでしょうか!?
まだまだ、北海道チームとして始まったばかりですが、北海道のモータースポーツ文化の一部を担っていく日が来ることを祈り、最初のAmbitious Racingチームの初回の投稿とさせて頂きたいと思います。
北海道チーム Ambitious Racingの応援宜しくお願い致します。
Ambitious Racingドライバー紹介
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