34年ぶりに東京で開催された陸上世界選手権が9月21日、9日間の熱戦を経て閉幕した。日本勢は計2個の銅メダル、入賞は9種目に及び、4つの日本記録を樹立。総入場者数は61万人を超える盛況となった一方、一部からは大会運営への厳しい声も上がった。
- 男子35キロ競歩の勝木隼人、女子20キロ競歩の藤井菜々子が銅メダルを獲得
- 村竹、中島、廣中らが健闘し、入賞は計9種目に
- 男女混合リレーなどで日本記録更新、観客動員数は約62万人
- 世界陸連コー会長「“世界記録”のような大会」と総括
- 一方でジャマイカ名将が運営環境に厳しい評価
歴史的大会で躍動、日本勢の成果
福岡勢がメダル、日本の粘り強さが光る
今大会でメダルを獲得したのは、いずれも福岡県出身の2選手。男子35キロ競歩の勝木隼人は大会初日に3位に入り、日本勢に勢いをもたらした。また、女子20キロ競歩の藤井菜々子は自身の日本記録を更新する快走で、同種目日本女子初の世界大会メダルをもたらした。恩師の急逝を乗り越えた感動のレースとなり、多くのファンの心を打った。
トラック種目でも奮闘、日本記録も更新
男子400メートルでは中島佑気ジョセフが準決勝で44秒44の日本新記録を樹立し、決勝で6位入賞。また、男子110メートル障害の村竹ラシッドは5位に入り、パリ五輪に続く快挙を達成。廣中璃梨佳も女子1万メートルで6位と、負傷を乗り越えて完全復活を遂げた。さらに男女混合リレーでは日本記録を3秒以上更新し、8位入賞を果たした。
大会は大盛況も課題も残る
熱狂の9日間、過去最高の観客数を記録
世界陸上は連日5万人を超える観客で国立競技場が埋まり、最終的な入場者数は61万9288人に達した。世界陸連のセバスチャン・コー会長は「私の“世界記録”のような大会」と絶賛し、「日本は再び五輪を開催しても良いと感じさせてくれた」と高評価。テレビ視聴率でも好調を記録し、世界中から注目を集めた。
運営面には厳しい声も、課題は次大会へ
一方で、ジャマイカ代表コーチのスティーブン・フランシス氏は「これまでで最悪の世界陸上」と手厳しく批判。選手のウォームアップ場が競技場から離れていたことや、宿泊施設での混乱などを指摘し、「主役は選手という原点を見失っている」と語った。運営面の課題は、来年の「世界陸上アルティメット選手権」や今後の国際大会への反省材料となる。
課題も希望も見えた大会の総括
陸連の山崎委員長「入賞の数に手応え」
日本陸連の山崎一彦強化委員長は「弱い日本のイメージを払拭できた」と語り、競歩とトラック種目での着実な成果に手応えを見せた。「メダルはもう少し取りたかったが、安定した入賞がメダルにつながる」と、地道な強化の重要性を訴えた。
陸上人気の波及に期待、次なる挑戦へ
大会総括会見では、東京世界陸上財団の尾縣貢会長が「これまで陸上になじみのなかった方々も新たなファンになってくれた」と振り返り、「この熱を一過性にせず社会全体を巻き込む運動にしたい」と決意を語った。大会ロゴやマスコット開発に若者の意見を取り入れるなど、次世代への訴求も成果を上げた。
まとめ
東京で開催された34年ぶりの世界陸上は、メダル2個、入賞9、4つの日本記録更新という実績とともに、観客動員数62万人超の大盛況で幕を閉じた。運営面への指摘もあったが、世界中に日本の陸上界の可能性と熱意を示す大会となり、次なるステージへの礎を築いた。
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