記事のポイント
・横浜F・マリノスが今季2度目の監督解任を決断
・「裏天王山」に敗れ、最下位転落から抜け出せず
・パトリック・キスノーボ監督を更迭、川井健太氏が後任有力
・シーズン中に2度の監督交代はクラブ史上初
・成績不振に加え、クラブ内の意思統一にも混乱の兆し
最下位転落で再び決断 下位対決に敗れキスノーボ体制終焉
明治安田J1リーグ第20節、新潟との直接対決で0-1と敗れた横浜F・マリノスが、シーズン2度目となる監督交代を決断した。敵地での「裏天王山」と称されたこの一戦。勝てば3連勝で最下位脱出となる大一番だったが、わずかシュート4本に終わるなど、内容でも完敗。この結果を受けて、クラブ首脳陣はパトリック・キスノーボ監督の更迭を決めた。
オーストラリア代表DFとして実績を持つキスノーボ氏は、4月に解任されたスティーブ・ホーランド前監督の後任として昇格。しかし、攻撃スタイルを放棄したロングボール戦術への転換も奏功せず、公式戦ではわずか2勝と低迷。JFL所属のラインメール青森に天皇杯で敗れるなど、チームの状態は急速に悪化していた。
川井健太氏が後任最有力 新体制で浮上狙う
次期監督として有力視されているのが、昨季途中までサガン鳥栖を率いた川井健太氏。攻撃的なサッカーを志向する“戦術家”として知られ、J2愛媛やJ1鳥栖での指導歴を持つ。クラブ内の一部関係者によると、すでに招聘は内定段階に入っている模様で、正式発表は時間の問題と見られる。
ただし、今回の人選にはクラブ内からも不満の声が上がっている。一部首脳の独断による進行が指摘されており、組織内の意思決定プロセスの不透明さも、今後のクラブ運営に暗雲を落としかねない。
名門の迷走続く シーズン中2度の交代は初
「オリジナル10」として一度もJ2降格経験のない横浜F・マリノスにとって、シーズン中の2度の監督交代は初の非常事態だ。UACLEでは準々決勝敗退、リーグではクラブワーストの7連敗を喫し、天皇杯では4部相当のクラブに敗戦。長年培ってきたスタイルと組織力に綻びが見えはじめている。
現在、勝ち点14で最下位に沈むマリノス。残留圏の17位FC東京とは6差があり、今後の一戦一戦が生き残りをかけた“決戦”となる。新体制が短期間でチームを再構築できるかが鍵となる。
まとめ
名門クラブ・横浜F・マリノスが直面する過去にない危機。シーズン2度の監督交代という劇薬を選択したチームは、川井健太新体制のもとで再起を図る。J1残留とクラブの未来を懸けた正念場が続く中、選手・スタッフ・フロントが一丸となれるかが今後の命運を左右するだろう。
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