与野 8 – 1 大宮工業 8回コールド
埼玉の秋が始まった。秋といっても未だ気温は30度を超え夏の延長が続いているが、いずれにしても新チームは始動している。新人戦を終え、いよいよセンバツをかけた秋の地区予選が始まる。
浦和市営球場の第1試合は与野vs大宮工の一戦だ。旧チームの話になるが、この両校は今春も対戦しその時は与野がコールド勝ちしているが今回はどうか。
先発は与野が左腕の相羽 将吾投手(2年)、大宮工が技巧派右腕の嶋 冬音投手(2年)と両エースが登板し試合が始まる。
先制したのは大宮工であった。
大宮工は初回、与野・相羽の立ち上がりを攻め、一死から2番・藤沼 翔大(1年)が右前安打を放ち出塁すると、二死後、4番・秋保 颯太(1年)が右中間へ適時二塁打を放ち先制する。
対する、与野もその裏、大宮工・嶋の立ち上がりを攻め立て先頭の廣上 詠斗(2年)が右前安打を放ち出塁すると、続く尾崎 太陽(1年)の犠打がエラーとなり無死二、三塁とチャンスが広がる。一死後、4番・田中 拓海(2年)の内野ゴロでまず1点、さらに続く蝋山 颯太(1年)が左翼線へ適時二塁打を放ちすぐ逆転に成功する。
与野は打順が2巡目を迎えた3回にも、先頭の廣上が中前安打を放ち出塁すると、続く尾﨑がきっちりと送り一死二塁とする。ここで3番・相羽が右前適時打を放つとさらに右翼手が後逸する間に一気に三塁へと進む。続く田中も右前適時打を放ち4対1とする。
対する、大宮工はここで先発・嶋を諦め、2番手・市村 翔投手(1年)へスイッチする。
与野はその後も攻撃の手を緩めず、大宮工・市村の代わり端を攻め、一走・田中が二盗を決め一死二塁とすると、5番・蝋山が中前安打を放ち一死一、三塁とチャンスを広げる。蝋山もすぐに二盗を決め、一死二、三塁とすると続く中村 類斗(1年)の内野ゴロでまず1点。さらに暴投で6対1とする。6番・須永 悠太(2年)が再度チャンスメークすると、二盗を決め二死二塁とする。ここで8番・小島 道翔(2年)が三塁線を破る適時二塁打を放つなど、大宮工はこの回一挙5点を奪うビッグイニングを作り試合の大勢は決した。
与野は6回にも、この回先頭の須永が中前安打を放ち出塁すると、続く小島が中越えの適時二塁打を放ちコールドペースへと持ち込む。
投げては与野のエース相羽が2回以降立ち直り、大宮工打線をパーフェクトに抑える。
一方、2回以降3者凡退に抑えられ、意地を見せたい大宮工は7回、4番・秋保、5番・飯野 智也(2年)、7番・市村の3安打で満塁としチャンスを作るが、あと1本が出ず万事休す。
結局、与野が7回コールド8対1で大宮工を下し初戦を突破した。
大宮工は与野に足でかき回され、相手エース相羽の緩急にやられてしまった印象だ。
大谷監督は
「現状バッテリーが固まっていない。新チームは一から作っている状態なので打席に立つ経験も少なくて。2年生が5人しかいないので1年生中心になってしまうんですが、長い目で見て夏に合わせられれば。まだ私も預かって1年なので、OBとして伝統の打線を復活させたい。他のOBのクラブチームなどから選手も徐々に集まりつつあるので2〜3年後にはそれなりのチームにできるのではと思っています。他の春日部工や川口工、川越工など他の工業も力をつけてきているので我々も負けないように」
と反省しつつも熱意を感じる。古豪復活なるか。
一方の与野は先制を許すも慌てず、安定感のあるエース相羽が緩急自在な投球で踏ん張り、打線も足を絡めつつチャンスで畳み掛け2ケタ安打を放った。
「秋はその日暮らしなんで」
と吉本監督は謙遜しつつ
「初戦なので失敗を恐れず相手バッテリーをどうやって崩すかというのがテーマでやっていた。次の埼玉栄戦は一つ一つアウトを取って当たって砕けろです。この学校に来てから取り入れていることなんですが、試合後2時間ほど振り返りのミーティングを行っている。『こういう結果で課題が見つかったからこういう練習を』と提案し、各自の課題を与えないといけないので」
と続けた。まだまだ夏まで1年。道のり半ばだが、次の埼玉栄戦は全力でぶつかる。
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