埼玉の高校野球の現況
急な話で申し訳ございませんが、私は高校野球の埼玉担当ということで、数回に分け今年の埼玉県の高校野球事情や現状について書きたいと思います。ご興味ある方は以下お付き合いください。
「STOP THE 浦和学院」はどの高校か。これが春以降の埼玉県高校野球界のキーワードとなる。
埼玉県は16日に地区予選が終わり、春季県大会への出場校が出揃った。地区予選では昨夏の準優勝校である昌平が不戦敗で消え、元日本ハム金子誠さんのご子息である永選手を擁する立教新座が敗れた以外は目立った波乱はなく、実力校が粛々と県大会へ勝ち進んだ形だ。ここにセンバツベスト4の浦和学院や花咲徳栄等、昨秋にベスト8へ進出したチームが加わり夏のシードを決める大切な春季大会が4月23日から始まる。
今大会大本命、優勝候補筆頭・浦和学院のこれまで
まず初回は、その優勝候補・大会の大本命である浦和学院について語りたいと思う。
浦和学院は森士(おさむ)監督が昨夏勇退し、後任として31歳の長男の大(だい)・新監督が昨秋以降は采配を振るう。いきなり埼玉県を制覇すると、その後関東大会ベスト4へ進出し、センバツへの切符を掴んだ。センバツでも甲子園初采配ながらいきなりベスト4まで進出した強打の浦和学院。
奇遇だが思えば父の士氏も27歳で監督に就任すると左腕のエース左腕・染谷投手を擁し、いきなり関東大会ベスト4へ進出。センバツでも甲子園初采配ながら、ベスト16では後にメジャーリーガーとなる岡島秀樹投手擁する東山高校を延長で下す(当時から岡島投手はリリース時に下を向いて投げていた印象がある)など、いきなりベスト4へ進出したのは有名な話だが、血は争えないというかこれも単なる偶然なのだろうか。
大・新監督は、早速独自色を出した。心理カウンセラーの肩書きを持つ大・監督は、まずはこれまでの徹底した管理野球から徐々にシフトチェンジを試みている。就任時盛んにテーマとして挙げていたのは「自律」。朝練の回数を減らし睡眠時間を確保、自主練習の時間も増やしている。技術的にも浦和学院これまでのコンパクトなスイングから、状況により追い込まれてもフルスイングをすることをチームとして徹底させた。
もちろん、今年の代は元々旧チームの投打の柱が残っている状況ではあったが、それにしてもセンバツベスト4は立派だ。結果は早速形に表れている。何より春先に出遅れていたこともあり、登板すると準決勝の近江戦で4戦目となるエース宮城を登板回避させるなどの判断は選手の将来を考えると立派だ。
戦力分析〜浦和学院編
投手陣は宮城、金田の左右両輪に、センバツでも準決勝の近江戦で先発した浅田や左腕・芳野、他にもセンバツでは登録外となったMAX147km右腕・小田部やU15日本代表の経験もある左腕・西田など高いレベルでの競争が続き磐石の布陣だ。ちなみに、宮城誇南(こなん)投手の名前の由来は、母親が「名探偵コナン」好きであったことも影響している。
打線も一冬を越しスケールアップした。昨秋よりもチームとしてフルスイングを心がけること徹底した結果、2番・伊丹、3番・金田、4番・鍋倉、5番・高山と甲子園で本塁打を放った強打者が並ぶ。チームとして大阪桐蔭の次に多い4本を放つ。打線として、昨秋の山梨学院大付・榎谷投手、センバツで近江・山田投手と、この代のトップクラスの投手と対戦した経験も今後に生きてくるであろう。
守備陣もショート堅守の金田を筆頭に鉄壁で、新チーム結成時からの平均失策率は僅か0.4個とセンバツ出場校の中でも2位。センバツでも4試合で失策は僅か1ととにかく堅い。一見死角はないように思えるが、埼玉の高校で浦和学院を止める高校は現れるのか?
次回は、今大会も対抗馬に挙がる埼玉の2強の一角、ここ10年ほど浦和学院と常に覇権を争ってきた、花咲徳栄について触れて行きたい。
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