はじめまして、ブラインドeレーサー いちほまれと申します。
自己紹介
ブラインドとは視覚障がいのことで、私は網膜色素変性症という進行性の国の指定難病により視野狭窄、視力低下、夜盲の症状があるロービジョン(弱視)で身体障害者手帳(2級)を所持、日常生活では白杖(はくじょう)を使用しています。
白杖を持ったモータースポーツゲームのプレーヤー=ブラインドeレーサーとして活動する50代のシニアプレーヤーです。
高校生の時にテレビでF1を見てモータースポーツに興味を持ち、大学は自動車関係が学べる機械工学科に進学、車の免許を直ぐに取得してR32スカイラインで運転を楽しんでいました。
40代前半で網膜色素変性症と診断され、視野の半分以上が見えていないことが判明。病気の進行に伴い、大好きだった車の運転を諦め、仕事も転勤や出張の多い技術系国家公務員から地元福井県での障がい者雇用の事務職に転職。
落ち込む日々の中、ストレスの発散にプレイステーション3でグランツーリスモ6を試したら画面が見えればちょっとした工夫でプレイできることが分かったのが eモータースポーツとの出会いでした。
eモータースポーツとは?
簡単に言うとレースゲームのことでeスポーツのモータースポーツ分野です。家庭用ゲーム機やゲーミングパソコン用に多くのレースゲームタイトルや専用コントローラー、周辺機器が発売されていてプレイスタイルも様々です。
世界大会が開催されるゲームタイトルもあり、実車のプロレーサーもトレーニングで使用するほどリアルなものもあります。
ゲームのプレイ環境
自宅の和室で家庭用ゲーム機とゲーミングパソコンでレースゲームをプレイしています。
ハンドル型のゲームコントローラーを使用することで実車と同じようにカーブでのハンドルの重さや路面の振動がリアルに感じられ、更にアクセル、ブレーキ、クラッチペダルを組合せて実車とほぼ同じスタイルで楽しめるレーシングシミュレーター環境を自分でカスタマイズしながら構築しています。様々なオプション品があり、かなり奥が深い沼です。
視野が狭く見えづらいため、ゲーミングモニターは32インチの湾曲ウルトラワイドタイプにして、モニターに映る遠くの景色から視覚情報を得やすくしています。
また、プレイ中は視野の欠損部分を補うために頭や視線を上下左右に動かして情報を補いながらプレイしています。
サラウンドスピーカーやサラウンドヘッドホンによる音声情報や振動スピーカーを利用するのも情報を補うのに効果的です。
バリアフリーeスポーツの世界
2022年は、健常者の方と一緒にグランツーリスモ・スポーツ(PS4/PS5)でクラシックミニのシリーズ戦に出場し、鈴鹿サーキット大会で優勝したり、F1を主催するFIA(国際自動車連盟)公式大会の日本代表選考会に出場したりと色んな経験ができました。
また、eスポーツを通じて障がい者の社会参加の支援を行う㈱ePARAのeスポーツ部活動へ参加することで、自分とは違う障がいを持った仲間ができて、仲間たちの才能、パワー、笑顔にとても良い刺激を受け、障がいの有無、年齢、性別を問わずに楽しめるバリアフリーeスポーツの世界に出会えた幸せとその可能性を感じています。
まとめ
人生の途中で視覚障がい者となり、日々できないことが増えるマイナスの日常で見つけた唯一のプラスとなったeモータースポーツの世界。
eスポーツを通じて、色んな仲間が増え、支えてくれる方々のお陰で人生が大きく変わりました。
2023年は、ePARA内の新ユニット Racing Fortia Esports Team 所属のブラインドeレーサーとして活動させていただくことになりました!
誰もが楽しめるバリアフリーeスポーツを通じて、様々なチャレンジを行う白杖インフルエンサーとしてSNSや動画配信で情報発信したいと考えています。
ご支援、ご声援のほど、よろしくお願いいたします。
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