春日部共栄 13-0 越谷総合 5回コールド
8日とは打って変わり、炎天下の中迎えたレジスタ大宮球場の第1試合は東部地区の強豪・春日部共栄と部員11人の越谷総合との一戦で始まる。
先発は春日部共栄が林 大斗投手（3年）、越谷総合が林 恵太郎投手（3年）と両エースが登板し試合が始まる。
先制したのは春日部共栄であった。初回、越谷総合・林の立ち上がりを攻め、初回の小林 夢行外野手（3年）が右前安打を放ち出塁すると、続く土屋 歩夢外野手（3年）が右越えの打球を放つ。右翼手が目測を誤ると、これがランニング本塁打となり春日部共栄が幸先良く2点を先制する。
これで楽になった春日部共栄は、2回にもこの回先頭の平尾 拓翔外野手（2年）が三塁強襲の二塁打を放ち出塁すると、続く鳥谷越 大成内野手（3年）も四球を選び無死一、二塁とする。さらに暴投でそれぞれ進塁し無死二、三塁とチャンスを広げると、ここで8番・一條 泰我内野手（3年）が中越えの2点適時三塁打を放ちまず2点、続く林も中越えのランニング本塁打を放ち、もう2点を追加し6対0とする。1番・小林も左中間へランニング本塁打を放ち7点差、さらに続く土屋が中前安打を放ち再度チャンスメークすると、すぐに二盗を決め無死二塁とする。2死後、髙田 憲志内野手（2年）が右前適時打を放つなど、春日部共栄はこの回一挙6点を奪うビッグイニングを作り8点差をつけ試合の大勢は決した。
春日部共栄はその後も攻撃の手を緩めず、3回にも一死から一條が右前安打を放つと、さらに相手エラーの間に二塁へと進み一死二塁とする。ここで続く林が左前適時打を放つと、続く小林も左前安打を放ち一死一、二塁とする。2番・土屋も四球を選び一死満塁とチャンスを広げると、続く吉野 雄星外野手（3年）の内野ゴロでまず1点、さらに4番・伊藤 悠我捕手（3年）の左翼への大きな打球に対し、相手が目測を誤り2点適時三塁打となるなど、この回も4点を追加し12点差をつけコールドペースへと持ち込む。
4回にも暴投でさらに1点を追加し13点差をつけた春日部共栄。投げては先発・林が越谷総合打線を初回先頭の林以外全員三振という11者連続三振を奪うなど4回パーフェクトピッチングを見せると、最終回は2番手・永井 泰晴投手（3年）が無失点に抑える。
結局、12安打13得点の春日部共栄が、越谷総合を5回コールドで下し初戦を突破した。
越谷総合は今春は連合チームでの出場。とにかく現状では何とか試合ができる状況を設けるのが精いっぱいであった。中堅手は助っ人の成島 柊歌（1年）、左利きの三塁手・野田 心輝（1年）や遊撃手の本田 慶次（1年）もケガの影響でワンバウンド送球しかできない状況であった。それでも先発・林は今春、四校連合として春日部共栄戦で登板したことを受け、大会直前でフォームを変更し右サイド投球するなど工夫は見られた。幸い林以外は全員1、2年生であるだけに、この日残念な結果に終わった外野守備を含め、この悔しさを秋以降にぶつけてもらいたい。
一方の春日部共栄はリードオフマン小林が直前の練習試合でも2試合で8安打放つ日もあったそうで目下絶好調。昨秋は5番に座っていたが、今春以降は1番に座りチームを引っ張る。この日もランニング弾を含む3打数3安打1打点と好調を持続し、活躍する姿を母校OBの元千葉ロッテ投手の父・宏之氏にも披露した。
小林自身も
「右打ちは自分がやらないと周りがついてこないので意識した。1番は適正として楽に打席に入れていると思うので合っていると思う。野球を始めたきっかけが父なので父を追い越す気持ちでプロに行きたい。セールスポイントは打撃です」
と胸を張る。本多監督も、特に初回先頭で放った右前安打に対し、
「小林はこちらで言わなくても自分で判断して右に打てる。そういう選手は自ずと成果が出る」
と賛辞を送った。
今年の春日部共栄は昨秋、今春と県初戦で敗退するなど、これまでは思うような結果を出せていないが上位進出のポテンシャルは十二分に秘めている。ただし、順当に行くと3回戦で山村学園と川越東の勝者との対戦が濃厚だ。ここを乗り切れるかは投打の柱、林と小林にかかっている。
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