【高校野球】来春センバツ21世紀枠、推薦校9校が決定!注目校紹介!来年1月に出場2校発表!!

この記事の要点

・第97回選抜高校野球大会、21世紀枠候補校9校を発表
・離島の壱岐、皆勤校の山城など特色ある学校が選出
・選出された2校は来年3月の甲子園で一般選考校と激突


目次

21世紀枠推薦校の概要

第97回選抜高校野球大会(春の甲子園)において、2025年1月24日の選考委員会で出場校が決定する「21世紀枠」の候補校9校が発表されました。この枠は、厳しい練習環境や地域貢献などを評価し、特別な選考基準で甲子園出場のチャンスを広げるために設けられています。

推薦校一覧

北海道地区:釧路江南(道8強)

〜寒冷地の過酷な環境を克服し、秋季大会で準々決勝進出〜

 北海道東部の釧路市にある道立校。地域は冬の寒さが厳しく、5月中旬に全国で一番遅く桜が開花する。グラウンドは11月中旬から約5カ月、積雪や凍土の影響を受けて満足に練習できない。10月からは日没時間も早い。照明設備がなく、農業用のビニールハウスを利用する。氷上に積もる雪を「白い土」を目指して整備し、気温が氷点下10度でも雪上で打撃や守備練習に取り組む。部員数は22人で選手18人。今秋の北海道大会では準々決勝で北海に0―1で惜敗した。


東北地区:久慈(岩手・県3位)

〜被災地復興に貢献しながら、東北大会でも活躍〜

 岩手県沿岸北部に位置する久慈市の県立校。卒業生の約半数が国公立大へ進学する県内有数の進学校。久慈市はNHK連続テレビ小説「あまちゃん」のロケ地として知られる。地域の拠点校として社会に貢献するリーダーを育成すべく文武両道に取り組む。2011年の東日本大震災では被災地となり、16年と19年の台風では浸水被害を経験。困難を乗り越えながら地元に元気と夢を与えてきた。35人の部員全員が地元出身で、直近4年は春、秋の県大会のいずれかで3位以内に入った。


関東地区:横浜清陵(神奈川・県8強)

〜激戦区で公立校として躍進、自治を尊重した部運営が特色〜

 横浜市の県立校。1974年に清水ケ丘として開校。2004年に大岡と統合して横浜清陵総合となり、17年に現校名となった。部活動研究の教授を招いて部活動とは何かを考える研修を受講。可能な限り生徒の「自治」によって活動することが望ましいと共通認識を持ち、時間をかけても納得・合意を大切に部を運営する。女子マネジャーもチーム運営を担う立場として活動する。グラウンドは他部と共有で時間の制限もあるが、近年では春、夏、秋の県大会で8強入りした実績がある。


・東海地区:名古屋たちばな(愛知・県3位)

〜人間教育に注力し、強豪校に善戦〜

 名古屋市の私立校。野球部は1972年に創部し、2024年春に愛知産大工から現校名となった。野球部は上級生と下級生でペアになる「親子制度」を設けるなど、人間的な成長を促す取り組みを進める。企業のカンボジア学校建設プロジェクトに協力し、野球部が全校生徒に呼び掛けて恵まれない環境で暮らすカンボジアの子供たちに贈る文房具などの支援物資を回収する活動を10年以上続けている。近年は県内の強豪私学を破るなど互角に戦い、今秋は県3位で東海大会に出場した。


北信越地区:小松工(石川・地区4強)

〜地域貢献活動と粘り強いプレーが評価〜

 石川県南部の小松市にある県立校。工業の知識と技術を習得し、生徒の約8割が地元企業に就職する。選手全員がデジタル機材も活用し、投球動作や打撃フォームを確認するなど同じ練習メニューに取り組む。22年8月の豪雨災害ではグラウンドの一部が使用できなくなる被害を経験し、近隣の民家で泥よけのボランティア活動に励んだ。24年9月の能登豪雨では被害を受けた輪島高や野球関係者の自宅や職場の復旧作業に協力した。今秋は北信越大会で2勝し、4強入りを果たした。


近畿地区:山城(京都・府4強)

〜皆勤校として知られ、歴史と伝統を誇る公立校〜

 京都市にある府立伝統校。1907年に旧制府立第五中として創立した。文武両道を実践し、昨年度は過去最多の117人が国公立大に現役合格した。71年から聴覚障害のある生徒を受け入れ、学校生活の支援や校内手話弁論大会などを通して全校生徒が障害への理解を深めている。野球部は夏の地方大会に第1回大会から「皆勤出場」。平日は約2時間と限られた時間の中で徹底した基礎練習を行い、昼休みを活用して自主練習にも取り組む。今秋の府大会では42年ぶりに準決勝に進んだ。


中国地区:大田(島根・地区8強)

〜少数精鋭で快進撃、地域の野球普及活動にも注力〜

 島根県中央部の大田市に位置する県立校。理数科があり、野球部員を含む学年の3~4割が国公立大に進学する。現チームは選手11人と創部以来まれな少人数だが、その分、部員と指導者の信頼関係は厚く、4人の女子マネジャーも献身的にチームを支える。約2カ月半で30回以上に及ぶ練習試合を行って実戦経験を積み、今秋の中国大会では38年ぶりに1勝を挙げた。未就学児や小学生への野球普及活動に継続して取り組んでおり、地域の活性化に一役買っている。


四国地区:高松東(香川・県4強)

〜限られた練習環境を工夫し成果を上げた伝統校〜

 高松市の県立伝統校。1908年に創立し、69年から現校名になった。平日はグラウンドを他部と共有するため、使えるのは内野部分のみ。限られた環境で各選手が課題を明確にし、具体的な数値目標を掲げながら主体的に練習している。小学生との野球交流や川の清掃ボランティアに取り組むなど、地域に根ざした活動にも力を入れている。今夏の香川大会では45年ぶりに準決勝に進出した勢いで、秋の県大会でも29年ぶりに4強入りを果たした。


九州地区:壱岐(長崎・地区8強)

〜離島特有の困難を乗り越え、地域の期待を背負う〜

 長崎県の離島・壱岐島にある文武両道の県立校。進学率は約9割で、野球部からも地元の長崎大や神戸大への進学実績がある。1回の遠征に約30万円がかかるなど島外に出るためには経済的負担が大きく、練習試合の機会も限られる。さらに教員は必ず離島勤務があり、指導者が頻繁に交代するといった困難も乗り越えながら活動している。今秋の県大会では強豪校を破り準優勝し、初出場の九州大会で8強入りを果たした。25人の部員全員が壱岐島出身で、島民からの期待も高い。


注目校:離島の壱岐と歴史ある山城

壱岐(長崎)

離島という地理的な制約がありながら、選手全員が島内出身。練習試合や遠征のコストが高い中、島民との連携で甲子園出場を目指しています。

山城(京都)

1907年創部の伝統校で、「皆勤校」として第1回夏の大会から全ての地方大会に出場。聴覚障害を持つ生徒の支援など、多様性を尊重する校風も特徴です。


今後の選考と展望

選考は東西の区別なく2校が選ばれます。これにより、全国的に注目を集める地域校の躍進が期待されます。推薦された学校は、地域の誇りを胸に来年の甲子園を目指します。


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