コロナ禍で巻き起こったゴルフブーム
突然ですが、コロナ禍で人気となっているスポーツがあることをご存知でしょうか?
答えはゴルフです。
新型コロナウイルス感染症が日本で初めて拡大してきた2020年春、そして緊急事態宣言発令時のこと、ゴルフは、休業要請対象外だったゴルフ練習場やゴルフ場がテレビのワイドショーに映し出され、やり玉に挙がったことがあります。しかし、同年夏になると、いわゆる“三密”を回避できるアクティビティとして注目され、休眠ゴルファーが再びゴルフクラブを手にしたり、20代、30代を中心に新規ゴルファーが参入。プロツアーは大会中止を余儀なくされていましたが、アマチュアレベルにおいて、ゴルフは一気に人気スポーツとなりました。
例えば下の記事。
引用元:株式会社第一生命経済研究所
こちらでは、総務省「家計調査」などを元に若者を中心にゴルフがブームになっているとしています。また以下の記事では、経済産業省による様々なサービス業の活況度を示す「第3次産業活動指数」を取り上げ、第1回目の緊急事態宣言前後のゴルフ場とゴルフ練習場の活動推移について言及。ゴルフ人気拡大を伝えています。
引用元:SPREAD
このように今、人気となっているゴルフですが、コロナ禍以前は人気低迷にありました。これは国内だけでの話ではなく、世界的なトレンドで競技人口は右肩下がり。米国では2006年に約3,000万人いたゴルフ人口は、緩やかに減少し、2009年には約2,700万人、2015年には約2,500万人まで減った他、国内では、「レジャー白書2020」によると、平成31年の全国ゴルフ人口(1回以上プレー)は580万人で前年比13.4%減となっており、平成13年比では、なんと760万人(57%)減と厳しい状況にあったのです。
欧米で“ゴルフ人気回復ツール”として始まった
フットゴルフ
ちょっと前置きが長くなりましたね。
欧米において、フットゴルフはこうしたゴルフ人気低迷の回復策の一環として普及して行きました。フットゴルフは、ゴルフ場でサッカーボールを蹴りますが、そのルールはほぼゴルフ。サッカーは欧米だけなく世界的に普及しており、競技人口も多い人気スポーツです。サッカー愛好家をゴルフ場に呼び込むことで、ゴルフを知ってもらい、そのうちゴルフをしてくれれば…。オランダで2009年にルール化されたと言われているフットゴルフですが、欧米では“ゴルフ人気回復ツール”として、その歩みを進めて行ったのです。
こうして成長の第一歩を踏み出したフットゴルフを日本国内で普及させようと2014年2月に創設されたのが、一般社団法人日本フットゴルフ協会です。
フットゴルフは、2009年のルール化から10年以上が経ち、今では当時の“ゴルフ人気回復ツール”を脱皮し、新スポーツとして世界中で成長を遂げています。日本フットゴルフ協会が加盟する世界フットゴルフ連盟(FIFG)の加盟国は36カ国。2018年までにワールドカップは3回開催(第4回大会は2023年で米国で開催予定)され、2028年ロス五輪での正式種目化への動きも本格化するまでになりました。
特にフットゴルフ先進国と言われる米国では、全国600以上のゴルフコースでフットゴルフをプレーすることが可能です。例えば、住宅地にあるようなパブリックのショートコースでは、ゴルファーとフットゴルファーが共存してそれぞれのスポーツを楽しむ姿は日常的な光景です。国内での競技普及を目指す当協会にとっては、羨ましくもあり、一方で負けてはいられないと気が引き締まる姿でもあります。
国内においては、当協会によるジャパンツアーを2014年から実施しており、公認コースは全国に11箇所、その他の施設も合わせるとフットゴルフが常時できるゴルフ場は20コース以上に増加。競技人口も右肩上がりに伸びており、今後もその勢いに拍車がかかることが予測されています。
また、昨年からは小学生を対象とした(2022年より中学生も対象)ジュニアツアーもスタートしました。子供たちを主軸にしたイベントは、世界のフットゴルフを見渡しても珍しいことです。当協会では、フットゴルフを単なる一過性の新スポーツであったり、知る人ぞ知るマニアックなスポーツにするつもりはありません。サッカー、ゴルフ、野球などと同様、日本では当たり前に存在しているスポーツとして、文化の一つとして根付かせることが当協会のミッションです。その目的を果たすためにも、子供たちにフットゴルフを知ってもらい、触れてもらい、体験してもらうことを重要施策として位置付けています。
と、真面目な感じになってきてしまいましたが、この「ULTRA SPORTS」ではフットゴルフの魅力や、その周りで起こっていること、当協会の取り組みなどなどを、ゆるーく、時には堅く、お伝えできればと思っています。
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