【アメフト】日本がアメリカに勝利!~歴史的な大会になった第6回U20世界選手権について

日本時間の2024年6月22日から7月1日まで、カナダ・エドモントンで開催された
第6回アメリカンフットボールU20世界選手権
は、私の予想をくつがえして、日本は銀メダルを獲得しました。
その中の1戦で
「アメリカンフットボールで、日本がアメリカに勝った」
ということがありました。
このことは、アメリカンフットボールの国際大会としては、日米その他で空前の話題となりましたので、ここに書き留めておきます。

「アメリカンフットボールで、日本がアメリカに勝った」
ということがどれだけすごいことなのか…
それが、初めて起きた大会でした。
正確に言うと、IFAF(国際アメリカンフットボール連盟)主催の、あらゆる世代の大会で、日本がアメリカに勝った、ということです。

今回もアメリカは本気でチームを作ってきませんでした。
いろんな事情があるのでしょうが、アメリカはこれまでのどの大会でも、選手は本気で選考されたものではなく、準備にも時間をかけてきませんでした。
まあ、この程度の選手を集めて、何回か練習すれば決勝まではいくだろう、というチームを作ってきました。
そんな「アメリカ代表」でしたが、それでも日本はこれまで勝てませんでした。
一方でアメリカ代表は、優勝、悪くても準優勝でした。
しかし今回は、チーム編成と準備に計算違いがあったようです。

日本がアメリカに勝ったことがネットで報じられると、おおかたの日本のアメフトファンは、もちろん大喜びしました。
アメリカが本気ではないチームだとわかっていても。
やはりアメリカンフットボールの母国のナショナルチームに勝つということは素晴らしいことだからです。
もちろん私も、ものすごく喜びました。

驚いたのは、この試合の結果にアメリカ人が大きく反応したことです。
私の認識では、ほとんどのアメリカ人は、アメリカンフットボールの国際試合に興味を持ちませんし、そういう大会があること自体知りません。
前掲の、Int’l Fed of American Footballによるポストには、1,000件に近い返信がありますが、多くが英語です。
また、この大会の全12試合のハイライトがYouTubeに公開されていますが、最も多く再生されたのは日本対アメリカの試合で、30万回。
他の11試合でこれに続くのは日本対カナダによる決勝戦の14万回で、他の10試合は、大目に見ても平均して2~3万回です。
いかにこの試合が注目を集めたかがわかります。
下の動画が日本対アメリカのものです。

この動画についているコメントも、多くが英語です。
アメリカのスポーツトークショー「ザ・パット・マカフィー・ショー」でも、この「アメリカの敗戦」は伝えられ、アメリカ代表のことが酷評されました。

アメリカ人の批判の多くは、
なんでこんな弱いチームを「アメリカ代表」として送り込んだのだ、
ということのようです。
そこにはアメリカンフットボールの母国のプライドが感じられます。
「アメリカンフットボールだけは、絶対に負けてはいけない」
のだと。

話は変わりますが、
2006年、第13回世界剣道選手権の男子団体戦で、日本がアメリカに敗れる、という波乱がありました。
その時まで過去12回のこの大会では、全カテゴリ(男子団体、女子団体、男子個人、女子個人)で日本代表と日本人が優勝してきました。
ですから、剣道界は大騒ぎになりました。
次の2009年の第14回世界選手権で、日本は全力で王座を取り返しに来て、見事にそれを果たしました。
それ以来今に至るまで、全カテゴリで日本が優勝を逃したのは、この大会の男子団体のみです。
第13回世界剣道選手権が、日本の剣道界を変えたのかもしれません。

(決勝戦となった日本対カナダのポスター)

2006年の世界剣道選手権の時の日本のように、この第6回U20アメリカンフットボール世界選手権を起点として、アメリカ代表は変わるでしょう。
これからは確実に優勝、または準優勝できるチームを編成し、それなりに準備してくるでしょう。
実はアメリカは、今大会で日本だけではなく、オーストリアにも負け、初めて4位に転落しました。
アメリカンフットボールの母国として、もうそのような屈辱は許されませんから。
アメリカがちょっとでも本気を出してくるということは、日本の優勝を遠ざけるものになるかもしれませんん。しかし、アメリカンフットボールの世界的なレベルアップにつながるでしょう。

他にも興味深いことを感じた大会でしたが、第6回アメリカンフットボールU20世界選手権が歴史的な大会になるだろうという根拠は、そういうことです。

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この記事を書いた人

草場 謙一のアバター 草場 謙一 アメフト系ブロガー

主にアメフトのことを書いているブログ
「MAJIK MIRROR」( http://packmania.blog61.fc2.com/ )
の中の人。
日本でアメフトを人気スポーツにできないものか、と考えブログを執筆中。

アメフトの歴史を調べてブログに書いている時が一番の幸せ。

マイナースポーツであるアメフトのファンの、
「周りにアメフトの話をする人がいない問題」
をなんとかするために立ち上がったYouTubeチャンネル「レッツハドル」の一員。

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