記事のポイント
・桐蔭学園が京都成章を36-0で完封し、2年ぶり5度目の優勝
・昨夏の7人制、冬の花園に続く“夏冬春連覇”を達成
・CTB坪井悠が2トライ含む21得点の大活躍
・チームスローガン「氣」で結束、春の頂点へ
圧巻の無失点優勝、桐蔭が春の王者に
第26回全国高校選抜ラグビー大会決勝が3月31日、埼玉・熊谷ラグビー場で開催され、桐蔭学園(神奈川)が京都成章(京都)を36-0で下し、2年ぶり5度目の優勝を飾った。昨年夏の全国高校7人制大会、冬の全国高校大会(花園)を制していた桐蔭学園は、この春の選抜大会も制覇。“夏冬春”の三冠を達成し、絶対王者としての存在感を見せつけた。
桐蔭学園は試合序盤から着実にリズムを作り、前半7分にCTB坪井悠(2年)がペナルティーゴールを決めて先制。その後もFW陣が連続攻撃でチャンスを演出し、前半終了間際にはPR喜瑛人(2年)がトライを決めて10-0で折り返した。後半は坪井が2トライ、WTB大久保志哉(1年)、NO8足立佳樹(2年)らが追加点を重ねて圧倒。準決勝の御所実戦に続く完封勝利で、王者の風格を漂わせた。
後半に突き放す攻撃力と集中力
試合の中盤までは京都成章の堅守に阻まれる場面もあったが、桐蔭学園は接点の強さと継続力で上回った。後半13分、喜の力強いキャリーからSO竹山史人(2年)が絶妙なパスを放ち、坪井が左隅へトライ。そこから完全に流れを掌握した。23分には足立のゲインから坪井が再びトライを決め、直後には坪井から古賀啓志(1年)を経由し大久保へとつなぐオフロードパスでトライ。終了間際にも足立がダメ押しのトライを挙げ、試合を締めくくった。
副将の坪井はこの試合で21得点を記録。「試合中のミーティングで『接点で人数をかけよう』と共有できた。流れをつかめた要因だと思う」と語り、チームとしての意思統一が勝利に直結したことを強調した。
苦しい船出からつかんだ頂点
今季の桐蔭学園は、花園連覇を成し遂げた主力11人が卒業し、新チームは経験不足とされていた。2月の神奈川県新人大会では東海大相模と引き分け、関東新人大会で優勝したものの、「ラグビー偏差値が低い」と藤原秀之監督が評するほど、完成度には課題が残っていた。
しかし、大会を通じてミーティングの質が向上し、試合中の判断や連携も改善された。堂薗尚悟主将(HO・2年)は「苦しい時間帯もあったが、全員でスペースを共有し続ける意識を持てた。次は花園3連覇を目指す」と気を引き締めた。
京都成章、再び桐蔭の壁に阻まれる
初優勝を狙った京都成章は、2017年以来2度目の決勝進出だったが、またも桐蔭学園の前に涙をのんだ。伝統の「ピラニアタックル」で序盤は接戦に持ち込んだが、後半は運動量の差が表れ、防御が崩壊。関崎大輔監督は「完敗。ただし悲観する内容ではない。冬に向けて鍛えていきたい」と前を向いた。
LO土肥祐斗(2年)も「後半、スコアを取るべき時間に取り切れなかった。これを糧に、次は自分たちが勝つ番」と悔しさをにじませた。
まとめ
桐蔭学園が2年ぶりに春の頂点を奪還し、7人制、花園と合わせた“夏冬春”三冠を達成した。新チームは課題を抱えながらも、試合を重ねるごとに成長し、最終的には無失点優勝という圧倒的な結果を手にした。次なる目標は、冬の花園での“東日本勢初の3連覇”。その戦いの行方から、今後も目が離せない。
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